3.国際人育成プロジェクトについて
平成28年度予算案は、約1億9,217万円となっています。平成27年度から公立中学3年生全員に英検3級を受験させる取り組みを含めた予算案だと思います。
平成28年度の予算案を審議するに当たり、まず平成27年度の生徒の英検受験の成果について教育長からお聞かせ下さい。
本年度、英語によるコミュニケーション能力の向上のために必要な、聞く、話す、読む、書くの4技能をバランスよく育成するため、公立中学校3年生を対象に実用英語技能検定を実施し、その結果を学習指導に活用することといたしました。
英検につきましては、中学校卒業時に求められる力を見ることができる3級を基本として実施し、本年度の国の調査では、本県の3級以上相当の英語力を有すると思われる生徒数の割合が、昨年度の31.0%より約9ポイント上昇し、39.9%となりました。
これは、中学生が英検を目指して、学習目標をもち、意欲的に英語学習に取り組んだ成果であると考えていますので、この結果を踏まえた授業改善に取り組み、生徒の英語力の向上を図ってまいります。
中学校、高校の英語教員の英語能力テスト「TOEIC」の受験結果と結果検証について教育長からお聞かせ下さい。
また和歌山県として平成30年度までに中学校教員で50パーセント、高校教員で70パーセントの取得率を目標にしているようですが、研修の進捗状況などを含めて達成に向けた取り組みをお示し下さい。この受験を取り入れた年度から相当予算が増えていますから、目標年度には結果を出す必要があると思いますので、この点を踏まえてお答えください。教育長の答弁をお願いします。
英語科教員にとって、生徒にいま求められている実用的な英語力を身につけさせるためには、自らの英語力を向上させることが必須であります。このため、平成30年度までの4年間にわたり、公立中学校、県立高等学校のすべての英語科教員を対象に、「英語科教員指導力・英語力向上研修」を実施し、その資質向上に取り組んでいるところです。
その研修の一環として、教員が自己の英語によるコミュニケーション能力を把握し、さらなる英語力の向上に向けた自己研鑽につなげるため、TOEICテストを実施しております。また、その結果を受け、教員の実践的な英語運用能力の向上のための研修を、3日間行ってございます。
平成27年度の調査においては、国の指標である英検準1級程度を有する英語科教員の割合が、公立中学校では25.7%、県立高等学校では42.9%であり、平成26年度調査に比べ、それぞれ5.7ポイントと4.4ポイント上昇してございます。
今後も、平成30年度の目標値達成に向け、研修の一層の充実を図り、本県英語科教員の指導力、英語力向上に努めてまいります。
今年になって和歌山大学経済学部の教授と英語力について議論したことがあります。経済学部のゼミにおいても、慣れない前半は日本語で進めますが、後半からは英語でゼミを行っていると伺いました。県外の高校を卒業した学生は英語のゼミに対応しているようですが、県内出身の学生は英語で話すこと、伝えることに苦労しているようです。
教授は「首都圏の大学であれば経済学のゼミを英語で進めるのは珍しくないことですよ」と話してくれたように、英語力は英語を使わなくて済んでいる仕事をしている者が思っている以上に求められているようです。早い段階からの英語教育を効果的なものにする必要かあると思います。
そこで小学校の教員に対する英語研修や英語力を高める取り組みについてお示し下さい。数年前に実施していた小学校教員への英語指導の様子を学校に観に行った時、当時の教員から「英語は苦手」だとか「自信がない」などの声を聞いたことがあります。これまでの研修や教える力の養成の状況についてお聞かせ下さい。この点についても教育長にお願いします。
小学校教員に対する研修は、すべての小学校の英語教育の中核となる教員を対象に、英語指導力の向上を図るため、今年度から4年間で実施しているところです。受講した教員は、本研修で学んだことを自校の校内研修等で他の教員に伝えるとともに、校内での英語指導力の向上を図ることにより、より一層小学生が英語に慣れ親しみ、興味をもって取り組めるようにすることを目指してございます。
今後も、平成32年度から始まる小学校中学年での外国語活動の導入及び高学年では教科となることに対応するため、教員の英語指導力の向上を図る取組を進めてまいります。