2.鮎の冷水病対策について
必要な道路改良について事業者が一部負担すると聞きました。無理を言うつもりはありませんが、今後、マリーナシティに至る道路網の整備などで、予測していない状況に対応することがあるかもしれません。現時点で「計画を良し」としたものではありませんが、事業は長期にわたるものです。人が変わったとしても事業者との関係を築き、県からものが言える関係であるべきだと思いますので、お願いいたします。
新年度予算として、内水面漁業振興対策としての予算が提案されています。その事業内容として「主要河川において内水面水産資源の増殖を図るため「あゆ」の種苗放流の取り組みを支援するとあります。
近年、全国で問題になっているのが鮎の冷水病です。冷水病は低水温期の稚魚に発生し、死亡率が高い病気で、和歌山県も例外ではなく、河川に放流された鮎の多くが冷水病になっているとの話を聞いています。
和歌山県では鮎の養殖場において、1991年に初めて発生が確認されていて、その後の被害は河川に広がっているようです。冷水病の原因は、保菌が疑われる放流種苗やオトリ鮎などが河川に持込みされていることが報告されているようです。
冷水病は1987年に徳島県の養殖場で初めて確認されており、その後、和歌山県を含む全国に拡大し、現在は養殖鮎だけではなく天然鮎にも影響があるようです。
この冷水病は5月から6月頃に発症することが多いようですが、これは水温が病原菌の活動に適した16度から20度ぐらいの水温になるからです。冷水病の病原菌は水の中でだけ生きられるので、冷水病に感染した鮎を河川に放流してしまうと冷水病が広がってしまうことになります。
和歌山県ではこれまでも冷水病を抑えるための研究がなされていますが、残念なことに抜本的な予防や治療法などの対策はないようです。他県では冷水病に強い鮎を生産したとの情報もありますが、しかし全国的に、そして和歌山県でも鮎に深刻な被害を与えているのは間違いなく、難しいことですが予防と治療法の研究の成果を出して欲しいと思います。
鮎の冷水病の現状と対応について、農林水産部長の答弁をお願いいたします。
アユの冷水病は、低水温期に発症する、致死率の高い細菌感染症であり、主な症状としては、鰓や内臓の貧血及び体側や尾部(尾の部分)での潰瘍の発現などがあります。議員お話のとおり、県内では、1991年に発生が確認され、その後、県内各河川で拡大したため、関係機関と連携し、対応にあたってまいりました。
冷水病菌は、河川にアユが存在しなくなる冬場にも残存するため、抜本的な対策は非常に難しい状況ですが、アユの放流等による外部からの冷水病菌の持ち込みをできるだけ抑えることで、被害の軽減を図っています。
具体的には、放流種苗の保菌検査や飼育施設での消毒の徹底に加え、病気に強い海産稚アユの放流などを指導しているところです。また、県内の内水面漁業協同組合を通じて、遊漁関係者に対し、釣具の消毒やおとりアユの河川間移動の禁止を周知しております。
さらに、県水産試験場におきましては、冷水病の発生を抑えるため、ワクチンの製造メーカーと共同で、冷水病の予防に有効なワクチン開発や予防技術の研究に取り組んでおり、十分な安定性の獲得にはまだ課題を残すものの、ワクチン投与による予防効果の確認という一定の成果を見出したところです。
県としましては、引き続き、健康な種苗放流の指導に加え、関係者への巡回指導や啓発による防疫対策を行うとともに、有効なワクチンの実用化等に向け取り組んでまいります。
【まとめ】
期待の持てる新政策が提案されたので、今回は一般質問で和歌山県の価値を高める提案、話をさせていただきました。
本日、たくさんの方に議場にお越しいただきました。コロナ禍のため経営が苦しい中、和歌山市を元気にしようと考えてイベントを開催してくれた飲食店の方が来てくれています。同じようにコロナ禍の中、障がい者施設の経営者は入居者から感染を出さないために懸命に仕事に取り組んでくれました。それは給与に関係なく障がい福祉の仕事に誇りを持ち懸命に取れ組んでくれたのです。また今、病気と闘っている方がいます。命に関わる状況ですが議会を聞くために来てくれました。厳しい環境にいる皆さんが来てくれたのは、県政に期待しているからです。私達のために議論を交わし、良い県政を築いてくれることを願ってくれているのです。知事、関係部長の皆さんは、このような県民の皆さんの思いを受け止めて、県政に携わってくれることを願って一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。