令和2年2月定例会一般質問 / 質問内容

2.和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例について

和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例について

議案第45号「和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例」の改正案が提案されています。この条例が施行されて以降、計画地点の地元への説明会の開催を求めること、意見を求めることなどから広く周知できることとなり、地元の意見が反映されやすくなっていると感じています。

より多くの地元の皆さんが計画を知り得ること、説明や事業者の態度を知ったうえで賛成か反対かを判断できる、また意見を述べることができるので、この条例を制定した意味は大きいと感じています。

太陽光発電に関する条例制定は、和歌山県は兵庫県に次いで全国で二番目に制定したと認識していますし、この条例での審査と結論によって、昨今の大型台風や集中豪雨による周辺の住宅地への土砂崩れなどの地元の皆さんの不安を和らげる役割も果たせるものだと思います。

和歌山市の和泉山脈で計画されているメガソーラーで、本条例が適用される案件は認定済みの案件を含め5件と認識しています。

但し、県条例の対象に含まれていない50キロワット未満の太陽光発電に関しては、令和元年12月議会で同僚議員の質問に対して環境生活部長が答えた取り扱いをしています。

「それぞれの市町村において地域の実情に応じた対応を行うことになるが、その際には、助言、協力をしていくことになります。県条例を適切に運用するとともに、市町村とも連携しながら、本県の環境にふさわしい太陽光発電の普及を進めてまいります」ということです。

しかし、県条例の対象ではない案件であっても、特殊な事情であって市町村で判断に迷う、或いは対応に苦慮している案件については、県に相応しい太陽光発電の在り方を共に考えて欲しいと思います。いま、和歌山市では「和歌山市環境と大規模な太陽光発電設備設置事業との調和に関する条例」の改正案が提案されているように、太陽光発展事業の新たな課題に市町は対応してくれているので、県の助言をお願いいたします。

そして県条例に該当する案件に関しては、地元の皆さんからの意見を事業者に問い質してくれているので、適切な運用が図られていると認識しています。

質問1:和泉山脈で計画中の太陽光発電の進捗状況について

現在、計画されている太陽光発電は、「和歌山平井太陽光発電事業計画」は公開縦覧が終了し審議中、「旭メガソーラー和歌山西庄発電事業」は縦覧、意見募集期間終了後の手続き中であることを県は公表しています。

しかし「旭メガソーラー和歌山西庄発電事業」に関して地元皆さんからの意見を聞くと、事業者は説明会以降、「地元にいる気配はなく不在」。計画に対する疑問を質問しても「回答が得られていない」という状況だそうです。地元と共生すべきはずの事業者ですが、この姿勢が地元の皆さんの不信感を招いています。条例の手順に沿っていれば必要以上に地元との関りはしないという姿勢は、地元で長く事業をしていくには不適切であると思いますが如何でしょうか。

また、この他に計画がある「直川・府中太陽光発電所建設計画」や「パワープラント和歌山」の進捗状況はどうなっているのでしょぅか。 環境生活部長の答弁をお願いします。

答弁者:環境生活部長

和泉山脈で計画中の太陽光発電事業の進捗状況についてお答えします。

旭メガソーラー和歌山西庄発電事業につきましては、本年2月3日から3月3日まで和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例に基づく認定申請書の縦覧手続を行い、地域住民の方々から3,500通を超える意見書が提出されています。

意見書の中には事業者と地元とのコミュニケーション不足を訴えるものもあり、事業者の姿勢が議員御指摘のとおりであれば、地元の皆さんが事業者に不安や不信感をいだくことは当然のことと思います。

今後、提出された意見を取りまとめ、事業者に対し見解を求めることとなりますが、昨年9月の本会議において片桐議員にお答えしたとおり、提出された見解の内容が、住民意見に対し真摯に向き合ったものでなかったり、明確に根拠を示すものでない場合には、より厳しく審査をしていく予定です。

続きまして「直川・府中太陽光発電所建設事業」及び「パワープラント和歌山」の進捗状況について御説明いたします。

まず、千手川の東側で計画されている「直川・府中太陽光発電所建設事業」につきましては、以前、同地において別の事業者が太陽光発電事業を目的に環境影響評価を実施していましたが、昨年8月に撤退しました。その後、新たな事業者が規模を縮小した形で事業を引き継ぎ、現在、認定申請に向けて、条例第4条に基づく県及び和歌山市との協議を行っているところです。

次に、千手川の西側で計画されている「パワープラント和歌山」につきましては、昨年5月に提出された認定申請書に不備があるため、事業者に対し補正を指導しているところです。


西庄で太陽光発電事業計画している地元からは3,500件もの意見が提出されていると答弁をいただきました。県当局はこの意見書の数からも、地元の皆さんの熱意を受け取ってくれていると思います。また、和泉山脈で太陽光発電事業を計画している事業者の中には、県内の他の地域でも候補地を持っていて、同様に地元との問題が発生しているところもあります。県として条例に基づいた対応をお願いいたします。