平成28年6月定例会一般質問 / 質問内容

1.中学校の修学旅行について

こんにちは。議長からのお許しをいただきましたので、通告に従って一般質問をさせていただきます。最後まで、よろしくお願いいたします。

最初の質問は中学校の修学旅行での学習に関する質問です。

修学旅行で外務省を訪れ、陸奥宗光とその時代について学ぶことを過去三回、一般質問で取り上げてきました。平成20年9月、平成23年2月、平成25年2月の三度です。

平成20年9月定例会では、和歌山県内の中学校の修学旅行先として外務省の見学を提案いたしました。

それに対して当時の教育長は、「外務省の庭にある陸奥宗光元外務大臣の銅像など、県内外には郷土の偉人たちにゆかりのある施設や場所が多くございます。これらを直接訪れ、その業績や生きざま、思いなどに触れることは、子供たちの心に深く響く学習になると考えます。各学校がこうした学習を積極的に展開するよう働きかけてまいります」と答弁してくれています。

その後、平成23年2月定例会での同様の質問に対して当時の教育長は、「今年度の公立中学校の修学旅行等では、陸奥宗光の学習のため直接外務省を訪れるまでには至りませんでしたけれども、校外学習等で郷土の偉人の足跡を訪ねたり、その業績を調べたりする学習は多くの学校で取り組んでいるところでございます。

今後とも修学旅行等において、外務省の訪問を含め、郷土の偉人の功績に触れる機会を積極的に取り入れるよう、市町村初め県内の各学校に強く働きかけてまいりたいと思います。」と答弁してもらったように、この時点でも外務省への修学旅行は実現できていませんでした。

三度目となる平成25年2月定例会の質問に対して当時の教育長は「陸奥宗光像のある外務省への訪問を修学旅行に組み入れることにつきましては、和歌山を誇りに思う心を育むためにも有効であることから、市町村教育委員会にも紹介し、前向きな検討を依頼してきたところでございます」と答えてくれています。

しかし、外務省の訪問に当たっては、受け入れ人数が50人以下であることや訪問時間の制約等もあり、現時点では実現するに至っておりません。今後、こうした体験学習の機会を積極的に修学旅行にも組み入れるよう、引き続き、市町村教育委員会に働きかけてまいります。」と答弁してくれたように、この時点でも実現できていませんでした。

そして、平成28年に入ってようやく加太中学校が、和歌山県内の中学校として初めて外務省を訪問し、外務省にある陸奥宗光の像などを見学し、郷土の偉人と接したようです。元外務大臣の陸奥宗光の像は、明治40年に建立されて、途中、なくなりましたが、昭和41年に再建されて現在に至っています。

加太学校の生徒は、他にも宇宙航空研究開発機構(JAXA)も修学旅行先として訪問しています。生徒たちは郷土の偉人と宇宙にも触れ多くの成果を持ち帰ってくれたと思います。

これまでも「中学校や高校の修学旅行で、外務省とJAXAを修学先として取り上げるべきで、郷土の偉人を知ること、また宇宙に興味を持つことは将来に役立つ経験になる」ことを一般質問で取り上げてきました。平成20年の提言以来、長く時間がかかりましたが、教育委員会からの呼び掛けによって、修学旅行先としてJAXAと外務省を訪れてくれるなどの成果が表れたことを嬉しく思っています。

そこで質問です。

質問1:JAXAを始めとする先端科学の学習について

修学旅行で先端科学を学ぶ目的で、JAXAを訪問している中学校も出てきてくれたことを嬉しく思っています。今後の中学校におけるJAXAを始めとする施設を訪れ、先端科学を学習する機会にふれて欲しいと思います。この点について、教育長からお答えください。

答弁者:教育長

県内の中学校の修学旅行の内、現在、9割近くの学校が関東方面を訪れており、東京では東京証券取引所や日本銀行で金融を学んだり、ユネスコやJICA、大使館を訪れ国際理解を深めたり、国会議事堂や官公庁で国政に触れるなど、訪問先の特色を生かした体験学習を行っています。

先端科学の学習については、各学校が工夫して、JAXAをはじめ、国立科学博物館や気象庁、先端技術館等、様々な施設を訪問しております。さらに、県内では先端的な技術をもつ企業等での職場体験や、地元の大学の公開講座で先端技術に触れる機会をもっている学校もございます。

今後とも、修学旅行をはじめとする様々な機会をとおして、科学技術に対する中学生の興味・関心を高めることができるよう、市町村教育委員会とともに取り組んでまいります。

質問2:中学校の修学旅行における陸奥宗光を始めとするふるさと教育について

外務省訪問など修学旅行先の提言から8年が経過していますが、今年、ようやく加太中学校が修学旅行先として外務省とJAXAを選定してくれました。しかし全国では既に多くの府県の中学校が修学旅行先として外務省を訪問しています。中学校の修学旅行における外務省訪問による学習など、陸奥宗光を始めとするふるさと教育についてお応え下さい。教育長の答弁をお願いします。

答弁者:教育長

修学旅行は、見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、将来、社会で生きていく上でふさわしい体験を積むことを目的に実施しており、ふるさと教育や平和学習、国際理解教育、文化学習等をテーマとして、多くの学校が取り組んでございます。

そのような中で、外務省を訪問し、仕事や外交について学び、ふるさとの先人であり、日本外交に輝かしい功績を残した陸奥宗光について学ぶことは、ふるさとに誇りをもち、先人の偉業を知る上で大変意義深いと考えます。

この度、県内すべての中学生に「ふるさと教育副読本わかやま何でも帳」を配付し、修学旅行での事前学習の活用も含め、先人の偉業について学ぶことができるようにしてございます。

なお、私の校長としての経験でございますけれども、中学校の修学旅行や大学のオープンキャンパスに高校生を引率した折には、霞ヶ関に立ち寄りまして、時間の関係で外務省の中には入りませんでしたが、外部から陸奥宗光の銅像あるいは文部科学省前のさざれ石などを見せながら、生徒たちに様々な話を私もしてまいりました。

今後とも、修学旅行で外務省等の省庁を訪問するなど、県内外で実施する体験活動をとおして、ふるさと和歌山の良さを知り、生徒の見識を深めるような学習活動を、市町村教育委員会とともに進めてまいります。