令和5年2月定例会一般質問 / 質問内容

3.全国大会の受け入れと環境整備について

(1)陸奥宗光元外務大臣と「第36回 龍馬World in 和歌山」の開催について

わが県「和歌山」は、古(いにしえ)の国書(こくしょ)と云われる「古事記」「日本書紀」に堂々と日本(にっぽん)国(こく)創生(そうせい)の大舞台(おおぶたい)として記されています。紀伊半島は、古代から日本民族が生活し、集落を作り、日本文化を根付かせた日本の原点の地と言われています。その証が当県の食文化です。大地では五穀、野菜や果物が実り、豊かな海では魚が溢れ、山では山菜が獲れ、猪や鹿などのたんぱく質豊富な動植物が生存し、日本大陸で最も豊かな地であったからこそ、現在に引き継がれる “なれずし”などの保存食、鰹節、醤油、味噌などの発酵食品、これら和食文化が発達したのです。食は力を生みますから、県内各地に豪族が誕生し、紀伊の国が作られてきたのです。

一般質問

時は文化を育み、政(まつりごと)による集団生活が全国に地方を作り、やがて大和朝廷が成立して、現在は126代の世界で最も長期にわたる元首「天皇」をいただく国として、世界から尊重されております。その天皇が平安の時代に生きるための原点を肌で感じ、国の在り方を見つめなおす修練の旅が紀伊半島の熊野三山を巡り、詣でる熊野詣でした。

それが時を経て、熊野三山の他に弘法大師空海によって霊峰 高野山が加わり、南北の参詣道と成熟し、現在和歌山県が誇る「紀伊山地の霊場と参詣道」となって、今日に至っています。このように和歌山は豊かな地であるとともに、神仏が宿る尊いい場所であることから徳川御三家の一つに選ばれ、紀伊の国の紀州徳川は265年ものあいだ、戦の無い、世界で最も平和な時代を過ごせたのです。


しかし、海の外では帝国植民地主義時代と化しており、日本国周辺各国はことごとく西欧列強に植民地化され、亜細亜で独立していたのはわが国だけでした。列強各国は日本を植民地化するために不平等な条約を徳川幕府に取り付け、それが元となって国内は不安定国家危機となり、侵略されぬがために先人達は多くの犠牲を払いながらも幕府体制から明治政府に換(か)えて開国し、数々の改革を成し遂げ艱難(かんなん)辛苦(しんく)の末、陸奥宗光が外務大臣となって明治27年7月16日に、ようやく不平等な条約を改正し、わが国の主権を認めさせ国家の独立を保ったのです。その証が、今も外務省に堂々と建立されている英雄「陸奥宗光公銅像」の姿です。

その陸奥宗光を顕彰する会が、平成28年に県民有志で結成され、県内で活躍されています。「陸奥宗光 外務大臣」の功績を教育に活かす実行委員会です。

この会が活動する中で、実行委員会役員の方が平成30年の夏に坂本龍馬の家督を継承する「郷士(ごうし) 坂本家 十代(じゅうだい)」の坂本匡(まさ)弘(ひろ)氏と懇談し、坂本氏は「陸奥先生のご功績は素晴らしい。陸奥先生は海援隊以前から坂本龍馬の側近として活躍してくれていたこともあり、龍馬ファンも周知の存在です。陸奥先生のことなら、全国の龍馬ファンの関心は大いにあります。龍馬を敬愛する人で作られた全国龍馬社中に入って陸奥先生のご功績を広められたらいかがですか」と全国龍馬社中にご推挙いただきました。

全国龍馬社中とは、全国至る所の坂本龍馬を敬愛するファン達が平成元年に集結し、龍馬の故郷(ふるさと)高知県を中心に、北は北海道、南は九州併せて国内126団体、海外はカルフォルニア、LA、カナダ、パリ、ドイツ、ブラジル、オランダ、台湾、上海、タイ、シンガポールなど17団体、世界併せて現在143団体。今年で結成35周年を迎え、これまで215団体の加盟記録を持ち、龍馬の名のもとに国際交流を実践している一般社団法人です。


そんな坂本十代目のアドバイスを受けて「紀州 宗光龍馬会」を結成し、全国龍馬社中に加盟申請し、第197番目の龍馬会として平成30年11月30日に承認、同年12月8日の発会式に 坂本氏は全国龍馬社中の常任相談役として立ち会って下さいました。「紀州 宗光龍馬会」が発足されたことによって、初めて全国龍馬社中に和歌山の団体が迎え入れられたのです。


こうした経緯を経て、「全国大会を和歌山で!」という「紀州 宗光龍馬会」の熱い呼びかけに全国龍馬社中が応じて下さり、令和6年に行う全国大会の開催を和歌山市で行うことが承認されました。

