コラム
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2012/5/29
1045    二度とない人生だから

さとう宗幸さんの「二度とない人生だから」を聴かせてもらいました。式典はライオンズクラブ国際大会335複合地区年次大会、場所は姫路市文化会館のことです。時間にしてわずか5分程度だったのですが、自分の心構えや行動を考えさせられました。特に東日本大震災、平成23年3月11日の被害に遭われたさとう宗幸さんの心に染み入る歌声だったことも大きな要因です。生命に関わる大きな体験をされた方の言葉は訴える力がありますし、世界最大の社会奉仕団体であるライオンズクラブの年次大会での歌声は、目的を共通とした方々の心と共鳴して素晴らしいものになりました。

「二度とない人生」。誰でも知っていることで、当たり前すぎて二度とないと思うことは少ないのです。ですが人生は二度とないことは私達にとって現実です。どんな人でも自分が生きていることの意識が芽生えてから100年もすれば、この現実と向き合うことになります。さとう宗幸さんの歌を聴きながらこんなことを考えました。

  • 姫路市での年次大会に参加してこの歌を聴くのも最初で最後だということ。
  • いま出席している皆さんと同じ場所、同じ会員の皆さん、同じ目的を共有していることは二度とないということ。
  • 今日交わした数え切れない会話を交わす機会は二度と訪れないこと。
  • 主宰者や来賓の皆さんが今日の日のために考えて練り上げた挨拶を聞く機会は二度と訪れないこと。
  • そして私が、ライオンズクラブ国際大会335複合地区年次大会に来ることは二度とないこと。

今日の出来事の全てが二度と訪れないのです。もし来年、全く同じ会場で同じ式典が繰り返されたとしても今日と同じ感情にはなりませんし、その場所で出会う人も会話の内容も違います。つまり同じ場面は繰り返されることはないのです。

毎年同じように巡ってくるように思う一日ですが、自分が同じ日に出会うことはありません。来年も平成24年の年次大会が開催された5月27日は巡ってきますが、平成25年の同じ日として巡ってくるので同じ日ではありません。

今日という日は二度と訪れませんから、朝起きてから就寝するまでの一日を自分の全てで生き切りたいものです。今日の朝が訪れることも二度とありません。今日交わした会話と同じ会話を交わす機会は二度とありません。今日と同じ日程を繰り返すことは二度とありません。つまり人生においてルーチンワークはなく、全てが一度限りの本番の舞台なのです。同じことを繰り返しているように思っても、全く違う日を生きているのです。

時間は定型的な動きを提供してくれます。朝、昼、夜と毎日決まった時間に訪れてくれますし、日曜日も決って訪れてくれます。余りにも決った動きをしているので、その大切さに気づかないのです。努力をしなくても、願いを掛けなくても毎日与えられているから、大切なものだと思わないのです。

しかし二度とない今日です。今日という日は人生で二度と訪れないのです。二度とない今日を生きていることに気づき、二度とないものが与え続けられていることに感謝したくなります。

「二度とない人生だから」とう言葉がとても重たく、そして貴重なものであることに心が気づきました。そして今日、会場で湧いた感情は明日になれば消え去ります。消さないためには自分の言葉で記す以外にありません。人生が二度とないものであること、今日は二度と訪れないものであること、それを意識した日であることを記します。

二度とない人生だから、今日の日を悔いなく生きたいものです。