1.生活の安全を護ることについて
こんにちは。議長のお許しを頂きましたので、通告に従い一般質問を行います。
「闇バイト」という言葉を聴かない日は少なくなりました。連日、ニュースでこの言葉を聴きますが、「いつの間に、日本はこんな状況になってしまったのだろう」と思います。
高齢者を思いやる。お互いに声をかけて助け合う。困っている人がいたら親切にするなど、日本人が有している思いやりの心などの価値観は「どうしたのだろう」と思います。
若い世代の感覚が分かり、上の世代をつなぐ30歳代の人が「あと5年もすれば日本人はお年寄りの方が道で倒れていても誰も見向きもしない、助けもしない社会になっていますよ」と話していましたが、そんな社会の到来を感じさせる「闇バイト」の凶悪犯罪の数々です。こんな犯罪が頻繁に起きると「人を信用しなくなる」、「疑いの気持ちで接する」社会になりそうで、社会から思いやりや優しさが失われていくように感じます。
これまでは首都圏で発生していますが、全国に拡大することも予想でき、今の段階からの対応が必要になっています。
和歌山市内のホームセンターなどでは防災用品が品切れになっていることや、インターネットでも品薄となっていて、「注文したけれど届くのは二か月後です」という状況です。
防犯用品が品切れになっているのは「首都圏で発生している強盗事件が拡大することに不安と危機感を感じている」人が多いことを現わしています。
また和歌山市内のリフォーム会社社長は「仕事が忙しくて年内はいっぱいです。その理由は「闇バイト」に関係していて、凶悪事件が関東で多発していることから「面格子」の取り付け依頼が増えています。安全を求めて窓に面格子を取り付ける依頼をいただくのですが、注文して納品されるまでに55日間かかっています。つまり工事まで二か月待ちという状態です。全国の方々が防犯対策を急いでいるので取り付けができないこの間に、これ以上「闇バイト」による犯罪が発生しないことを願っています」と話してくれました。
これら防犯対策の動きは、日常生活に不安を感じ、凶悪犯罪への備えをしていることに他なりません。
日常生活に不安を抱えている。こんな日常が、私たちが安心と安全を願ってこれまで築き上げてきた日本社会だろうかと思いますから、まちの安全、安心対策を強化すべきです。
「闇バイト」の言葉を聴くことにさえ嫌悪感がありますが、ここに端を発しての凶悪犯罪が発生しています。和歌山県内ではまだ被害は発生していませんが、県民の皆さんを不安に陥れて平穏な生活を脅かしています。
犯罪から県民の生活を護るため「まちの安全」と「暮らしを護る」取り組みについて知事のお考えをお聞かせください。
今、県におきまして刑法犯の認知の件数でありますけれども、これは2022年以降増加傾向にございます。
それから、今、片桐議員がご指摘いただいたとおりでありますけれども、凶悪な強盗事件が全国で毎日のように話題になっておりますし、また、特殊詐欺あるいはSNSを使った投資詐欺とか、あるいはロマンス詐欺といったものが急増しております。
県民の皆様の不安が高まっているということは私自身も肌で感じているところであります。
そして、犯罪のない、安全で安心して暮らせる社会の実現は、全ての県民の願いであると思います。
そこで、県では、県民の皆様が安全で安心して暮らせる地域社会を実現するために、「和歌山県安全・安心まちづくり条例」を制定しています。
ご存じのとおり、その基本理念には、「県民等による自主的な防犯活動を基本とし、安全で安心な地域社会の形成に配慮した環境の整備が実施されるよう推進されなければならない」その旨が定められております。
県警では、県民の安全を守ることを責務として、犯罪検挙活動やパトロール等の防犯活動を行っております。
一方で、県民、地域活動団体及び事業者がそれぞれのお立場で、自主的に安全で安心なまちづくりに取り組んでいただくことが不可欠であると考えております。
県といたしましては、県民の皆様に防犯意識を高めていただくための啓発活動を行っていくことが重要な役割であると考えております。
引き続き、県警と連携しながら、犯罪の発生状況や傾向を迅速に共有し、県民の皆様に理解しやすい形で情報発信していくとともに、防犯活動を促す啓発を行って、地域で犯罪は許さないぞという気運を高め、犯罪のない安全そして安心なまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
防犯カメラの設置に関して「ジチタイムズ(令和6年7月24日)」は「防犯カメラの設置も監視性の確保に有効な手段で、カメラの存在自体が犯罪抑止力となり、犯罪企図者に心理的なプレッシャーを与えます。万が一犯罪が発生した場合でも、映像記録が重要な証拠となり、犯人特定や再発防止に役立ちます」と紹介しています。
安全で安心できる生活を護るため、自治会内の道路や住宅などへの防犯カメラの設置や、防犯機能の高い住宅のドアや窓ガラスの取り付けが必要だと思います。
これまでそれほど必要と考えていなかった、住宅地の道路や家屋にも防犯カメラの設置が必要だと思うようになりました。また一般的に必要性の乏しい秘匿性の高いアプリを禁止することや防犯機能の高い住宅のドア、窓ガラスの設置を促す啓発が必要だと感じています。
そこで質問です。自治会や県民の方々の防犯意識を高める取り組みが必要だと思いますが、どのような取り組みを行っているか、昨今の状況から鑑みて更に防犯意識を高めることについて、環境生活部長の答弁をお願いいたします。
県民の皆様に防犯意識を高めていただくための取組につきましては、犯罪に関する情報を掲載した啓発情報誌の発行や、関係団体を通じた高齢者宅への戸別訪問による情報提供、児童がフィールドワークを通じて街中の危険な場所等を学ぶ地域安全マップづくり事業などを実施してきたところです。
また、より防犯意識を高めるため、県警察と連携し、特殊詐欺等の月末時点における被害の認知状況について、情報発信を行い、注意喚起に努めています。
加えて、犯罪の防止に配慮した環境整備にも取り組んでおり、安全で安心なまちづくりを推進するための「防犯指針」を策定するとともに、2016年度から3年間、市町村が設置する防犯カメラについて、設置費用の一部を支援したところです。
今後とも、社会情勢を踏まえ、県警察や市町村、関係団体と連携し、防犯意識をより一層高めるための広報啓発を行い、県民の皆様が安全で安心して暮らせるまちづくりに向けての取組を進めてまいります。
防犯カメラは2016年度から3年間で1,000台強を増やしたことはまちの防犯につながっていると思います。社会情勢に応じて、また治安の状況によっては防犯カメラを増設することも課題になってくると思いますので、防犯意識を高める取り組みをお願いします。