令和5年2月定例会一般質問 / 質問内容

1.脱炭素社会に向けた取り組みについて

一般質問

こんにちは。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問を行います。

知事就任時の訓示は「県庁の中では、「前例がありません。」という言葉は禁句にします。前例は作るものでした。私たちの仕事は前例を作ることです」という素晴らしいものです。

「前例はない」は言わない、つまり困難と思われる県政の課題に対しても「やれる」「やろう」と思って、県民の皆さんのためになることを全力で取り組むことを求めていると思います。

そんな課題の一つが脱炭素社会に向けた取り組みです。知事の県議会開会での挨拶にもありましたが、この極めてチャレンジャブルな知事の姿勢に県民の皆さんは期待しているのです。

しかし、これは効果が見えにくいものなので、やっていても盛り上がりが感じられない取り組みでもあり難しさがあります。

特に中小企業の比率が高いわが県は、企業は温暖化防止対策に投資する費用の捻出が難しいと思うので、県主導にならざるを得ない経営環境であると思います。そのためこのテーマの推進は県主導でやるか、投資を呼び込むかのどちらかだと思います。


「脱炭素社会の実現に向けて県の動きを感じる」と思わせるような取り組みが必要で、今さら太陽光発電の導入と言っても、誰も「県の取り組みは進歩性があり凄い」とは思わないばかりか、むしろ「今ごろ」と思うかもしれません。

一般質問

今からやるなら、「RE100」の工業団地を作ることや、洋上風力発電の設置など、難しいことにチャレンジする姿勢が求められる、求められる以上にその姿勢が期待されていると思います。

その姿勢がなければ「変わらない」となるので、この政策を具体的に推進することは極めて重要だと思います。

脱炭素社会に向けた和歌山県の取り組みについては、環境問題に取り組んでいるメーカーやグローバル企業との取引に必要な「RE100」のエネルギーを使うことの支援などがあり、県内企業活動を支えることも考えていますが、大型の再生可能エネルギーの投資を呼び込むことまでは踏み込んでいないように思います。県予算主出動と共に民間事業者に投資を促す取り組みが必要だと思います。


そこで今回は洋上風力発電について質問を行います。知事選の公約の一丁目一番地となるものが、南海トラフ巨大地震など大災害へ備えて県民の命と暮らしを護ることと、関西で初の洋上風力発電の設置です。

洋上風力発電は陸上風力発電よりも投資額が大きく、かつこの事業は建設時だけではなく、運転開始以降も地元雇用があり、メンテナンスや観光振興など、毎年、数十億円の経済効果が期待できます。

一般質問

地元同意などの課題があるものの、秋田県や千葉県、そして長崎県でできているのに和歌山県でできない特別な理由はあるのだろうかと思います。


加えて、関西で洋上風力発電の適地性のあるのは和歌山県だけで、立地すれば港湾を基地港湾として活用することも期待できるのです。

基地港湾は、発電設備の重厚長大な資機材を扱うことができる高い耐荷重性を備えた岸壁や、長尺資機材の保管・組立が可能な規模の荷さばき地を備えた埠頭を有する港湾が必要で、国土交通大臣による指定が必要となります。

