コラム
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2012/4/24
1024    和歌山県の食材

和歌山県産の食材ばかりを使って料理を提供しているお店があります。和歌山県産に拘っているのですが、実はオーナーシェフは和歌山県出身ではありません。他の県でレストランをしていたのですが、食材を求めて全国を歩いている中で和歌山県に辿り着きました。ここで発見したのが和歌山県の農産物、海産物の素晴らしさだったのです。こんな素晴らしい食材は他の県にはないものだと思い、早速、和歌山県に移り住むことになりました。

そして和歌山市内にレストランを構えたのです。店舗の設計と同時に行ったことは、和歌山県内の優れた産品を見つけ、その生産産農家と直接契約することでした。自分で味わって、この食材を調理してお客さんに提供したいと思える素材だけを選定し、生産者と次々に契約を行っていきました。

オーナーは「和歌山県にない食材はない」と言います。北から南まで日本各地で生産されている野菜や果物は、和歌山県内で生産されているようなのです。気候や土地柄があると思いますが、和歌山県の北から南までに広い気候は農産物生産に適しているようで、マンゴーからリンゴまで生産されているのです。

実は私は、リンゴが和歌山県内で生産していることをこのオーナーから聞いて知りました。マンゴーに関しても大阪府に住んでいる友人から「和歌山県のマンゴーは全国で一番美味しいですよ。私はお世話になっている方への贈り物として、毎年、和歌山県産のマンゴーを届けています」と話してくれたことで知りました。和歌山県内にいる人よりも県外の人の方が、和歌山県の食材が優れていることを知っているようです。

このオーナーは、和歌山県産の食材を使った料理をお客さんに提供して好評を得ています。今ではオーナーの食への拘りに、交友のある生産者も応えてくれるようになっています。「料理は食材の良さと新鮮さが勝負です」と言ってくれたように、和歌山県の食材を使った料理だから、新鮮で美味しいメニューをお客さんに届けられると笑顔で話してくれました。そして生産地で取れたものは、生産地内で食べることが一番美味しい食べ方だと教えてくれました。美味しくて質の高い和歌山県産の食べ物を、食卓やレストランで毎日食べている私たち和歌山県民は、気づかないだけで幸せな生活を過ごしているのです。

オーナーのこれからの夢は、「もっと沢山の素晴らしい和歌山県の食材を見つけて料理に採り入れること。お客さんに和歌山県の食材の素晴らしさを知ってもらい、味わってもらうこと」なのです。

和歌山県には自慢できるものがないという人がいますが、食材の豊富さ、品質の良さ、安全と安心は全国に誇れるものです。そんな食材を毎日、食していることも誇れることです。地元で採れている食材ですから新鮮さやコストが違います。東京で和歌山県産の食材を使った料理を食べるのと地元和歌山県で食べるのとでは、やはり鮮度が違うのです。

そんな贅沢な食材をたっぷりと使って食事を提供してくれているお店があります。県外出身のシェフが気づいてくれた和歌山県の良さです。最高の食材を調理でき、お客さんに提供できる幸せを感じてくれる。そんなオーナーシェフのいる和歌山県も素敵な県です。