平成29年12月定例会一般質問 / 質問内容

2.台風21号被害への対応について

平成29年10月21日に和歌山県を襲った台風21号の被害状況と同じような被害を防止するための対策についてお尋ねします。

和歌山市、橋本市、有田市、新宮市、紀の川市、那智勝浦町を始め多くの市町村に多くの被害をもたらした台風21号。家屋の一部損壊や床上浸水、床下浸水など多くの被害に見舞われました。

和歌山県全体の被害として、一部損壊は114棟、床上浸水は1,144棟、床下浸水は1,104棟にも及んでいますし、道路も通行止めの箇所があり、災害復旧事業を申請している箇所が多数発生しています。砂防や河川の被害も各地で発生し、多くの県民の皆さんを不安に陥れました。

和歌山市においても床上浸水被害が多く発生しています。中でも和歌山市田井では「ここに住んで60年が経過していますが、こんな水害は初めてです」という意見もあり、台風当日の水害はこの辺り一面がプールになったようでした。

紀の川市の丸栖や調月でも床上浸水が発生し、台風が去った後の各家庭での復旧作業は困難を極めていました。

質問1:和歌山市や紀の川市の地域の浸水被害の原因について

今回、和歌山市や紀の川市のこの辺りの地域に浸水被害が発生した原因究明は進んでいると思いますが、またこの地域の浸水被害はどのような原因によるものだったのでしょうか。県土整備部長の答弁をお願いいたします。

答弁者:県土整備部長

台風21号により和歌山市や紀の川市地域で発生した浸水被害の原因についてのお問い合わせでございます。本日、何度もご答弁をさせていただいてまして、繰り返しになりますが、ご容赦をいただきたいと存じます。

本年10月の台風21号による豪雨によりまして、紀の川沿川地域において、紀の川市の丸栖地区及び調月地区や、和歌山市の田井地区など、多くの地区で浸水被害が発生してございます。

これらの浸水被害については、紀の川本川の水位が長時間にわたり高い状態が継続する中、例えば、かつらぎ雨量観測所では、観測史上最大となる日雨量219mmを記録するなど、沿川地域において、近年、類を見ない大雨となり、内水の排水が困難となったことが主な原因と考えてございます。

質問2:紀の川や紀の川平野の改修計画について

今回と同じような浸水被害をなくすためには河川改修を急ぐことが必要だと思います。被害に遭った方からは、同じ災害に見舞われる不安があることから、一刻も早い河川改修を望んでいます。

そこで紀の川や紀の川平野の改修計画について、県土整備部長の答弁をお願いいたします。

答弁者:県土整備部長

紀の川や紀の川平野の改修計画についてご質問を頂戴をいたしました。

紀の川本川においては、平成24年に国が策定した河川整備計画に基づき、平成28年度には岩出狭窄部を緊急対策特定区間に設定し、概ね5年間で岩出頭首工付近での拡幅水路の整備や頭首工上流の河道掘削を国直轄事業により実施することとされてございます。

平成29年度においては、拡幅水路の本格的な着手や河道掘削等を実施していると聞いてございます。

また、農業用排水施設の排水機能を回復することを目的とした排水機や農業用排水路等の整備が国直轄事業により進められており、平成29年度については、排水路の工事等を実施していると聞いてございます。

平成32年度までの整備を目標とした岩出狭窄部対策の完了により、紀の川本川の水位が低下するとともに、農業用排水施設の排水機能の強化が見込まれ、内水被害の軽減が期待されてございます。

今後も引き続き、内水被害の軽減に資する対策の早期完成を国に働きかけるとともに、関係機関との連携による浸水対策に取り組んでまいりたいと考えてございます。

質問3:亀の川や大坪川の整備計画の見通しについて

また海南市の室山、岡田地域も大雨のため多くの家屋が浸水被害に遭っています。この地域では浸水対策推進協議会を発足させてポンプの設置など浸水対策の協議を行っていると聞いています。これまでの成果として大坪川の測量調査と堤防の嵩上げ工事を実施するなど成果も出ていますが、今回の台風21号によってまたも浸水被害が発生しています。

地元の皆さんは今回の事態に対して不安を感じ、浸水対策が進行していない状況に対しても不安を感じているようです。

この地域の浸水対策としての亀の川や大坪川の整備計画の見通しについて、県土整備部長の答弁をお願いします。

答弁者:県土整備部長

亀の川、大坪川の整備の状況、今後の見通しについてご質問を頂戴をいたしました。

海南市の室山、岡田地域の浸水対策として、亀の川と支川大坪川において河川整備を実施してございます。

亀の川につきましては、平成22年10月に策定した河川整備計画において、河口から紺屋橋までの約4.8km区間について堤防整備や河床掘削を位置づけ、下流から順次整備を進めてございます。これまでに河口より約600m区間とその上流左岸側約160mが完成し、今年度は、引き続き右岸側の護岸工事と河床掘削を実施してございます。

また、支川大坪川につきましては、亀の川合流点からJR橋までの約1.2kmの県管理区間において、平成28年度から局所的な対策に着手し、現在、室山団地前において護岸の一部嵩上げや、亀の川との合流点付近において河床掘削するための護岸の補強を実施してございます。

さらに、市管理区間であるJR橋上流の岡田地域については、浸水対策として、海南市が排水ポンプ場の整備に取り組んでいると聞いてございます。

県としては今後とも、様々な機会を通じて予算の確保に努め、亀の川や支川大坪川の整備を進めてまいります。