令和2年2月定例会一般質問 / 質問内容

4.水道の基盤強化について

宇宙・ロケット産業の集積について

平成30年12月12日に水道法が改正され、都道府県には水道事業者等の広域的な連携の推進役としての責務が規定されています。

県の役割として、水道が直面する課題を共有し、水道基盤の強化に向けて取り組む市町村、水道事業者を支援することになっています。

例えば、重要度を勘案した基盤強化の数値目標および優先順位の設定など経営戦略の策定に向けての技術的な助言も一つの役割です。令和元年6月に策定した「和歌山県水道ビジョン」において、管路の老朽化が進行していることが認識されています。

「法定耐用年数(40年)を超えた管路は、県内上水道事業で年々増加しており、平成28年では総管路延長5,826kmのうち、867kmに及んでいます。一方、布設替えを行った管路率は過去5年の平均で0.45%であり、このペースで更新すると計算上は全ての管路更新に約220年もかかる」ことが課題として指摘されています。

また、県内の水道施設の耐震化率は、「基幹管路」「浄水施設」「配水池」の全てにおいて全国平均よりも低い水準となっていることが指摘されています。

これらの課題を受けて、全ての水道事業者が中長期的な経営の基本となる経営戦略を令和2年度末までに策定することと定めています。

令和2年度は「水道広域化推進プラン」を策定することにしており、令和3年度以降には「水道基盤強化計画」の策定を目指し「水道の基盤強化」を促進することを、県の取り組みとして掲げています。

質問1:「水道広域化推進プラン」について

今年、和歌山市内で断水になりかけた事象が発生しましたが、水道施設の老朽化が進んでいる状況において、老朽化している水道施設の更新は急いで方針を掲げ、限られた予算をどう確保していくのかなど対応すべきだと考えます。

この「水道広域化推進プラン」ではどのようことを策定するのですか。環境生活部長の答弁をお願いします。

答弁者:環境生活部長

水道施設の老朽化が進行する一方で、管路の更新率は年々減少しており、特に、本県においては、南海トラフ地震の発生が強く懸念されることから、管路を始めとする水道施設全体を効率的効果的に更新することにより、耐震レベルの早期向上を図ることが喫緊の課題となっています。

そのために、水道事業者である市町村においては、今後必要な施設の更新に要する費用と投資可能額の見通しをたてたうえで、水道事業の収支バランスを図りながら施設の更新を進めていく、中長期的な経営の基本となる「経営戦略」の策定が求められています。

一方、昨年10月に施行された改正水道法において、県に対して水道事業者の広域的な連携の推進役としての責務が明記されました。給水人口の減少等により水道事業の経営環境が厳しくなる中、水道料金体系や施設の更新時期など水道事業者それぞれによって事情が異なり、解決しなければならない課題はたくさんありますが、県としましては昨年6月に策定した「和歌山県水道ビジョン」において設定した5つの圏域ごとに、財政面や技術面で幅広い効果が期待できる水道事業の広域化を地域の実情に応じて段階的に進めていくこととしています。

議員ご質問の「水道広域化推進プラン」では、限られた予算で効率的効果的な水道事業を進めるため、病院や避難所等災害対策上重要な施設の機能を維持するために必要な水道施設から優先して更新を行うなど優先順位の設定と必要な投資額を算出した上で、圏域ごとに考えられる広域連携の形態に応じて、広域化した場合の更新費用、運営に要する費用、必要な水道料金などと広域化しない場合とを比較するなどにより、広域化による具体的メリットを示すこととしています。その上で、広域化の推進方針、当面の具体的取組の内容やスケジュール等についても定めることとしています。

今後とも、水道事業者の市町村と十分協議しながら水道ビジョンで描いた和歌山県における水道の将来のあるべき姿である「自然災害に強く 安心で良質な水の安定供給」に向けて取組を進めてまいります。