平成28年9月定例会一般質問 / 質問内容

4.拳銃発砲事件への対応について

平成28年8月29日に、和歌山市塩屋1丁目の土木建設会社和大興業で4人が死傷した拳銃発砲事件が発生しました。和歌山県警は殺人と殺人未遂容疑で全国に指名手配しました。

翌30日の午後9時過ぎ頃、市内の現場近くで自転車に乗っているところを発見されましたが、パトカーに対して後方から拳銃を発砲し再び逃走しました。

事件から2日後の31日、午前1時頃に再び発見されましたが、容疑者は集合住宅の外廊下や隣の工事中の建物に立てこもりました。

そして同日、午後6時半頃、自分の腹を自ら拳銃で撃ったところを取り押さえ銃刀法違反容疑で現行犯逮捕されましたが、救急車で病院に搬送された後、約2時間後に死亡しました。

容疑者が拳銃を持ちながら29日から31日まで逃走を続けたことと。覚せい剤を使用していたという情報などから、この時間、和歌山市民は大きな不安と恐怖を感じました。

結果として、約17時間もアパートに立てこもり、事件発生から身柄確保まで約58時間もかかったことに、「もっと早く解決できなかったのか」という声があがりました。

ここで感じたことは、市民が自己防衛するために必要な情報の発信ができたのか。容疑者を死亡させてしまったことから拳銃や薬物の入手ルートの解明が難しくなり市民の不安が継続していることなどの問題があるということです。

そこで警察本部長にお尋ねします。

質問1:市民の安全確保のために実施したことと拳銃と薬物の取り締まりの現状について

今回の事件で市民の安全確保のために実施したこと、小、中、高校や幼稚園、保育園などの安全確保に努めたことについても説明して下さい。

また容疑者が拳銃と薬物を所持していたことは大きな問題です。拳銃と薬物の取り締まりについてもお答え下さい。

答弁者:警察本部長

今回の事件は、住宅地における銃器を使用した非常に凶悪な犯罪であり、警察としましては、組織を挙げて地域の安全確保を最優先に事態対処に当たりました。

先ず、市民の安全確保につきましては、8月29日の事件発生直後に、和歌山市防災無線、きしゅう君の防犯メール、報道機関を通じた住民の方々への情報提供、関係機関への情報提供を実施し、安全確保に努めました。

翌30日、通報を受け、被疑者を追跡した際には、付近住民に対し、パトカーのスピーカー、戸別訪問、和歌山市防災無線、きしゅう君の防犯メールによって、外出の自粛、戸締まりの徹底を御願いするとともに、住民を避難させる等の安全確保に努めました。

次に、近隣の幼稚園や小学校等の安全確保につきましては、事件発生直後に県教育委員会等の関係機関に情報提供を行うとともに、発生地が校区となる小学校及び中学校には、直接担当者が赴き安全確保の検討を申し入れました。

また、県下の全警察署に対し、登下校時の時間帯において、小学校の通学路等に重点を置いたパトカー等による警戒活動を強化させました。

更に、31日未明には、再度、県教育委員会等の関係機関に情報提供を行い、安全確保について検討を申し入れ、近隣の幼稚園や小学校等の安全確保に努めました。

銃器犯罪は、県民の生命を脅かす重大な犯罪であり、地域住民の方々を不安と恐怖に陥らせた今回の銃器を使用した事件の発生を重く受け止めております。

県警察では、暴力団関係者等からの情報収集や他の事件捜査からの端緒情報入手のほか、けん銃110番報奨制度の広報を含め、県民からの情報提供をお願いするなど、銃器摘発に向けた対策を積極的に推進しているところであります。

また、薬物事犯につきましても、昨年中、174人を検挙し、約1.3kgにも上る大量の覚せい剤を押収するなど、密売人や末端乱用者に至るまで徹底して検挙しているところであります。

今回の事件に使用されたけん銃及び薬物の入手ルートについては鋭意捜査中でありますが、県民の皆様の安全と安心を確保するため、今後も、強力な取締りに加え、薬物事犯の根絶に向けて、学生を対象とした「薬物乱用防止教室」の開催や、県薬務課等の関係機関と連携した広報啓発活動を一層推進し、薬物乱用の危険性を広く浸透させてまいります。

以上で一般質問を終わります。ご清聴、ありがとうござました。