令和8年2月定例会一般質問 / 質問内容

3.和歌山IRについて

一般質問

知事の答弁をいただきました。成長産業としてGX関連産業に選ばれる地域を目指すことを伝えてくれました。私もGXは賛成なので選ばれることを期待していますが、なかなか難しいと感じています。もし和歌山県のGXが選ばれなかった場合はどうするのか。4月になって「選ばれませんでしたと」と言っても仕方ありません。そこでGXも進めますが「和歌山IR」も同時に進めましょうよ」ということです。そこで質疑質問に移ります。

関西は国際観光拠点として再編されつつあります。和歌山県は、この変化を「外から眺め機会を見送る県」であり続けるのか。それとも「挑戦する県」として存在感を示すのか。今回の観光庁の公募は単なる制度手続きではなく、和歌山県の将来像そのものを問う機会です。

先に大阪IR開業後は県内の若者層がさらに流失するとしましたが、一方、和歌山IRが実現する場合は、「観光×AI×国際業務」「eスポーツ運営、コンテンツ制作」という地方では希少な職種が創出され若年層の定着率が上昇することにつながります。

また「和歌山IR」が、地方人口流出の構造的問題に対する実効的対策となり得ること。和歌山県を「観光」から「国際コンテンツ産業」へ転換させ得ること。大阪IRと競合せず関西圏全体の成長を促進することになると考えます。

そして和歌山ブランドの質的転換が図られることになります。従来のイメージは高齢化、地方、観光は国内向けだったものが、「最先端×伝統」「日本文化×デジタル」「若者が集まる国際都市」と変化し、「TOKYO」と共に「WAKAYAMA, JAPAN」が英語で連呼され、海×山×神社×温泉という唯一無二の背景を有する「和歌山IR」は観光CMを1億回流すのと同等か、それ以上の効果があるとの話も聴いています。

また外国から和歌山県に来てくれたエンジニアたちは「東京も和歌山県も同じだと思っていましたが、和歌山県に来てみると違いました。ビジネス機会が少ない、市場が小さい、仕事の単価が一桁安い、SNSの市場は異次元に少ないと意見がありました。

しかし和歌山県だけが「自然・信仰・歴史×世界最先端」を同時に出せ、東京以外の日本を見せられるのは大きな武器になります。

一般質問

また政策、地方自治体にとっての意味は、教育・人材面にも影響があります。県内高校・大学の就職先として有望で、映像、AI、通訳などの人材定着と、「地元に世界が来る」体験がUターン・Iターンの動機になります。これらの観点から「やらない理由」ではなく「やるための条件整理」を行ったことはあるのでしょうか。

大阪IR開業後、投資・人材・消費が大阪に集中したとき、和歌山県は何で対抗するのでしょうか。「検討する」間に時間だけが過ぎていきます。挑戦しないという判断も、政治決断です。しかしその結果、成長機会を逸した責任は誰が負うのでしょうか。

もちろん無条件の推進を求めているのではありません。財政負担を抑制し、リスク遮断スキームの明確化、そして撤退条件の事前設定を前提とした「再挑戦の正式検討開始」です。

やらないのであれば、IRに代わる年間数百億規模の投資・税収増を具体策として今ここで示していただきたい。示せないのであれば検討を開始すべきです。

そこで質問です。

質問1:「和歌山IR」が実現した将来と「和歌山IR」がない将来の比較について

「和歌山IR」が実現した将来と「和歌山IR」がない将来は、和歌山県にとってどのような違いがあると想定できますか。人口、雇用、経済規模、県内総生産、税収の違いを5年後、10年後でお示しください。

質問2:事業者への呼びかけと挑戦の意思について

愛知県でさえエンターテイメントがないことから首都圏への若者人口流失を止めるためと政策実現に必要な税収確保のためにIR誘致に踏み切りました。

令和7年12月23日の定例記者会見で「良い業者さんが来らくれたら良い」と答えていますが、事業者に来てもらうためには知事が「和歌山県でのIR関心のある事業者は来てください」と伝えなければ、来てくれることはありませんから、事業者に対して呼びかけるべきですが如何でしょうか。

観光庁が特定複合観光施設区域の公募時期を発表しました。和歌山県の将来を考えて、ここに挑戦する意思はあるのでしょうか。知事の答弁を求めます。

答弁者:知事【企画課】

本県におけるIR誘致につきましては、現在、用地や運営事業者、投資規模など具体的な計画自体が白紙であります。

したがいまして、IRの有無による将来の人口や雇用、県内総生産等を比較した数値というのをお示しすることはできません。しかしながら、IRが県内に整備され、仮に大きな経済波及効果や雇用効果が発生すれば、本県経済の活性化につながる可能性は十分あると考えております。

一方で、ギャンブル等依存症患者の増加や交通渋滞の発生、様々な負の影響の可能性に対する強い懸念もあることはございます。

加えて、令和4年4月の臨時会において、区域整備計画案が否決されたという事案を大変重く受け止めており、IR誘致の是非については十分な検討が必要であると考えております。

