4.メガソーラー計画について
最後は、和歌山市内のメガソーラーの建設計画に関しての質問です。9月に入ってから、地元に旭メガソーラー和歌山西庄発電株式会社が建設を計画していることに不安を持つ皆さんの意見を聞かせてもらいました。主な意見は次のようなものでした。
- 事業者に説明を求めても回答が来ないし、回答が来てもこちらの問いに的確に答えてくれていない。
- 事業者の現地事務所がなく事業担当者に会うこともできない。県外事業者なので本社に電話をしても「担当者がいないので対応できない」と答えられるばかりです。また折り返しての電話を依頼しても「できない」というばかりで地元の電話に全く対応してくれないので信用できない。
- 調整池を当初の6か所から7か所に変更している。安全対策だと思いますが、変更の理由も分からないし、地元の不安に対応しての変更であれば、当初計画のずさんさを露呈しているものと思います。
- 元々、大雨の時は山からの水の流れが凄いので、こんな場所にメガソーラーが建設されると住めない地域になってしまいます。大雨対策など説明で明確にされていないこともあり地元の不安は消えません。ここにできたら雨の日は自宅には戻りません。それほど危険だと思っています。
- 雨の時に現地を見に来て下さい。状況が分かると思いますので、状況を把握して条例適用に生かして下さい。
地元の皆さんからの主な意見です。
そして知事の県政報告会に参加した人からは、「知事は、地元の方々が一人でも不安を感じているのであれば事業者に説明を求めるし、計画を進めることはしない」とコメントをもらったとが「安心材料になっている」と話してくれました。
行政手続きとしては条例に則って審査を進めますが、地元の不安がある限り慎重に審査することや事業者の見解を求めること。そして事業者の地元への対応の姿勢や問いに対する回答状況などから、事業者の信頼性も十分に勘案して審査を進めて欲しいと思います。
旭メガソーラー和歌山西庄発電株式会社が計画している地元の皆さんの意見を伝えましたが、その他にも、計画予定地の地元自治会の中には、反対署名や反対決議などの意思表示をしているところがあります。
事業者から本申請が提出されると粛々と審査が進められていますが、地元の不安が消えていない状況がある中、審査会の結果如何に関わらず、地元の皆さんが提出した反対署名や、自治会での反対決議は、地元の意思として考慮し、最終判断してくれるものと思っています。
これら事業計画に対する意見書が多数提出されていると思います。事業計画に対する不安、事業者への不信感からくる地元の皆さんの意思表示だと思います。これら意見書に込められた皆さんの思いをどう審査に反映させるお考えでしょうか。
また地元と捉えるべき複数の地元自治会が反対決議をしているようです。自治会の反対決議は地元意思表示の現れですから、審査会において考慮すべき要素だと思います。
環境生活部長の答弁をお願いいたします。
関係自治会や住民から出された意見については、和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例の規定に基づき、事業予定者に意見に対する見解を求めた上で、環境保全および防災面の見地から専門家からなる和歌山県太陽光発電事業調査審議会に意見を求め、それらを踏まえて認定の可否を判断することとしております。
反対署名や反対決議につきましては、反対の基になっている事業計画への不安や事業者に対する不信感として、住民等の意見に反映されるものと考えており、そうした意見を審議会において、慎重に審議することとしております。
環境生活部長から力強い答弁をいただきました。審査の中に地元意見を取り入れてくれることを期待しています。
県条例に基づいて、和歌山平井太陽光発電事業計画に関しては、事業者の見解と第一回目の審議会の議事録が公表されています。
この県条例は、知事が言ったように「住民の意見は大事で、自分で実証できなくても、住民の漠然とした不安が正しければ、それは認められないということになるというのが今回の制度」ですから、意見書として提出された不安を具体的な質問に置き換えて審議会から事業者に問いかけているもので、意見書を提出した方にとって安心材料になっています。
ただこの審議会の議事録を読むだけでは、審査会の臨場感、空気感が分かりませんし、地元の方からも「審議会の疑問に対する事業者からの回答が分からないので、どんな状況にあるのか分からない」という声もあります。
現在、公表されているのは「審議会で継続審議」となっていますが、事業者からの回答を知らせるなど、より丁寧に経過を公開して欲しいと思います。環境生活部長の答弁をお願いいたします。