一般質問

その理由は、陸奥宗光が成し遂げた不平等条約改正が令和6年7月16日で130年を迎えること、また、偶然にも同年に陸奥宗光生誕180年を迎えること、そして何よりも賛同を得たのは不平等条約の改正は当時のわが国の悲願であり、開国前の各藩がそれぞれの立場で尊い命を投げ出して明治維新を興し、強い国になって不平等を改正するために新国家建設に尽力したからです。徳川幕府、新政府側の薩長土肥(薩摩藩鹿児島・長州藩山口・土佐藩高知・肥前藩佐賀)、市井(しせい)の庶民を含む、すべての国民の大願であったのです。そうした国民各々の願いを全国4万qを歩いてまとめ挙げたのが坂本龍馬直筆の「新政府綱領八策」でありました。龍馬はこの八策を数枚書き上げて10日後に暗殺されたと言われています。


参考までに、この「新政府綱領八策」は国立国会図書館と下関市立歴史博物館に保存されています。

陸奥宗光は、龍馬亡き後、自立し、明治政府の一員となり、さまざまな苦労の末、国会、憲法、財政、軍備、そして最も難題であった「外国の交隆ヲ議定ス…外国との条約を正す…不平等条約を改正する」という法の整備を達成するのです。そう、「新政府綱領八策」に記された課題を陸奥がクリアしていったのです。陸奥宗光が坂本龍馬の願いを自分の糧(活動の源泉、使命)として生涯を懸けて達成したのです。

このような理由から、「第36回 龍馬World in和歌山」が開催されることになりました。令和6年の7月13日土曜日に全国大会及び交流会、14日日曜日・15日月曜日海の日に和歌山県内を旅するエクスカーション(小旅行)が企画されています。前述の熊野三山巡りコースや霊峰高野山コース、陸奥宗光が歩いた南紀コースなど企画中です。

和歌山の和食文化、山の幸、海の幸を堪能してもらい、当県を知ってもらう絶好のチャンスです。


さて、改めてここで訴えることは「龍馬が目指したのはわが国が列強と対等な関係の強くて尊敬される国になること」。そのためには「列強との間で締結されている不平等条約を改正すること」を弟分である陸奥宗光が成し遂げたので、龍馬の夢を維新の志士たちが実現させたということです。

坂本龍馬が夢見た世界と対等で尊敬される日本国が実現したことを、和歌山県から全国に発信したいと考えています。それが和歌山県で全国大会を開催する意義だと理解していただきたいと思います。


毎年開催されるこの全国大会は、会ができたから当たり前に和歌山県で開催されるのではなく、「紀州 宗光龍馬会」が時間をかけて各地の龍馬会に和歌山県開催への協力要請を行い、また役員会で提案を繰り返し、和歌山県の熱意を認めてもらって、ようやく「和歌山県で開催する」ことが決定されました。

歴史上の人物で最も人気の高い坂本龍馬の全国大会を、和歌山県で開催することの経緯と開催意義を感じてもらえるなら、これが「快挙」であることを理解してもらえると思います。 


令和8年の開催を求めている愛知県知立市(ちりゅうし)の林(はやし) 郁夫(いくお)市長が龍馬の命日に京都市で開催された「坂本龍馬慰霊祭提灯行列」に参加し、「令和8年の全国大会の開催地候補」としてPR挨拶をしました。

このように令和8年の開催候補地の市長が、PRのための挨拶に来るぐらい盛大な全国大会であもり、首長が誘致に積極的に行動しないと、実現できないのです。 繰り返しますが、この全国大会は県知事や市長が出席し挨拶をすることが通例となっているぐらい認知されている大会で、令和6年の和歌山県や和歌山市もそう

あるべきだと思います。

この全国大会を誘致するまでの取り組みと熱量を考えると、和歌山県を挙げて歓迎する大会だと考えています。


一般質問

令和6年の和歌山大会では「不平等条約改正130年は、坂本龍馬と維新の志士たちの祈願達成130年」の年であり、陸奥宗光伯生誕地である和歌山県で開催することは和歌山県にとっての名誉だと思います。

龍馬が記した「新政府要綱八策」が実現して近代国家になったのは、維新の志士たち、そして陸奥宗光伯の存在があったからです。

不平等条約改正は龍馬だけではなく維新の志士たちの大願であり、列強と「対等の国」と認めさせるために必要なものだったのです。対等な国になるための大政奉還であり維新だったのです。失われようとしていた国家の主権を護るために国家体制を変えることこそ、龍馬や宗光が命を賭けて実現しようとしたことです。


