令和3年2月定例会一般質問 / 質問内容

1.企業誘致や新産業の取り組みについて

おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従って一般質問を行います。


一般質問

1.企業誘致や新産業の取り組みについて

本定例会の冒頭、知事から「新年度の二つの柱についての説明がありました。その柱のひとつが「新しい世界への対応と挑戦」の取り組みです。

地方分散の動きやデジタル化の進展、生産基盤の国内回帰など、世界が変わる兆しが生まれていることから、和歌山県の強みを生かした戦略で企業誘致を強力に進めていく決意を聞かせてもらいました。それは宇宙関連産業や南紀白浜空港新ターミナルの設置など、将来の発展の機会となるものが和歌山県の強みだと言うもので、世界に開かれた和歌山県の将来への希望を感じる政策の柱です。


コロナ禍において仕事や生活スタイルが変わっていますが、その中で頻繁に活用しているツールがリモート会議で、僕も最近はこれを活用していますが、これまで気づかなかった和歌山県の強み、魅力を世界の見方で聞くことができています。世界とつながるリモート会議の活用で、和歌山県の強みを知ることができ、企業進出に関しては次のような強みがあると感じています。

  1. 和歌山市は関西空港に最も近い県庁所在地の市であること。
  2. 南紀白浜空港があること。これは聞くまで知らなかったけれど、説明してくれたので気づいたもので、関西の玄関口になれる要素であること。
  3. エネルギーの供給県であり、かつ環境意識の高い県であること。
  4. 和歌山県には2681年の語れる歴史があること。

外国のビジネスパーソンと話をしている中で、主にこの四点が強みだと思います。


一般質問

一点目です。アジアのある国の方は「日本の強みは優れた設備、優秀な人材、高品質の材料、そして成熟した市場にあります」と話してくれました。これらの条件は外国企業にとって投資するのに適しており、加えて、日本に進出することは政情が安定していることや世界に通用する高いブランドイメージを含めて魅力的だと言うことです。

その中で和歌山県は、「インフラの整った広大な用地が必要であり、首都圏など土地が高くては進出の対象になりません。また国際空港が近接していることは必須なので、これらの条件に合った県はそれほどありません。アジアから見ると日本はひとつであり、和歌山県は国際空港に近く、工業用地もあるので進出のための条件を満たしている」ということです。


二点目は大きな強みです。「南紀白浜空港の存在は知らなかった」と当初、言われましたが、国際線ターミナルを設置することを伝えると、その位置を確認してくれて、「ここは関西の玄関口になり得る空港です。ビジネスジェットの格納庫を設置することで、世界からビジネスパーソン、世界的企業を迎え入れる空港にできます。またエアタクシーも配置することで、国内の移動も円滑にすることができます」と意見をいただきました。

南紀白浜空港から和歌山県に入り、ビジネスと観光で宿泊してらう。和歌山県を拠点として関西圏や首都圏に出掛けるスタイルが、アフターコロナの時代の国際ビジネスになるチャンスです。


三点目は私達も気づきにくい視点ですが、和歌山県は歴史を語れることが強みだと再認識したものです。

和歌山県は日本の中心地に位置していて、歴史と文化、観光と医療などを組み合わせてお客さんを迎え入れることが出来る観光資源を有しています。そこにビジネスを組み合わせることで、ビジネスでの往来と世界企業の日本でのビジネスの拠点となる滞在型の県になることができるというものです。特に、西日本の新産業のビジネス拠点を目指す素地があります。

わが国は2681年の語れる歴史がありますが、和歌山県はその全ての歴史に登場する稀有な県だということです。

  • 神武天皇の東征から始まる国の誕生に関係していること。所縁の地は和歌山県刊行の「記紀の旅」で訪ねることが出来ます。
  • 平安時代には上皇の熊野御幸、天皇の行幸の舞台であったこと。言うまでもなく、世界が認めた価値を有しています。
  • 世界に類を見ない寛容の精神の地、高野山があること。
  • 戦国時代では珍しい共和制を取っていた歴史があること。これはルイス・フロイス「日本史」によると「紀州の地には四つ五つの共和国的な存在があり、いかなる権力者もそれを滅ぼすことができなかった」と記されています。その後、豊臣秀吉の紀州攻めによって、崩壊することになりますが、その後、徳川御三家の文化と歴史へと引き継がれることになります。
  • 明治時代には国の近代化のモデルとなり、不平等条約を改正した陸奥宗光伯など、多くの偉人を輩出していること。世界的なコロナ禍において、日本で初の国産天然痘ワクチンの開発に成功した小山肆成氏も注目されています。
一般質問

