議会一般質問
平成28年12月定例会[建設委員会](12月15日(木))
Q:片桐委員

海南市の大坪川で、数年に一度浸水する地域がある。最近では、平成26年8月9日の台風11号の影響により、室山地区や岡田地区で床下浸水が発生している。地元の方に聞くと、2年から3年の頻度で床下浸水が発生するという。

大坪川の氾濫防止のため、今後どのように対策していくのか聞きたい。

A:須賀河川課長

大坪川沿川においては、海南市の岡田地区、黒江地区や室山団地などで、平成26年をはじめ平成24年にも浸水被害が発生していると承知している。

大坪川の浸水対策については、亀の川合流点付近からJR橋までの河床を掘り下げることが、浸水被害に効果があることを確認しているので、現在、調査設計を進めている。

また、室山団地前の護岸については、一部低い箇所の護岸かさ上げ工事等に今年度着手する予定である。

河床掘削等については、所要の予算を確保し、早期の工事着工に努めていく。

要望:片桐委員

地元からの強い要望に応えられるよう、スムーズに進めてもらいたい。

Q:片桐委員

空家対策に関してであるが、和歌山市では、課を設置し、かなり強力に空家対策を行い、所有者等に働きかけていると聞いている。

その中で、所有者が不明の場合や、相続した子供が首都圏に行ってしまい、連絡が取れるがなかなか地元に戻らず対応してくれない場合などはかなり苦戦していると思っている。近隣からは、倒壊の危険性があるので何とかしてほしいという要望があるが、指導文書を送るだけではなかなか対応してもらえない状況のようである。危険性がある空き家の撤去などの手順と現状はどうなっているのか。

A:伊藤建築住宅課長

市町村は、昨年施行された空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、固定資産税の課税情報等を利用して所有者等を把握できるとされている。

倒壊の危険があるなどの特定空家等については、市町村は、所有者等に対し、撤去など必要な措置をとるよう助言又は指導、勧告、命令することができる。

市町村は、まず空き家の所有者等の把握を行い、助言、指導、勧告、命令を行い、命令に従わない場合は、最終的に代執行という手順になる。

Q:片桐委員

特定空家等に対する行政指導の状況はどうか。

A:伊藤建築住宅課長

特定空家等に対する行政指導の実績については、空家等対策の推進に関する特別措置法施行後、一般的な空き家では、所有者等に対し県内20市町が761件の助言を行い、そのうち除却87件、修繕等106件の対策が所有者等により講じられている。また、特定空家等では、8市町が22件の助言・指導を行い、うち2市町の4件については、所有者等に対し特定空家等としての除却又は改善の勧告を行っている。

要望:片桐委員

結構勧告なども行ってくれているが、残っているものは難しいものが多いと思う。地元からも、対策の要望があるので、市町村と協力しながら強力に進めてほしい。

空き家率については、県内は18.1%と全国的に見ても高く、和歌山市でも15.8%に上っている。空き家の有効活用も含め、連携して取り組んでもらいたい。

Q:片桐委員

最近よく報道されている通学路の安全対策について質問させてもらう。

高齢者が運転する車が、通学途中の児童の列に突っ込むという事故が全国的に発生している。高齢者の運転の是非の問題もあるが、防止するためには、通学路の安全対策がハード、ソフトを含めて必要である。

ただ、学校付近は狭隘なところが多く、歩道が設置されていない箇所も多い。

歩道の設置や歩道のない道路の通学の安全確保のための取り組みを強化してもらいたいが、現状と今後どのような対策を講じようとしているのか聞きたい。

A:諏訪道路保全課長

通学路の安全対策については、最近事故が多いとの話があったが、平成24年4月の京都府亀岡市の通学途中の交通事故を受けて、県では、教育委員会、学校、PTA、警察等が緊急合同点検を行っている。その中で、県管理道路において対策が必要な箇所は152カ所あったが、そのうち、これまでに146カ所の対策が完了し、現在、残る6カ所の対策を行っている。

引き続いて継続的に取り組むため、市町村は通学路交通安全プログラムを策定し、その中で、県管理道路における対策すべき箇所は108カ所あったが、これまでに36カ所が完了し、現在、44カ所の対策を行っている。

歩道整備については、子どもや高齢者が安心して生活できるよう、今年度の新政策として「歩道整備の加速化」を策定した。歩道整備の加速化とは、歩行者の利用状況や周辺状況に応じた整備手法を用いることで、これまでは、主に建物を補償したり用地を買収して整備していたが、家屋が連担しているとなかなか整備が進まないこともあり、歩行者が多いところではそういう手法を用いるが、歩行者が少ないところでは、例えば、側溝のふたかけ、ポールの設置、ラインを引くなどして歩行スペースを確保するという手法を用いて、20年間で500キロメートル整備していく。

平成29年度から5カ年の歩道整備計画を策定し、計画的に整備していきたい。

今後も、危険箇所や通学路の安全対策について、市町村、教育委員会、学校、警察等と連携して取り組んでいく。

要望:片桐委員

平成24年の時もPTA、学校、地域が一緒になって大規模に見直した。昨今の事故の状況を見ると、歩道の幅が狭いとか、溝があって歩行者同士が対向できない、通行できない、そのようなところが、新たな視点で見ると解決できると思うので、是非、事故が起きてからでは遅いので対策を強化してもらいたい。