若き日の龍馬と宗光が「祖国を侮られたくない、護らなければならないと語り合った熱い志と熱い魂が、その後に奇跡を呼び込んだ」と思っています。

迫りくる列強との戦いに備えて維新を実現させたことは、わが国の歴史上で最も重要な出来事の一つであり、しかも維新が終わりではなく始まりであり、不平等条約改正までには、そこから27年の歳月を必要としたのです。龍馬の願いを宗光が実現させたことはわが国の歴史で起きた奇跡なのです。

懇意にしてもらっている歴史家は、陸奥宗光伯に関して「片桐君、龍馬が大政奉還を主導したように思っているようだが、陸奥宗光が龍馬を動かしていたんだよ。もっと歴史を勉強するように」と言われているほどです。


その日から130年後の令和6年。和歌山県に国内はもとより、世界17か国の各地の龍馬会から集まり両雄の偉人を顕彰することになります。わが国の最も重要な出来事を振り返り、その精神を未来に活かしていくことを和歌山県から発信する機会を得ることが出来るのです。

この不平等条約改正130年の奇跡の日に、和歌山県で開催される「第36回 龍馬World in和歌山」は、和歌山県にとっての好機であり、文化と歴史に彩られている和歌山県の魅力を全国、世界の歴史通の方々に訴える絶好の機会となるものです。全国大会と言いますが、おおげさに言うと世界大会(小国際大会)と言ってもいいのかも知れません。

何としても素晴らしい企画を策定して、和歌山県に全国、世界の歴史ファンをお迎えしたいと思います。

和歌山県で全国龍馬会の全国大会が実現することは県にとっての誇りだと思いますから、和歌山県も大会の主催、共催として参画すべきだと考えています。参考までに、これまでの開催県では知事と市長、そして国会議員が来賓として参加してくれています。

山口県で龍馬会の全国大会が開催されたときは安部元首相も来賓として出席し、挨拶と基調講演を行っています。それほど注目を集める大会であることを認識して、和歌山大会を盛大にするための計画を検討しています。


そのため「第36回 龍馬World in和歌山」のテーマは「龍馬と宗光 未来への伝言」と題して、サブテーマとして「和魂、紀州和歌山にあり」にすることを決議しました。

和魂とは日本の心、日本人の魂を云います。和の魂は、和歌につながりますし、その和歌とは、日本の春夏秋冬(しゅんかしゅうとう)の季語を待ちいて“こころ”を謳う、わが国の情緒を表した古代から謳い継がれてきた教養であり“美”の文学です。

和歌山とは、やさしく、日本のこころを表現した品格ある素晴らしい県名だと感じています。和歌山県に誇りを感じるような県名の由来です。和歌山大会では「和魂」即ち、和歌山県は日本の源流であることを国内外に訴えたいと考えています。

質問1:陸奥宗光元外務大臣と「第36回 龍馬World in 和歌山」の開催について

そこで質問です。前知事にも故郷の偉人については再々、お尋ねしたことですが、新知事にもお尋ねいたします。近代日本の礎を形成し、不平等条約の改正を実現して近代外交史にとどまらず、日本史そのものに光輝く功績を遺した故郷の偉人、陸奥宗光元外務大臣こと陸奥宗光伯について、知事はどう思っていますでしょうか。

また「第36回 龍馬 World in 和歌山」は龍馬の意思を故郷の偉人、陸奥宗光が引き継いで不平等条約改正が実現できたことから誘致できたものなので、和歌山県で開催されることについて、知事の考え方をお聞かせください。

答弁者:知事

お答え申し上げます。今、片桐議員御指摘のとおりでありまして、陸奥宗光は駐米公使としてアメリカに赴任しました時に、メキシコとの間に我が国初の対等条約であります日墨修好通商条約を締結されました。そして、第二次伊藤内閣では外務大臣としてイギリスとの間に日英通商航海条約を締結したところであります。

また、伊藤首相とともに、下関での清国との講和会議に出席し、日本にとって有利な条件で戦争を終結させる日清講和条約の調印も成功させているわけであります。

一般質問

坂本龍馬も「独立して自ら其志を行うを得るものは只余と陸奥のみ」というふうに評されていることは大変有名な言葉であります。陸奥宗光が存在しなければ、欧米諸国と対等な近代国家日本の成立がはるかに遅れていたと歴史家が評するほどであります。我が国の外交史上において不滅の名を残す人物であり、尊敬すべき偉大な郷土の先人の一人であると認識しております。

ちなみに、衆議院和歌山県第一区の初代の代議士は陸奥宗光であります。比べようもありませんが、私自身その末端に繋がるものとして仰ぎ見る先輩として認識をしているところでございます。ちなみに、和歌山県議会初代議長は濱口梧陵さんでございます。

令和6年に開催されるというふうに今、片桐議員から御紹介のありました「龍馬 World in 和歌山」につきましては、現在その詳細な内容等について承知しておりませんけれども、多くの方々にお越しいただき、偉大な先人である陸奥宗光の功績を知っていただくだけでなく、和歌山県の魅力を発信する機会になればと考えております。


