2.和歌山県福祉サービス利用援助事業について
続いて高齢者の財産管理についての質問です。
民生委員や自治会役員の中には、一人暮らしの高齢者の相談を受けている方がいます。中でも気を遣うのが金銭管理の不安から来る相談です。一人暮らしの高齢者の方の中には、将来の認知症などで不安を感じていることが多いようで、「財産管理はどうしよう」「知っている弁護士がいない」「誰が信用できるのか相談相手がいないから不安」「子ども達に迷惑をかけたくない」などの悩みを抱えているようです。
和歌山県では、和歌山県社会福祉協議会で「福祉サービスの利用援助や日常的な金銭管理サービス」制度があり、金銭管理面でも利用していただけるようですが、高齢者の方々にはあまり知られていないように思います。
このサービス制度は、自分で金銭や大事な書類を管理することに不安のある、高齢者や障害者の方に対する福祉サービスの利用や金銭管理などの相談に応じ、安心して生活ができることを支援する事業です。
希望すれば受けられるサービスには、定期訪問や金銭管理サービスがあり、例えば、福祉サービスの利用料金や医療費、公共料金などの支払い。年金や福祉手当の受領に必要な手続き、日常生活に必要な費用の支払いや、預貯金の出し入れなどのサービスが受けられます。
また財産管理として預金通帳など財産関係書類などの預かりサービスが必要だと思います。
寄せられた意見として「定期預金の通帳は使わないので保管している場所を忘れている」「不動産の権利証書や契約書などの書類を自分の家で保管するのが不安」などがあります。
和歌山県内の高齢者の方々で財産管理などに不安に感じていることもあるので、福祉サービス利用援助事業を更に周知できないものかと思います。
また、この福祉サービス利用援助事業を使いたいと思った高齢者の方が相談に行った時に、預金通帳や印鑑、年金証書、権利証書などの「金銭管理」については「消極的な姿勢に思った」などの意見が寄せられています。
主観ですから何とも分からないところもありますが、利用してもらうための制度なので親切に対応して欲しいと思います。
そこで質問です。和歌山県福祉サービス利用援助事業の相談の対応状況についてお答えください。また対象となる皆さんへの周知はどのようにしているのでしょうか。福祉保健部長の答弁をお願いいたします。
福祉サービス利用援助事業は、認知症高齢者や精神障害・知的障害のある人など、情報の入手や理解、意思表示などの判断能力が不十分な方が自立した地域生活が送れるよう、福祉サービスの利用や公共料金支払いなどの日常生活上の手続きに関する援助・金銭管理・書類等の預かりなどのサービスを行う事業で、社会福祉協議会と利用者の契約に基づき支援を行っています。
利用を希望する方からの相談は、各市町村社会福祉協議会で対応していますが、高齢者や障害者等への援助経験のある専門員が相談者本人や家族等の支援者への訪問調査や面談を行い、金銭管理や定期的な見守りなどの必要となるサービスを聞き取っています。
加えて、第三者の医師や司法書士等からなる審査会の意見も聴きながら、相談者の状況や希望に応じた適切な支援を行えるよう、対応しています。なお、県も審査会の一員として、利用者を援助する際の助言を行っております。
事業の周知につきましては、社会福祉協議会のホームページや広報誌、パンフレット及び県が実施する民生委員・児童委員への研修などで広報に努めてきたところですが、利用者が年々増加し、本事業の需要が高まっている状況を踏まえ、今後はケアマネジャーや施設職員などの身近な支援者に対しても研修を行うことにより、必要な人に必要な支援が届くよう対応してまいります。