1.修学旅行での外務省訪問について
おはようございます。議長のお許しをいただきましたので通告に従い一般質問を行います。よろしくお願いいたします。
平成29年春の修学旅行先として県内の4つの中学校が外務省を選定してくれました。和歌山県立桐蔭中学校、向陽中学校、和歌山市立加太中学校、そして美浜町立松洋中学校で、今年は一気に4つの中学校が修学旅行で外務省を訪問、修学してくれています。
時間をかけて教育委員会が県内の中学校に対して、修学旅行先として外務省見学を呼び掛けてくれた成果が現われたと思います。
県内4校の修学旅行を終えた後の6月初旬に外務省を訪問してきました。
まず訪れた中庭にある陸奥宗光像を前にして、以前「誉れな気持ちになりました」と言った人がいましたが、それと同じ気持ちになりました。
外務省に和歌山県出身の外務大臣の銅像が建立されている現場に立つと和歌山県を誇れる気持ちになります。そしてこの場所に陸奥宗光像が建立されている理由と、わが国の誇りを伝えることが責任だと感じました。
さて訪問に際して対応してくれた外務省の方は「今年は和歌山県からたくさんの中学生が修学旅行で来てくれたことを嬉しく思っています。郷土の偉人陸奥宗光に関して学べる機会になったと思います」。
「最初は緊張していたことから質問で手を挙げてくれませんでしたが、慣れてきて後はたくさん質問をしてくれました。外務省訪問に際して事前学習をしていたこともあって、立派な質問をしてくれました」など、受け入れた感想を聞かせてくれました。
私からは「お忙しい中、受け入れてもらうことは迷惑ではないですか。できれば来年も今年よりももっと多くの修学旅行生を受け入れてもらいたいのですが」と質問をしたところ、「迷惑だなんて、そんなことはありません。たくさんの生徒に来てもらいたいと思っています。和歌山県にとって陸奥宗光は特別な存在ですから、たくさんの中学校に来てもらって下さい。子ども達の勉強のお手伝いの機会になることがあれば嬉しいことです」と答えてくれました。
このように外務省を訪ねてみると、和歌山県からの修学旅行を歓迎してくれたことが分かりました。そして和歌山県から来てくれることは郷土の偉人の功績を訪ねることになり、特別な意味を持つ。そんなニュアンスを伝えてくれました。
そこで質問です。
これまで受け入れに関して制約条件があるなどの理由から、なかなか修学旅行で外務省を訪問できていませんでしたが、今年一気に4つの中学校が外務省を訪れた要因は何なのでしょうか。
また外務省を訪れた成果についても教育長からお答え下さい。
修学旅行につきましては、学習指導要領の目的を達成するものとなっているかどうかを絶えず見直し、効果的な教育活動とすることが大切であります。
このため、市町村教育委員会教育長会をはじめ、指導事務担当者会議等の会議で、あるいは小中学校や県立学校の校長会においてこのことを指導してまいりました。この中で、外交の仕事の内容を理解したり、ふるさとの先人陸奥宗光の功績に触れたりすることができる外務省や、先端科学を学ぶことができる施設等を訪問先の選択肢の一つとして検討するよう働きかけてまいりました。今回、中学校4校が外務省を訪問したことは、こうした成果であると考えております。
実際に外務省を訪問した生徒から、「政治や外交を直接感じることができた」「自分もこういう場所で働きたい」「和歌山から世界で活躍されている人がいることを知り感動した」などの感想があったと聞いております。
生徒たちが、ふるさとに誇りを持つとともに、実際に働いている職員の方から直接話を聞くことをとおして、見聞を広め、将来を考える貴重な体験になったものと考えてございます。
私が訪ねた時、外務省は、来年からも和歌山県からの修学旅行生を快く受け入れてくれると対応してくれました。中学生向けの教材「外交という仕事、地球に生きるわたしたち」で外務省の仕事を説明してくれますし、和歌山県の生徒に対しては陸奥宗光元外務大臣のことにも触れる機会を与えてくれているのです。
そして外務省から帰った翌日、同省から電話をいただきました。会話を交わした中で、「修学旅行で来られる広い東京の訪問先の選択肢の中で外務省を選んでくれてありがとうございます」と話してくれたのです。外務省は制約条件を付けて受け入れを制限するどころか、中学生の将来のために進んで受け入れてくれようとしています。
ここで思い出したのは、向陽中学校が外務省を行きたいと希望していた日時は、外務省は他の予定が入っていて対応は難しい日時でしたが、日程の調整してくれて希望日に受け入れてくたれことです。和歌山県の子ども達のために、温かい配慮をして迎え入れてくれたのです。
これからは修学旅行で外務省を訪問するに際しての躊躇することはないと思います。来年以降も修学旅行で外務省を訪れることで生徒の将来を開いてあげて欲しいと思います。最低限、今年訪問した4校と、それ以上の成果を求めますが、教育委員会の考え方、中学校修学旅行における外務省訪問の呼びかけについてもお聞かせ下さい。教育長の答弁をお願いします。
各学校では、修学旅行の趣旨を踏まえ、ふるさと教育や平和学習、国際理解教育、文化学習等のテーマを設定し、そのテーマに合った訪問先を計画的に取り入れ実施しております。
現在、中学校の修学旅行先は東京方面が多く、各学校のテーマに沿って、国会議事堂や日本銀行、各種博物館などを訪れております。こうした中で、外務省も学ぶべきことの多い場所の一つであると考えております。次期学習指導要領においても、体験活動の重視が明確に示されており、修学旅行は、その有意義な機会になるものと考えております。
今後とも、市町村教育長会議や指導事務担当者等会議等、様々な機会をとおして、修学旅行の意義とともに、児童生徒にとって貴重な体験活動の場となるよう訪問先の検討を働きかけてまいります。