このような話を外国人から聞くと、和歌山県は日本の歴史を語れる県だと改めて気づきます。「日本は2681年の歴史があること。中でも和歌山県はその歴史を語ってくれて、体験できる県であること」に価値を見出しているのです。このことは「和歌山県の歴史は重厚である」という表現で伝えてくれています。

和歌山県が投資先として魅力的な理由の一つに、現在も継承されている優れた歴史があるという視点は新鮮です。それは歴史を大切に育んできたこと、それは環境保全の価値であり、現代もっとも価値を生み出す資源のひとつになっています。

そしてこれは今から作れるものではなく、作ることのできない本物であり、外国はそこに価値を感じてくれているのです。

日本人が気づかない、和歌山県の私達もあまり気づいていない価値があり、ここを拠点にビジネスをする価値があるということです。誇りと自信を持って和歌山県の発展のために取り組みたいと考えています。

ただ日本とビジネスをする場合の欠点として二つの指摘かありました。

国際感覚とスピード感です。国際感覚については「相当欠けている」と指摘があり、また日本は慎重に判断する国ですが、意思決定のスピードは遅いことは致命的なので、もっとスピード感を持った判断をすべきです」という指摘がありました。なるほどと思うこともあります。


そして四点目です。世界も、わが国も、2050年のカーボン・ニュートラル社会に向けた動きが加速しています。エネルギー事業者だけではなく、全ての事業者が環境保全に意識を向けているので、企業誘致においてもその環境を整えることが求められるようになっています。

 

そこで和歌山県でも企業を誘致するために「RE100」を打ち出すことも戦略として「あり」だと思います。ある方からは「日本全国で企業誘致の話があります。和歌山県に進出すべき理由が欲しい。和歌山県に立地する場合の特長、強みを伝えて欲しい」という話がありました。

そこでこの「RE100」の考えに基づいた工業団地をつくり、誘致することは有効だと考えています。「RE100」のエネルギーと環境負荷低減を実現することによって、和歌山県は次世代の日本スタンダードの工業団地を目指せると思います。


その理由として「RE100」に加盟しているのは国内外の世界的な企業だということです。

世界を舞台にしている企業は「RE100」のビジョンを持っていますから、これらの企業と交渉するためには、この基準を満たすインフラ環境を整える必要があります。そうしないと、今後それらの企業から「進出に適切でない」と判断されることも考えられます。


言うまでもなく、パリ協定以降、脱炭素化は国だけでなく企業にとっても大きな課題となっています。脱炭素化への取り組みが企業価値に直結している時代になっているので、投資家の判断材料の一つとしても重視されています。「RE100」に加盟することは環境先進企業として認められる条件になっています。参考までに加盟企業は、現時点において世界で約300社、日本企業はちょぅど50社が加盟しています。


この加盟条件は影響力がある企業であることが前提ですが、その主たる定義は次の通りです。

世界的な企業、または国内で認知度や信頼度が高い企業や多国籍企業、および、年間の電力消費量が100GWh。但し、日本企業は50GWh以上、の企業などです。


一般質問

知事は世界を相手に交渉を挑む視点をお持ちなので、企業を受け入れるために「RE100」の価値を理解していると思います。

少し前の平成29年1月に和歌山県で開催された「シリコンバレイ流ビジネスプランコンテストGTE」の開会の挨拶で、「私たちの社会では、皆さんの周りにグローバリゼーションが浸透しています。皆さんの活躍の場は国内だけに留まりません。ものごとは国境を越えて世界規模に広がります。ビジネスの成功は、国際的な競争の結果によって維持されます。今日、国際社会のメンバーとしての視点で、この環境を自覚することを促します」と語っています。

知事の指摘の通り、和歌山県も国際的な競争の結果によって維持されている社会に存在しており、世界は生産拠点を、より安定した国に移すことを検討しているようです。これらの企業誘致も他府県との競争の結果によってもたらされることになります。


和歌山県の企業誘致においても地球環境問題への対応は避けられない課題であり、この「RE100」に対応することが企業誘致のポイントになると思います。

かつて仁坂知事が「和歌山県は日本のシリコンバレイを目指したい」と話したことがあると聞きました。素晴らしい着想であり、それを実現するために進出企業が望むインフラや、企業が世界市場を相手にするために希望する条件を整えて欲しいと思います。