基地港湾は地域の産業の発展や新しい産業の呼び込みにもつながることから、関西で最初に洋上風力発電を立地することがとても重要だと考えます。


過去の一般質問でも伝えましたが、洋上風力発電を和歌山県が進めるべき理由を、新知事に伝えます。

  1. これまで促進区域に指定された海域は、長崎県五島市沖を除きほとんどが50Hz地域に立地される予定であり、千葉県銚子沖を除き日本海側に立地していること。
    電力消費地から遠い海域が多く、そのような海域の案件では大規模な送電線の増強が必要となることが挙げられます。
    和歌山県における洋上風力発電の候補海域は60Hz地域であり太平洋側に立地することや、消費地まで近く大規模な送電線の増強が不要となります。
  2. 直接的には建設工事、メンテナンスなどの分野で地元雇用が増えます。間接的にはホテルや飲食、観光、第一次産業にも好影響を与えます。
  3. 予算と3年間の期間をかけて、県内外の多くの人達の協力の下、洋上風力発電導入のためのゾーニングマップおよび報告書が完成しており、洋上風力発電を推進する準備が整っています。
  4. 和歌山県は、大規模災害などの有事に備えて県内に大型電源を持つ必要があります。和歌山県は以前電力移出県でしたが現在は電力移入県になっています。産業と県民生活に必要な大型電源を持っていない県という不安定な状態にあり、大規模電源として導入が期待される和歌山県産の洋上風力発電電力は、和歌山県のエネルギー安定供給に資すると考えます。
  5. 国においても、昨年2月のロシアによるウクライナ侵略以降、エネルギー安定供給の確保が世界的に大きな課題となる中、GX(グリーントランスフォーメーション)を通じて脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の3つを同時に実現するべく、本年2月10日にGX実現に向けた基本方針」を閣議決定しており、エネルギー安定供給の確保に向け、徹底した省エネに加え、再エネや原子力などのエネルギー自給率の向上に資する脱炭素電源への転換などGXに向けた脱炭素の取組を進めることを定めております。
    殊、洋上風力に関しては導入拡大に向け、早期運転開始の計画を評価するインセンティブ付けを行うなど、洋上風力公募のルールの見直しを踏まえ、2022 年末に公募を開始したところです。さらに、排他的経済水域(EEZ)への拡大のための制度的措置を検討している状況にあります。

以上より、関西で唯一洋上風力発電の立地可能性がある和歌山県がこれを推進することで、西日本におけるクリーンエネルギー普及に多大な貢献になります。

また太平洋側に立地することで、エネルギー安全保障上のリスク分散に大きく寄与することや、送電増強コストが非常に低く、他地域に比べて需要家への経済的貢献が高いことから、和歌山県での洋上風力発電の適地性は全国的に見ても希少価値が高く、挑戦すべき事業だと思います。

質問1:洋上風力発電に関する知事の考えについて

知事が公約に掲げ脱炭素社会に向けた取り組みの一つとして洋上風力発電があります。

和歌山県が世界の課題に挑める数少ないチャレンジ溢れる事業なので、和歌山県の将来を思うと十分検討に値する事業だと思います。和歌山県としてやれば実現可能性のある事業だと思いますが、洋上風力発電に関する知事の考えをお聞かせください。

答弁者:知事

片桐議員のただいまの質問にお答えを申し上げます。

選挙中、私も再々申し上げておりましたとおり、脱炭素の社会になりましたときには、和歌山県はリーダーになれる県だと考えておりますし、ならなければならないと考えております。

その中でも、洋上風力発電は、今後の大量導入が可能な再生可能エネルギーであり、脱炭素化を進めるためにも有効であります。

投資規模や経済波及効果が非常に大きく、和歌山県でもチャレンジする意味があり、検討を進めていきたいと考えております。

幸いにして、和歌山県周辺海域は、風況など、近畿圏内では随一のポテンシャルが高い地域であると認識しております。

ただ、一方で、事業の検討にあたりましては、当然のことでありますけれども、先行利用者をはじめとした関係者の理解を得て調整していくことが、大変重要であります。 このような課題を克服し、洋上風力発電事業を和歌山で実現していくためには、まずは、事業化を検討する発電事業者の皆さんに、地元の理解や関係者との調整などに努め

ていただく必要があると考えております。

我々、県としても、事業者の活動をしっかりと後押ししながら、一歩一歩進めていくことが重要であると考えております。

質問2:洋上風力発電の現在までの進捗状況と今後の取り組みについて

洋上風力発電に係る、現在の進捗状況はどうなっているのでしょうか。また今後の取り組みの考え方をお聞かせください。知事に質問いたします。

答弁者:知事

はい、お答えいたします。

現状ですね、令和3年2月に和歌山県としましては「洋上風力発電に係るゾーニングマップ」を公表致しました。その後、和歌山県周辺海域での洋上風力発電事業に関心を持つ事業者からの問い合わせ、あるいは、ご相談が増加しております。従いまして、事業者が予定される海域の先行利用者である、まずは、漁業関係者の皆様に対し、事業に関する情報を公平に正確に伝えていただくことを目的に、和歌山県と県漁業協同組合連合会が連携を致しまして、事業者が漁業関係者に接触する際の一元的な調整用窓口を設置したところであります。

現在、いくつかの事業者がこの仕組みを利用して、関係漁業者への説明を始めている状況であると認識しております。県と致しましては、今後、関係者の理解の状況などを見極めながら、一歩一歩進めて参りたいと考えております。