そのような中、新たな区域整備計画の受付に向け、昨年12月に国が示した政令案の中では、申請期間が令和9年5月6日から同年11月5日までの6か月間とされています。

現状、IR誘致に取り組むと判断したわけではなく、具体的な検討を行っていない中で、今回示された申請期限までに十分な検討を行うのは容易ではないということから、今回の再公募については、見送る方向で考えております。

そのため、事業者に対して積極的な働きかけは行っていませんが、御提案があればお聞きするつもりでありまして、IR誘致の可能性を全く閉ざしてしまうというわけではございません。

再質問

では、前提条件は初期投資8千億円とした場合のシミュレーションを示します。

「和歌山IR」がある場合、5年後は人口85万人維持、県内総生産は3.9兆円、雇用はプラス2万人、県税収は300億円から400億円、建設業は需要拡大、若者流失は抑制となります。

実現できない場合、人口83万人、県内総生産は3.4兆円、雇用は横ばいから減少、建設業は県外依存継続、若者流失も継続と予想できます。

では10年後「和歌山IR」がある場合、人口84万人から85万人を維持、県内総生産は4.2兆円、雇用はプラス2万人を維持、県税収は400億円から500億円、建設業は持続的需要創出、若者流失は抑制および一部流入となります。

実現できない場合、人口80万人前後、県内総生産は3.2兆円、雇用は縮小傾向、建設業は県外依存固定化、若者流失は加速すると予想できます。

加えて近年、建設業や設備業の仕事は大阪や兵庫県、奈良県や首都圏の工事を請けているので売り上げを維持しています。維持はしているものの県内工事が減少しているので県内の仕事量だけで会社を存続させることは難しくなっていると聞いていますし、また昨年から「大阪IR」の仕事を請けたゼネコンの請負会社から見積依頼が来ている状況です。これで県内企業を守れますか。

また令和7年9月定例会で同僚議員の「この10年間で和歌山市に誘致した企業の投資実績はどれほどあるのか」の質問に対して、企業誘致について「和歌山市において、誘致などにより県奨励金の対象となった企業の投資実績としては、過去10年で30社、約112億円となり485人の雇用の創出があった」と答弁しています。10年間で112億円投資実績ですから、「和歌山IR」が実現した場合とそうでない場合の数値の差は埋められません。

これだけの違いが予測できますが、この数字を見て和歌山県の将来について考えるべきはないですか。

また同じ課題を抱える愛知県のように「関心のある民間事業者がいるかどうかをまず聞いてみる」べきだと思いますが、如何でしょうか。知事の答弁をお願いいたします。

答弁者:知事【企画課】

先ほどからもお答えしていますとおりですね、IRが整備されれば、本県の経済の活性化というのは、本当に活性化に繋がるという可能性はあると考えております。

しかしながら、先ほど議員がいろんな数字を出していただきましたけれども、また、負の影響ということも懸念があるという認識はあるということは分かっておいていただきたいと思います。

そういったことからですが、私もその全く閉ざしているわけではないということなので、そういった御要望とかあればですね、喜んで話を聞きたいなというふうには思っておりますし、そういうことをじゃあ打ち出してないじゃないかという話もあるかもしれないんですけど、私自身はこの議会で、議場でこういった形で、皆さん方、投資案件があるならぜひ来てくださいねということも申し上げておりますし、幸いなことに、マスコミの方々も取り上げていただいているということもありますので、もしそういう気があるならばですね、ぜひ声をかけていただけたらなというふうに思いますので、そういったことで対応していきたいと思います。以上でございます。

再々質問

知事は和歌山IRに関して、事業者に呼び掛けると答弁がありましたが再度確認します。知事は希望する事業者があれば和歌山県に来てくださいということでいすね。

答弁者:知事【企画課】

前にも、議員にも申し上げたと思うんですけれども、有望な投資案件があったらぜひ来てくださいねと、持ってきてくださいねというふうに申し上げました。

そういったことの同じ対応でありますので、どのように取っていただいても結構ですけれども、そういうことでございます。

再々質問

事業者に来てもらうと答えてくれましたが、「どのように取っていただいても結構です」と答弁がありました。「どのように取っていただいても結構です」とはどんな意味なのでしょうか。お答えください。

答弁者:知事【企画課】

先ほどから色々述べていただいているんですけど、議員おっしゃるようないわゆる打ち出の小槌っていうのは、僕はないと思っているんですね。

そんなに簡単に、投資があるから、じゃあもうこんなに税収が増えるよねって、そういうものではないと思っています。

もちろんそういう可能性は大分秘めていますから、非常に魅力があるものだと僕は思っているし、そういう投資案件があるならば、ぜひお話を持ってきてくださいということは言っていますし、その通りなんですけれども。

ただ、本当に懸念もございますし、いわゆる打ち出の小槌的な、と言うふうに聞こえてしまうので、ぜひ地道な、和歌山県としては一生懸命地道なことを考えて、地に足のついた施策をしっかりとやっていくつもりでありますので、そういったことも認識をしていただけたらなというふうに思います。