ここでもう一度、和歌山県の強みを整理します。

  1. 世界から見ると和歌山県は日本の中心に位置している心臓部であり、東西の交通の要所であり地の利があります。関西空港と南紀白浜空港があるので、世界のゲートウエイになれる県であり、グローバルビジネスに適した県だということです。
  2. コロナ禍において考え方が非接触に変わりました。国際ビジネスの移動の手段は本格的なビジネスジェットの時代に入ろうとしています。ビジネスジェットは富裕層だけが利用するものではなく、国際ビジネスにはビジネスシェトが利用されているので、南紀白浜空港を有していることが利点になります。
  3. 日本は優秀な人材、サプライ、整った設備がありますが、今後、ますます多国籍企業と組まないことには単独ではグローバル化に対応できないと思います。半導体や宇宙関連事業、電機機器や情報通信など、既に多くの分野で世界一の企業は外国にありますから、これらの企業と組む機会を持つべきです。空路と海路を活用できる和歌山県には大きなチャンスがあります。
  4. デジタル情報の時代においては、データセンターの設置は必須です。データセンターのある県は付加価値が高くなるので設置環境を整えることが必要です。この分野も和歌山県は可能だと思います。
  5. 次世代のグリーンエネルギーとして水素の製造が有望で、和歌山県は港湾に面した工業用地がありますから、水素の製造拠点になれる可能性があります。

また昨年からのコロナ禍において、製造業の中には組み立てに必要な部品の調達ができていない業種も出ています。

国内で半導体などを調達できないことから組み立てができない事態が発生しています。

これは国内産業の弱さを垣間見たように感じます。国内産業でハイテク産業に必要な部材が不足したために生産活動ができない状況を考え直す機会となりました。

かつては高い技術力が日本の得意分野でしたが、情報やハイテクの時代に入り、それらの技術はアジアの国々が優位性を保っています。台湾や中国、韓国の企業は高い技術力を持ち、GAFAなどの企業への部品供給を行うようになっています。

わが国よりもアジアの国でハイテク技術が進んでいる分野があることが現実であり、わが国が将来に備えて世界市場で優位性を持つためにも、国内で情報やハイテクの技術が供給できる体制を整えることを目指す中に、和歌山県がいるべきだと考えています。

質問1:和歌山県の強みを生かした企業誘致について

以上のことから「和歌山県の強みを生かした企業誘致について」質問します。和歌山県として全国でいち早く「RE100」の理念を掲げた企業誘致に生かして欲しいと思います。「RE100」の加盟企業は世界的な企業ですから、和歌山県を強くアピールできます。

和歌山県の強みを生かした戦略で企業誘致を強力に推進するための取り組みとして「RE100」の考え方を取り入れることについて、知事の答弁をお願いいたします。

答弁者:知事【企業立地課】

県では、これまでも新たな産業の創出による地域経済の振興と雇用の創出を目指しまして、ICT企業を誘致するための施設整備の支援や工場誘致のための用地開発を行うことで、企業誘致を推進してまいりました。

和歌山県は関西国際空港から近く、南紀白浜空港を有しているため、首都圏からのアクセスが大変よろしいと思います。また、世界とのアクセスも大変よろしいということであります。今後、紀伊半島一周高速道路の整備が進むことで、大阪や名古屋にも近いという利点も、またどんどん高まってまいります。

コロナ禍を踏まえ、今後、製造業の国内回帰や新たな投資が進むというふうに考えられることから、こうしたビジネス環境の強みに加え、快適な生活環境を「職住近接モデル」として、オンライン面談や企業訪問を織り交ぜながら、国内外の企業に現在働きかけをしているわけでございます。

事業運営を100%再生可能エネルギーで賄おうという「RE100」の考え方は、豊かな自然を保全しながら再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取組を推進している本県の方針と精神的に合うものだと思われます。

こうしたことから、環境先進企業として位置づけられる国内外の「RE100」参加企業に、和歌山で是非活動してもらったらいいんだけどなあというところは、議員とまったく同感でございますし、努力はせないかんと思うんですが、あんまりぜいたくを言って選り好みをする地合いでは和歌山県はありません。

したがって、広く対象をとらえて頑張らなきゃいけないのですが、時代はコロナによって大いに変わりつつあるので、とは言え、ぼうっとしていると取り残されるので、積極的に誘致活動に取り組んでまいりたいと考えております。

質問2:水素エネルギー供給県を目指すことについて
一般質問

知事の言うように企業を和歌山県が選ぶことはできませんが、「RE100」の企業は基幹産業であり、進出と同時に周辺企業も参加することになりますし、県内の企業も連携が図れることになるので「RE100」の企業を誘致することは効果がりますので、是非とも推進して欲しいと思います。

