3.大阪・関西万博の和歌山ゾーンについて
和歌山県は、関西広域連合が設置する関西パビリオンのブースに「和歌山ゾーン」を出展することになりました。
「和歌山ゾーン」のテーマは「和歌山(わかやま)百景 ―霊性(れいせい)の大地―」で、神話の時代から神々が鎮まる特別な場所に根付いた宗教や身分などの違いに関わらず、すべてを受け入れて融合、共存させる精神文化を日本の「持続可能な世界」のモデルとして全国や海外に発信する考えです。
知事は「現時点で和歌山県の展示には誰も期待していない。だからこそ無茶苦茶チャレンジして、一発大逆転で素晴らしいものを作ると担当職員に発破をかけたところだ。その上で、古事記、日本書紀の時代から育まれてきた和歌山のサステナビリティを売りにしたい」と意気込みを示したと聞いています。
「記紀」にも登場する和歌山県が持つ歴史の偉大さを訴えるもので、素晴らしいコメントだと思います。
これまでも県議会一般質問の中で、繰り返し、和歌山県の歴史と偉人に誇りを持つことを訴え、和歌山県の歴史や偉人に関する企画展などを開催してくれました。
知事が本当にこのような意識をお持ちであれば、これまで故郷の歴史と偉人たちに誇りを持つことの提案、「和歌山の和歌…美しいわのこころ」を理解していただけるものと拝察します。
「現時点で誰も和歌山県に期待していない」とは、和歌山ゾーンだけの話ではなく、和歌山県の産業や経済力、施策などに関して「全国からそれほど期待されていない」意味だと推察しています。底から這い上がることへ発破をかけたものだと思いますし、這い上がれるだけの潜在能力があることを期待していることだと思うのです。
但し、潜在能力なので「そのうち、そのうち」と考えでいるなら、その潜在能力を発揮しないままでいる危険性があります。
「古事記、日本書紀の時代から育まれてきた和歌山のサステナビリティを売りにしたい」とは、和歌山県が全国に誇る固有の価値を理解して発信しているもので、この点もこれまで訴えてきた和歌山県の価値と合致しています。
勝負処となるのは、これから和歌山県が浮上するために、各分野においてどのように具体化していくかです。
全国から和歌山県は期待されていないのであれば、如何に驚かせるかが勝負です。大いに期待できる発言を聞いて、和歌山県が力を発揮する時期は今である意気込みを感じます。
古事記、日本書紀の時代から育まれてきた和歌山のサステナビリティを売りにする和歌山ゾーンの着想は歓迎するものです。
和歌山の和歌とは、美しいわのこころ。つまり和魂を表すものだと解釈していますが、和歌山ゾーンの考え方、来場者に訴える価値、ここで表現する「記紀」から伝えられてきた和歌山県の姿は、どのようなものを予定しているのでしょうか。
知事の答弁をお願いいたします。
大阪・関西万博では、関西パビリオンの中の和歌山ゾーンにおきまして、「和歌山百景−霊性の大地−」というテーマで、「上質のつまった和歌山」というコンセプトを作りました。和歌山に根付く精神文化から育まれました、自然・人・産業・食・文化など多様な魅力をですね、このゾーンで大いに表現をしてまいりたいと考えております。
今、議員御指摘のとおり、県内にはですね、神話の時代から現在に至る歴史物語ゆかりの地がたくさんあります。本県は、日本の精神文化に大きな影響を与えた地域であると自負しております。それを万博で表現して、地域で育んでまいりました多様な価値観を、お互いに尊重しあえる「寛容の精神」、それを「持続可能な世界」のモデルとして国内外に発信をしてまいりたいと考えております。
そのためにですね、この和歌山の多様な魅力を皆さんに体験してもらうために、映像のトーテムポールの真ん中に中央ステージがありますので、「和歌山の今を生きる皆さん」に焦点を当てて発信をしていくということも考えておりますし、飲食可能なカウンターバーも設けまして、和歌山の上質な食の魅力を楽しんでもらいたいと考えております。
その上で、この万博をですね、県内の企業や学校をはじめ県民参加型のプロモーションの場としたいと思っております。それに参加することで、県民の皆さまに地域の「誇り」を取り戻していただいて、国内外との双方向での交流拡大に繋げられるよう、オール和歌山で挑戦してまいりたいと考えております。