和歌山平井太陽光発電事業計画にかかる和歌山県太陽光発電事業調査審議会につきましては、第1回目を本年8月20日に、第2回目を29日に開催したところです。
住民等の意見に対する事業予定者の見解、及び、それらを審議した第1回審議会の意見の概要については、県ホームページで公開しております。
第1回審議会の意見に対する事業予定者の見解につきましては、それを審議した第2回審議会の意見と併せて公表することとしており、現在、審議会における発言内容等について委員に確認しているところであり、できるだけ早く公開いたします。
和歌山市直川で計画されているメガソーラーは、事業者であるTKMデベロップメント株式会社が環境アセスを進めてきましたが、今年8月9日、事業計画を残念したことを県に知らせてきました。
これでメガソーラー計画が中断したのかと思っていたところ、広島県の事業者が事業を行うようにも聞いています。その事業者は、規模を縮小して同地でメガソーラーを進めると聞いていますが、実際はどのような状況になっているのでしょうか。環境生活部長にお尋ねいたします。
和歌山市直川で計画されていたメガソーラー計画については、事業主体であるTKMデベロップメント株式会社から本年8月9日付けで和歌山県環境影響評価条例に基づく対象事業廃止通知書が県に提出されたところです。
議員御質問のとおり、別の事業者が同じ土地で規模を縮小して事業を計画しているという情報は耳にしておりますが、事業者から事前の協議等はなく、詳細は把握しておりません。
現在、和泉山脈でメガソーラーを計画している事業者に共通していることがあります。それは、地元の自治会、地元皆さんへの事業計画の説明が不十分、不親切だということです。
説明会で地元の皆さんの疑問に答えていない、質問が出ているのに説明会を途中で打ち切るなどの事業者の姿勢は、地元の皆さんの不信感を招いています。
調達価格を維持するための期限が押し迫った時期に早急に計画を進めようとしている余り、地元が不安に感じ説明を求めているにも拘わらず、説明会を開催したから事業を進めようと考えている事業者の姿勢は如何なものかと思います。
コンプライアンス遵守を掲げる企業は勿論のこと、電力事業は社会的責任を伴う事業なので、地元同意を取ることが必要だと考え話し合いを続けるのが事業者の姿勢だと思います。
事業者の姿勢に、地元の皆さんが不信感を持っていることから反対していることから、反対署名を集めたり勉強会を行ったりしているのです。
この際、事業者の説明が不十分であることや、質問に対する回答が返ってこないなど地元のからの意見がありますが、これらの意見は審査の中で十二分に協議をすべきだと思います。
環境生活部長に答弁をお願いいたします。
太陽光発電事業の実施にあたり、事業者が地域住民に説明を行わないまま、造成や設置工事を行い、住民とのトラブルが生じる事例があったことから、県太陽光条例第5条では、「説明会の開催その他の住民の意見を反映させるために必要な措置を講じる」ことを義務付けています。
議員御指摘のように、説明会で事業計画について十分説明しない、あるいは、地元の皆さんの疑問に真摯に答えていないなどの姿勢があるとすれば、地元の皆さんが事業者に不信感をいだくことは当然であり、事業者の事業遂行能力に疑問を持たざるを得ません。
当然のことながら、そのような事業者の姿勢は、結果として、自治会や地域住民から出される意見に反映され、その意見に対して県から事業者に見解を求めることになります。 さらに、事業者から県に提出された見解の内容が、住民意見に対し真摯に向き合ったものでなかったり、明確に根拠を示すものでない場合には、より厳しく慎重に審査することにしております。
【要望】
先の6月議会では知事とメガソーラー条例の考え方について議論を交わし理解できていますし、今回は環境生活部長から条例に基づく審議会で、地元意見も勘案して審査することの、本当に力強い答弁をいただきました。部長答弁を聞いて、不安を感じている方の中には安心できた人もいると思います。
地元から大勢の皆さんから計画に対する不安の声が届けられています。安全性への不安や事業者への不信感から、到底、地元の皆さんの不安を払しょくすることはできないと思いますが、審査会の結論に加えて、地元不安が解消されないでいる事実を、ご存知だと思いますが知事。当局の方々に理解していただき、審査結果を踏まえて判断する際に考慮してくれることを要望して、一般質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。