関西広域連合として水素社会の実現を目指している中、和歌山県が水素エネルギーの供給基地を目指すことについてどう考えているでしょうか。水素エネルギーは工場や、公共交通などにも利用できますから、和歌山県が目指す環境先進県として取り組みにもつながります。

また策定中の「第5次和歌山県環境基本計画」の中に「再生可能エネルギー導入促進」が示されています。

  1. 地域の環境と調和した再生可能エネルギーの導入を推進すること。
  2. 海流発電など、実用段階にない再生可能エネルギーの実用化に向けた取組を進めること。
  3. 水素エネルギーや電気自動車、蓄電技術など、再生可能エネルギーの利用を後押しする技術の普及を推進すること

とあります。

更に和歌山県長期総合計画では「世界とつながる愛着ある元気な和歌山」を掲げ、この中の第2項の2「新たな産業の創出」において、「電力移出県として近畿の電力需要を支えていますが、将来、資源の枯渇が危惧される化石燃料への依存度の低減や地球温暖化に対応するため、再生可能エネルギーの導入促進が求められています」と目標を記しています。

和歌山県が「再エネ先進県」と「近畿エネルギー供給基地」を目指すためにも、関西における水素エネルギー拠点として供給県を目指すことについて、知事の考えをお聞かせください。

答弁者:知事【産業技術政策課】
一般質問

水素は、昨年12月に経済産業省で策定されました「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において、発電・産業・運輸など幅広く活用されるカーボンニュートラルのキーテクノロジーとして位置付けられており、水素産業は成長産業の一つとして非常に期待されております。

この戦略では、水素発電タービンや燃料電池トラックの商用化、水素運搬船や水電解装置の大型化やコスト低減が課題とされておりまして、その解決に向けて取り組むこととされております。

和歌山県では、水素社会の実現に向けて、令和元年6月に「わかやま水素社会推進ビジョン」を策定いたしました。まずは、認知度の低い水素エネルギーについて、その意義や有用性等の理解促進を図るために、県においても燃料電池自動車の「MIRAI」を公用車として導入するとともに、県民や県内事業者向けに、水素の利用や技術動向等に関して、最先端をゆく専門家の方から講演をいただくセミナーを開催するなど、普及啓発に取り組んでいるところでございます。

また、令和元年7月には、県内初の水素ステーションが整備されました。更なる整備に向けて、燃料電池自動車の需要喚起を図るとともに、事業者への働きかけとか、あるいは、協力をして立地場所を情報提供するとかですね、そういうことを行っていっている次第でございます。

加えて、今後、国や産業界の動向を踏まえ、水素産業への県内事業者の参入支援なども行っていきたいと考えております。

今のところ、水素は、利用する方はですね、なかなかそういう意味で水素ステーションがちょいとないとかですね、いろいろな技術開発をたくさんしなきゃいけないということもありますが、そのもともとのエネルギーをどこから持ってくるかということについてもですね、たいへんな技術開発がこれから必要になってくると思います。

今、電気がおこされれば、水を電気分解して水素が簡単にできるのですが、これは究極の原発モデルだというふうに、伝統的には思われるわけであります。また、産油国でたいへんな化石燃料を原料として、膨大な化石燃料を燃料として、それで水素をたくさん大量に作って、運搬船で運んでくるという、かつての、かつてというか、LNGモデルのようなものも、これは、現在の制度として、技術としても確立しているというふうに思われます。

しかし、それだとですね、地球環境問題に対する究極的な解にならなかったり、あるいは、原子力に関してはなかなか反発する向きも多いと思います。

したがって、どうやって水素を作るのかということについてもですね、これは、これからたくさん技術開発が進んでいかなきゃいけないというふうに思うわけであります。

私もいつも勉強しておりますけども、太陽光発電をつかってちょっとローカル的にですね、といってもものすごい規模なんですけど、水素を作るというようなプロジェクトが始まりつつあって、これがもっと小型化されてくるとですね、県内いろんなところで、水素を作っていくということができるような時代になってくるんじゃないかと。そのときは、作る、それから、サプライチェーンをちゃんと作って、それで、ちゃんと供給する、そういうことについて、なかなか楽しい水素社会ができてくるのではないかと、そういうことを期待しつつ、あるいは努力しつつ、これからもやっていきたいと考えております。

