令和6年12月定例会一般質問 / 質問内容

4.「大阪・関西万博」で和歌山県の魅力を伝えることについて

一般質問

続いて「大阪・関西万博」の開幕が近づいてきました。今のところチケット販売目標は未達であり、余りまちの話題になっていないようにも感じます。しかし関西で開催される機会は現世代では最後だと思うので、この機会を将来の和歌山県の活力を生み出すことに生かしたいところです。

現在、和歌山ゾーンに出演する団体は「和歌山県のために」と気持ちが入っています。

そこで今回、和歌山ゾーンに出演する「KIYORA和歌山」が「万博からつなぐ和歌山市の未来デザインプロジェクト」から万博の盛り上げを取り上げたいと思います。

「記紀」の時代から歴史に登場する和歌山県ですが、紀州徳川時代は紀州の文化が花開いた時代です。

江戸時代の紀州藩は全国一の出版物を発刊していたようですが、これは紀州藩主の徳川吉宗が「情報を共有しなければ社会は発展しない」と考え、今で言う出版社を作らせて印刷物を発刊していたからです。当時、出版社の数が全国一で、今に残る「紀伊國名所図絵(きいのくにめいしょずえ)」は江戸時代から続いている帯井書店が発刊したものであり、紀州の風景が浮世絵として残っており、城下町は活気で溢れていたことが分かるものです。

この印刷物に使った和紙ですが、和紙は楮(こうぞ)の木が原材料になっています。この楮の木は紀の川筋に群生していたことから、和紙が生産されたことも印刷技術が紀州で発展した要因の一つになっています。

和歌山県の「和」は和紙の和でもあり、和をもって貴しの和、和みの和でもあります。古来より和歌山県は「和み」の地であり、文化の地でもあるのです。和紙も着物も繊維を束ねたものなので、紀州の着物と和紙の文化は全国に誇れるもので、この奥深い紀州の文化を、着物をテーマに和歌山ゾーンで伝えてくれることを楽しみにしています。

今回の「関西・大阪万博」では徳川治宝公の時代を描こうとしています。その理由は、治宝公は茶の湯や音楽、絵画などの芸術を愛したことから「数寄の殿様」と呼ばれたことから華やかな文化を表現できること。そして和歌山藩主としての治世は34年6か月と長く、紀州徳川時代の象徴的な文化を表現できると考えたからです。

さて紀州の着物文化です。元々、小袖は庶民が来ていた粗末な一枚着だったのですが、応仁の乱以降、上質な小袖形式の服装に変わったそうです。そして現代の着物のスタイルになったのは江戸時代です。

「明暦(めいれき)の大火」で江戸が大火事になり多くの家屋が焼失しました。そのため大量の着物が必要となりデザインは簡素化され、染め物の着物も登場しました。多く人が着物を必要としたため、雛形本やカタログブックが刊行されたのもこの頃で、町民文化としての着物が台頭していったのです。

そして江戸時代中後期には現代と同じ太さの帯となり、デザインは上下模様や半模様などが登場し、絵模様も伝説や伝承、年中行事、物語と詩歌、名所と歌枕、そしてだしゃれなどが描かれるようになりました。この時代のスタイルが現代の着物の原型になっています。

「KIYORA和歌山」のメンバーは、企画会議や日常の活動において大変盛り上がっていて「万博」のテーマソングのダンスの振り付けを練習中で、動画を撮影してこれからSNSで広めようとしています。他にも「You tube」チャンネルの開設や「TicTok」の活用、「わかやまプレ万博」への出演も行っています。

「KIYORA和歌山」は、和歌山県内で万博の機運を醸成すること。そして万博では紀州の着物文化を通じて魅力を伝え、万博後は和歌山県への誘客を目指して活動しています。今から万博後までを考えて活動することで、和歌山県の魅力を発信しようとしています。

従ってこの周囲では今から盛り上がっていて「参加できる機会は一度だけの万博を楽しもう」と機運醸成に務めています。

質問1:「大阪・関西万博」の機運醸成について

お答え申し上げたいと思います。もうあと100日なんですよね、万博までね。100日のわりには盛り上がらないというのは議員のご指摘のとおりであります。しかし、あの、始まったらですね、当然盛り上がるんだろうと思うんですけれど、我々県としてはですね、これまでも機運醸成には一生懸命努力をしてきたところであります。

