コラム
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2012/3/22
1003    プレゼント

心からお悔やみ申し上げます。以前コラムで紹介した病気治療中のNさんがお亡くなりになりました。本当に寂しい出来事です。お悔やみに伺った時に、コラム「NO981最後の闘い」を親族の方に届け、気持ちを伝えました。

Nさんは最後まで病室で「片桐さんが来てくれた。とても嬉しい」、「今度の選挙で私の一票が減るので申し訳ない」とばかり話してくれていたことを知りました。そして家族からは、「1月にお見舞いに来てくれたことを毎日のように喜んで話していました。おじいちゃんは本当に片桐さんのことが好きだったので、来てくれたことをいつも話していました」という話を聞くと、もっと何度もお舞いに行けば良かったと後悔します。Nさんは病室で毎日、「来てくれた」と話してくれていたようです。

和歌山市議会議員に出てからずっと応援してくれました。合計3回の選挙で投票してくれたことになります。病気と闘っているのに私のことを気にしてくれていました。最後の瞬間に至る時間で、自分のことではなくて人のことを思える心の強さと優しさは凄いと思います。

闘病の最後は食事が食べられなかったのですっかり痩せていましたが、とても優しい顔をしていました。そして火葬をした後、喉仏は真っ白くてとてもきれいな形をしていたと聞きました。身体はこの世から亡くなりましたが、仏様の姿を残してくれていて、これからも見守ってくれるようです。

通夜式の時に説法を聞きました。人は長く生きても100歳くらいまでです。365日の100倍ですから、3万6,500日の朝を迎えることになります。尤も100歳まで生きられる保証はありませんから、実際は3万日を越える朝を迎えられる程度でしょうか。人生で迎えられる朝は以外と短いことが分かります。人は何故生きるのかは分かりませんが、多くの人と出会い、自分の魂のレベルを高めていくことも理由の一つだと考えます。

人は人との間で生きることで自分の能力を高め成長していきます。心身を高める過程で気づくことは、成長すればするほど人に優しくなっていくこと、毎日が幸せだと感じられること、そして人も同じように幸せな気持ちでいて欲しいと思えるようになることです。

心身が成長して魂を高める修行の人生の旅の途中で、自分ひとりが良ければという考え方から自分の幸せと共に全体も幸せに、という考え方に変わっていきます。人生の次の世界があるかどうか分かりませんが、死の瞬間に幸せな人生だったと思えることで、人生の修行の旅を終えることができそうです。幸せな気持ちでこの世を去ることが人生の目的だと思います。幸せな気持ちになるためには、自分も、そして周囲にいる多くの人も幸せでなければいけません。多くの小さな幸せを届けられる人が人生の目的を達成したと言えそうです。

私は確実にNさんから心のプレゼントを受け取っています。それは人を思いやる心、期待しているという心、自分がいなくなっても託せる人物だと思ってくれていた心、などがそうです。他からは受け取れない、お金に換算できない心がプレゼントなのです。