令和6年12月定例会一般質問 / 質問内容

2.「近畿ブロックスポーツ少年団軟式野球交流大会」の合同チームの問題について

一般質問

さて次の項目に移ります。和歌山県内では、少子化の影響で地域の青少年スポーツチームに属する人数が減少しています。単独チームで試合に出られないチームもあるため、合同チームでの出場は珍しくありません。

本年度開催された「第37回近畿ブロックスポーツ少年団軟式野球交流大会」に合同チームで出場権を獲得した和歌山県内の合同チームがあります。しかし競技規定第8項で「監督・コーチはチームと同一のユニフォームを着用のこと」の決まりにより大会に出場できませんでした。

和歌山県大会には出場できたのですが、近畿大会には出場できず、トーナメント表には「棄権 和歌山」と書かれ、チーム名すら書かれていないのです。出場権を獲得した合同チームの選手は悔しくて涙を流し、指導者は子ども達に「棄権」することを伝えた時の選手の涙を見て、悔しくて涙を流したのです。ユニフォームを統一しなければ出場できない競技規定は承知していたものの、子ども達の涙を見てやるせない悔しい思いをしたのです。

「この競技規定がある限り、来年も同じことが繰り返されます。もう二度と子ども達に同じ思いをさせたくありません。一回限りで十分です。出場できなかった子どもたちの涙は今も離れません」と言って涙で言葉を詰まらせました。

この震える言葉と涙を見て「子ども達に棄権を伝えた時、どれだけ辛かったのだろう。子ども達の涙を見た時はどれだけ悔しかったのだろう。こんな悔しい涙を流させてはいけない」と思いました。

合同チームとして大会出場が決まったからと言って、チーム名やデザイン、費用負担などの問題があるので、新しいユニフォームを短時間で作れるものではありません。

また入部する子どもが少ない年もあれば増える年もありますし、単独チームで試合ができるよう子ども達に入部を働きかけていますが、選手が少ないからと言って単独チームを諦めている訳でもないのです。そのため、事前にユニフォームを揃えておくことはできないのです。

一般質問

ただスポーツを行っている子どもたちに、大人の事情や昭和に決めた競技規定は関係ありません。少子化以前は小学校単位の単独チームで試合を行うのは当たり前のことでしたが、少子化の現在、合同チームで試合に出場するようになって発生した問題です。

合同チームで出場する場合は、ユニフォームを揃えることは先の理由に加えてユニフォーム代の費用負担という家庭の経済的な問題もあり、ユニフォームを統一しなければ試合に出場できないというのは時代遅れの価値観に基づいた競技規定であり、改正する必要があると考えます。

時代は多様な価値観を摂り入れる社会に変化しています。この競技規定は時代に即した規定ではないと思いますし、来年の大会開催までに早急に改正の必要があると考えます。

質問1:合同チームのユニフォームの問題について

そこで質問です。今年開催された「第37回近畿ブロックスポーツ少年団軟式野球交流大会」に合同チームで出場権を獲得した和歌山県内の合同チームが、競技規定第8項「同一のユニフォームを着用のこと」の条文により大会に出場できませんでした。子ども達の涙は監督やコーチ、保護者の心を痛め「子ども達に二度とこんな思いはさせたくない」と思わせるに十分でした。

また高校の硬式野球和歌山県大会では、合同チームでもそれぞれの学校のユニフォームで出場できますし、もし合同チームが甲子園に出場した場合は、それぞれの高校のユニフォームで出場することが可能です。

ユニフォームが統一できないことから出場できないことになるような競技規定があることについて知事はどう考えますか。知事が常に使っている憲法13条の幸福追求権からも、今の時代の感覚からも、おかしな競技規定です。答弁をお願いいたします。

答弁者:知事【スポーツ課】

お答え申し上げます。今、片桐議員のご質問を聞いておりまして耳を疑いました。いつの時代のいつの話なのだろうかという思いで聞いておりましたけれども。大変非常識なことであろうかと存じます。

そもそもスポーツ少年団は、こども達がスポーツを楽しむだけではなく、学習活動ですとか、野外の活動、レクリエーション活動などを通じて協調性とか創造性を養い、社会のルールや思いやりのこころを学ぶ組織であります。そして県のスポーツ少年団の本部は県のスポーツ協会の中に設置されております。

今、片桐議員がおっしゃったとおりで、少子化の中で少年団に入団するこどもが少なくなり、地域によってはチームが組めない少年団が増加しております。

このため、県のスポーツ少年団の軟式野球大会におきましては、単独チームで出場できない場合、合同チームの出場を認めるとともに当然のことでありますけれどもユニフォームの統一条件は付与していないというふうに承知をしております。

また、今、これも片桐議員がおっしゃったとおりで、高野連においても、部員不足による大会参加については特例措置を設けており、帽子やユニフォーム等は連合チーム間で統一の必要がないという旨が定められております。

少子化が進む中で、皆で知恵を出してですね、一人でも多くのお子さんがスポーツをする機会を確保するということこそが重要でありますので、今お聞きした規定は、問題外というか明らかに時代遅れであります。大変遺憾に存じます。

質問2:競技規定改正について

当該規定は時代遅れとの答弁を頂きましたが、では来年度の大会開催までに和歌山県が主導し、競技規定改正に向けた取り組みをして欲しいと思いますが知事はどう考えますか。お答えください。

答弁者:知事【スポーツ課】

お答え申し上げます。今、ご指摘いただきました案件につきましては、昨年度の近畿ブロックスポーツ少年団連絡協議会におきまして合同チームの出場可否について議論がなされたと聞いております。その際に、和歌山県のスポーツ少年団としては、滋賀県とともにですね、合同チームの出場が承認されるよう提案をしましたけれども、規定の改正は全会一致ということが原則だそうでありまして、一部の委員からは単独少年団から有力選手を選抜し、仮に「強いチーム」が形成され、他府県チームを圧倒してしまうというようなことがあると、これは良くないのではないかというような理由で反対がなされ、結果として認められなかったいうふうに聞いております。

これは、民間の任意団体がなさることなので、県当局として民間の皆さんの判断について直接ですね、何か申し上げる立場にはないと思いますけれども、やはりおかしいと思いますので、今後ともですね、ひとりでも多くのお子さんがスポーツを楽しむ機会を得ていただきますように、和歌山県のスポーツ少年団を通して、時代に合った規定に改正されるように働きかけを続けてまいりたいと考えております。

答弁の通り、来年はこのスポーツ大会を楽しめるよう、和歌山県からの意見提議によって競技規定の改正をお願いいたします。