質問3:南紀白浜空港の更なる活用について
一般質問

知事の指摘通り、現在は水素を製造するために二酸化炭素を排出している状況があります。そこでお答えいただいたように再生可能エネルギーを利用することによって水素を製造することを和歌山県は目指すべきです。太陽熱や太陽光を組み合わせたハイブリッド方式で水素を製造する技術などを取り入れることも、将来はあり得ると思います。是非、クリーンな水素製造拠点を目指した取り組みをお願いいたします。

先に述べた通りコロナ禍において、ビジネスのあり方も違ってくると思います。世界のビジネスはスピードで動いています。

そこで和歌山県の強みのひとつである南紀白浜空港の活用です。和歌山県が関西のゲートウエイとなり世界をビジネスジェットで結び、国内の移動はエアタクシーで連携することは世界レベルの取り組みになります。

世界で考えると半島であることは一切関係なく、和歌山県は北に関西空港、南に南紀白浜空港があることが強みとなります。

この強みを生かすためには、南紀白浜空港にビジネスジェットの駐機場が必要となります。これからは、ビジネスジェットと企業誘致はセットになっていくと思いますから、和歌山県の強みとして世界的企業に発信できます。

企業誘致のためにビジネスジェット駐機場整備は必須だと考えますので、南紀白浜空港にビジネスジェットの駐機場整備に関して。また、新型コロナウイルス感染症収束後を見据えた台湾や韓国など新規路線の誘致も、観光と共にビジネス需要を開拓する必要があると思いますので、その考えについて知事の答弁をお願いいたします。

答弁者:知事【産業技術政策課】

議員ご指摘のとおり、和歌山県に南紀白浜空港が立地していると言うことは本県の持つ強みの一つでございます。

現在、新型コロナウイルスの影響で定期便の航空需要が減少している一方、不特定多数の人と同席せず安全に移動できる手段としてビジネスジェットが注目されておりまして、特に大阪・関西万博の開催、本当はその前にオリンピックがあったんですけど、IR誘致またロケット射場整備などによる観光需要やビジネス機会の拡大と相まって、今後その利用者も増加するものと想定しております。

実は南紀白浜空港の航空便は全国の飛行場の中でも、最も回復が実は早かったんでございまして、コロナ禍で、特に緊急事態宣言の1回目の時に需要がガタガタになりましたけれども、その後の回復から大変順調にお客さんを増やしていて、一時は4便飛ばそうか、と言うようなぐらいの感じに実はなっていたのでございますが、先ほどから縷々説明しておりますように、全国的にむちゃくちゃになって、現在又ちょっと大分減っているといった感じでございます。

その中身は観光客はもちろん、最近少し増えて参りましたビジネス客も大きな原因となっていると、航空会社は言ってくれていました。

こういう好機を逃がすことなく新しい時代の挑戦を体現する取組の一つとして、ビジネスジェットに活用できる駐機場を作っておかないといけない。これは結構お金がかかるんでございますけど、作っておかないと「お断り」となりますので、この拡張を少しずつしていこうということで、手始めとして、令和4年度の完成を目指しまして、来年度に着手、ひとついたします。それから今後とも、段階的にどんどん増やしていきたいと言うふうに思っております。

一方、国際線の誘致、これは白浜空港の民営化の時の大テーマでございまして、それを頑張ると言う企業に運営をお任せしている一方で、設備については県で作らないといけない。というようなことですから、予算をお願いいたしまして今年秋には予定されている国際線ターミナルが出来るということになっておるわけでございます。

これを起爆剤にして、中国、韓国、台湾、ロシアなど近隣アジア諸国からの就航に繋げるというところに来ていたのでございますが、残念ながらコロナの為にその遂行がストップということで、現在はなかなかつらい状況になっております。でも、コロナもいつかは終わるわけでございまして、その時に一気に元々考えていたようなことを実現したいんだ、ということで今、準備を一生懸命やっているということであります。

観光も、それからロケット、IR、サテライトオフィスなどによるビジネスもワーケーションもどんどん進めまして、それで需要の方も高めていく。それで供給の方は先ほど言ったみたいにハードウェアの整備も徐々に増やしていって、且つ民間活力、いま南紀白浜エアポートでやっていただいている、大変有能な企業の力をお借りして、且つ地域の盛り上がりも期待して、地域の活性化に繋げていきたいと考えております。

アジアの国と九州は近いので、既にビジネスジェット誘致の取り組みをしているという話も聞いています。時期を見逃さないように進めて欲しいと思います。幸い知事の答弁に令和三年度に駐機場に着手して、令和四年度も取り組むことを示してくれましたから、企業誘致とビジネスジェットをセットにした取り組みをお願いいたします。