コラム
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2012/4/2
1009    合格発表の日

公立高校の合格発表の日。受験生と保護者にとっては緊張の瞬間であり、また嬉しいお知らせ、または悲しいお知らせを受け取る日でもあります。しかもその嬉しさや悲しさは人生の中で大きな比重を占めるものであり、その後の生き方を左右する出来事になるのが合格発表の日なのです。

合格した人には今日の景色が桜色に染まり、合格できなかった人には灰色に染まります。

合格した受験生には心からおめでとうと祝福したいものですし、残念ながら不合格だった受験生にも、「長い人生の中のたった一日、大人になればたいした出来事でなかったと思う日が来るので悩まないこと」と伝えたいと思います。

合格発表の日は人生の大事業であり大きな節目ですが、結果によって人生が転落するものではないことを信じて欲しいと伝えたいと思います。このことに関しては、次のコラムでしっかりと伝えるつもりです。

さて和歌山県内の公立高校受験発表の日、献血のお手伝いを行いました。この活動の中で嬉しい話がありました。

結果発表は午前10時からだったことから、お昼には合否の結果が分かっています。献血活動をしている場所に一組の親子が歩いてきました。お手伝いをしている一人が献血を呼び掛けたところ、そのお父さんが嬉しそうな顔をして「今日、娘が志望する高校に合格をしました。とても嬉しいので献血に協力します」という反応があったのです。

娘さんはこのお父さんと一緒に来ていたので、同じように嬉しい表情をしていました。お父さんは献血バスに乗り込み、娘さんはバスの外で待機してくれました。参考までに献血は満16歳からできることから、中学校を卒業したばかりの娘さんは15歳のため献血はできないことになっています。

そして献血を終えたお父さんが外に出た瞬間、その場に居合わせた私は「献血へのご協力ありがとうございます。そして高校合格おめでとうございます」と笑顔と共に挨拶をしたところ、本当に嬉しそうな笑顔で「ありがとうございます」と二人で挨拶をしてくれました。合格記念の献血は一生忘れない思い出になると思います。

後姿も幸せで満ちていました。今日の日の夕食は、家族の中で幸せな食事になっていると思います。受験生が頑張って得た合格という結果は、周囲の皆さんに幸せを分け与えてくれるものです。幸せはみんなで喜び分かち合い、仮に不合格という結果が出た場合もみんなでその受験生を支えて欲しいものです。

さて、嬉しい春が訪れたこの笑顔が素晴らしい親子に心から祝福をしています。合格という嬉しい出来事に感謝する意味で、社会に貢献するための行動を起こした親子は素晴らしいと思いますし、そんな行動が周囲にいた私達に、合格した親子と同じような小さな幸せ感を運んでくれたからです。神様は、他の誰かに幸せのお裾分けをする人のところには、もっと幸福が訪れてくれるように仕向けてくれます。合格発表の日の二人の感謝の気持ち入こもった行動に、心からありがとうと伝えました。