県と商工会議所連合会と共同でですね、国際博覧会和歌山推進協議会をつくりまして、これまでもいろんなイベントをしてまいりました。プレ万博のイベントも、例えば小学生のブラスバンド、あるいはそれこそ高校生のミュージカルですとか、あるいは和歌山でも有名な少年少女合唱団のような皆さんと一緒にプレイベントをやってきました。

それから9月には、空飛ぶクルマの実証飛行イベントを串本町の潮岬望楼の芝で行いましたし、それから先々月には和歌山ビッグウェーブでわかやまプレ万博をやりました。

さらには若者向けにSNSで発信をしております。それから今週末の12月14日ですけれども、ちょうど開催100日前イベントということで、県内のこども達、こどもさん達が中心となって、合唱、ミュージカルで盛り上げようと思っております。

ぜひ、あと残りの100日ですね、一生懸命機運醸成やってまいりますので、県議会の先生方にも、ぜひご指導、ご支援賜りたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

質問2:和歌山県への誘客について

「KIYORA和歌山」の出演テーマ「万博からつなぐ和歌山市の未来デザインプロジェクト」は、城下町における着物文化をテーマにしています。和歌山ソーンで取り上げる様々な文化を誘客にどうつなげるか、知事の答弁をお願いいたします。

答弁者:知事【観光交流課】

今、議員ご指摘いただきました、和歌山ゾーンなんですけれども、テーマが「和歌山百景」百の景色ですね、「和歌山百景-霊性の大地-」、そして「上質のつまった和歌山」というコンセプトで今、吉本さんという若いプロデューサーが色々準備をしてくださっています。

今、これも議員ご指摘のとおりでありまして、県内には、神話の時代から現在に至るまで、いろんな物語のゆかりの地がございます。また、日本の精神文化に大きな影響を与えた地域でありまして、それらを大いに表現していきたいと思っております。

これも議員ご指摘の、紀州藩の徳川家の居城であります和歌山城、あるいは紀州東照宮の例祭である和歌祭り、それから世界遺産である熊野古道などの歴史文化の発信に際しましても、あるいは「KIYORA和歌山」という、今ご紹介ございましたけれども、県内で活躍されている皆様につきましてもですね、ゾーン内のステージで、いろんな発表をしていただけるように取り組んでまいりたいと思います。

和歌山ゾーンですけれども、ぜひ、あの一人でも多くの県民の方が参加していただくようなプロモーションの場としたいということで、県庁の職員も一生懸命準備をしておりますので、どうかご期待をいただければと思います。よろしくお願いします。

質問3:和歌山ゾーン出演者との調整状況について

「大阪・関西万博」和歌山ゾーンに出演する団体は、出演に向けて企画を練っているところですが、出演者がより良いパフオーマンスを発揮し、万博後の地域活性化につなげるため、現在、出演に向けてどのような調整を行っているのか、知事室長からお答え願います。

今後、高級ホテル等のリゾート産業における大型民間投資について、どう取り組むのでしょうか。知事の答弁をお願いいたします。

答弁者:知事室長【万博推進課】

現在、和歌山ゾーンのステージに出演される方々は47名を予定しております。

その方々の展示物やプレゼンテーションの内容につきましては、和歌山ゾーンの総合構築ディレクターであります吉本英樹氏との打合せを通じて準備を進めているところです。

加えまして、出演スケジュール調整にも取り掛かってございまして、それに伴う機材の搬入搬出等の調整も併せて行っていく予定としております。

県といたしましては、これらの調整を迅速に行うことで、出演される団体や県民の方々の円滑なパフォーマンスにつなげてまいります。また、万博に参加し、より良いパフォーマンスが披露できること、それは出演する皆様はもとより、地域の皆様の誇りの再認識につながり、万博後の活動がより一層活性化されるものと考えております。

(意見)

一般質問

質疑を終えましたが、今回、着物で和歌山県の文化をアピールして和歌山県を盛り上げよう、誘客を図ろうとする活動を紹介する中で、僕も紀州の着物文化に触れることができました。詩歌や歌枕の言葉はこれまで知りませんでしたが、とても美しい言葉で奥深い意味を感じさせてくれる言葉です。万博の和歌山ゾーンで和歌山県から着物文化を発信すれば、和歌山県は奥の深い文化を持つ県だと感じてもらえ、万博後につながると思います。参加団体と朋共に機運を醸成していけるよう取り組みたいと思います。ご清聴ありがとうございます。