【意見】

日経新聞朝刊で3月1日から陸奥宗光が主人公の「陥せい 陸奥宗光の青春」が連載されることになりました。来年に和歌山県大会が開催されるにあたり、実に時宣を得た連載だと思います。

岸本知事が昨年、初登庁した時に県庁正面玄関前で「県職員さんが選手であり県議会議員が監督です。知事はそれをコーディネイトする立場なので、一緒に県政を創り上げたいと思います」。このような発言があったと記憶しています。

知事を始めとする行政組織と、県民の代表である県議会が政策論議を重ねて、県政を創り上げていくことが求められていると考えての発言だと思います。

行政組織は国や各方面からの情報を持っていますし、県議会議員は県民の意見や意思を深く丁寧に聞き取っていますから、両方をミックスすることで県政は発展していくことになります。

和歌山県が主催、共催に参画し、国内及び世界各地から訪れて下さる方々をお迎えするお手伝いや県として参画できる企画を検討して欲しいと思います。

例えば、大会当日に約1200人の参加者全員に配布する和歌山県PRパンフレットなどをご用意していただくことや、エクスカーションのコースでの協力などが検討できると思います。

(2)受け入れ側の環境整備について

私は外国からお客さんをお迎えするとき、和歌山城に隣接している岡公園に案内をすることがあります。地元の私達は、岡公園は素通りしてしまいますが、外国からの方は1時間も2時間も公園内を見て回ります。陸奥宗光先生乃像、公園内の池、石碑など、ここにある由来など関心を持って尋ねてくれます。


「人が作った全てのものには作った人の魂が込められています。銅像や石碑などはそれを作るきっかけが必ずあるのです。だから作った人たちの志を反映した物語は必ずあるはずですが、それが語られていなと物語は消えてしまいます。和歌山県は自ら誇るべき歴史に対して、とてももったいない扱いをしていると思います。

現在において物語として語られていない歴史は、作った人の思いが失われているということです。どうして語らないのだろう、何故、歴史ある公園を素通りしているのだろうと思います。地元にあるものを大切にしなければ物語は語り継がれないです。良いものがあるのに素通りでは地域は良くならないし、誇りにも思わなくなります。

ここに銅像や石碑があるということは、その当時に関わった人達の志があるということです。それは地元で失ってはならない物語なのです」。


こんな素晴らしい話を聞かせてもらいました。そして陸奥宗光先生乃像についても言及してくれました。

「陸奥宗光さんの銅像があるのは、この人が凄い人物だということです。欧米では国に尽くした人だけが銅像として建立されます。国家に尽くした人が銅像として建てられるので、ここに陸奥宗光さんの銅像があることを和歌山県は誇るべきです。ところで陸奥宗光さんは和歌山城を建てた人ですか。この銅像には英語の案内がないので、ここを訪れた外国人は何の功績がある人なのか分からないと思います。

偉大な人物の銅像であれば、外国人観光客に知ってもらうために英語表記の解説も必要ではないでしょうか」。

このような話を聞かせてもらいました。これまで外国人が和歌山県を訪れたときに聞かしてくれた話は、どれもこれも和歌山県人が自信と誇りを持てる話ばかりです。

外国だけではなく全国からお客さんを迎え入れた時に物語を語れること。それが故郷の自信と誇りになります。地域の財産とも言える先人の志や思いを失うことはもったいないことですし、それは故郷への愛着や誇りを失っていることになるように思います。

質問2:受け入れ側の環境整備について

そこで質問です。これまで外国からお客さんをお迎えした時の話から、観光施設の環境整備と県外の人の視点から、公園や歴史的建築物、銅像などの解説文を、「おもてなし」の観点から、地元が分かっている視点ではなく、知らない人からの視点で丁寧に見直すべきだと思います。インバウンドの再開や観光立県和歌山として必要なことだと思いますが、商工観光労働部長、如何でしょうか。

答弁者:商工観光労働部長

議員ご指摘のとおり、インバウンドの受け入れに当たっては、「おもてなし」の観点から、多言語による観光案内板の設置や、観光施設の解説の充実など、観光地の歴史的・文化的意義を分かりやすく伝えられるような環境整備が重要です。

観光庁におきましては、多言語対応強化に向けた統一的なガイドラインを公表しているほか、県では観光施設整備補助金により、市町村が実施する多言語案内板等の整備に助成をしています。改めて、県内市町村をはじめとする関係者に対して、観光地の歴史的・文化的意義の解説等が分かりやすいものとなっているかどうか点検を促すとともに、観光施設整備補助金等を活用しながら、インバウンドの受入環境整備の充実が図られるよう働きかけてまいります。