平成27年12月定例会一般質問 / 質問内容

4.県内中小企業向けの金融について

平成27年12月定例会一般質問

郊外の都市開発規制に関しては賛成と反対意見が和歌山県や和歌山市に出されていると思います。こうした議論が沸き起こることは和歌山県活性化のために歓迎すべきことであり、もっと議論を深めていくことが大切だと思います。

次の質問に入ります。和歌山県信用保証協会の役割はとても重要だと考えていますが、その保証債務残高が減少傾向にあるようです。

その主な理由は、中小企業の数が減少していること、金利競争が始まっていること、国は経営者保証に過度に依存しないで、企業の成長などの目利きをして貸出するよう指導していること、などが原因だと思います。

和歌山県内で中小企業が減少していることは残念なことで、このことで働く場所と雇用機会が減少する問題があります。保証債務残高が減少しているのは、地元企業が減少していることが直接響いているようです。

金利競争は関西においては大阪府下で激しさを増しています。金融機関が優良な貸出先を確保、または増やすために低金利、長期契約で融資する競争が始まっていて、金融機関が貸し出したいと思う企業に対しては、保証を外してプロパー融資をしているようです。

信用保証協会を通さなければ保証料が不要となり、負担軽減になりますから、借り受ける企業にとって保証を外してもらう方が有り難いことになります。和歌山県信用保証協会では、保証料として責任共有制度では0.45パーセントから1.9パーセント、責任共有制度対象外で0.5パーセントから2.2パーセントとなっています。

責任共有制度とは信用保証協会が80パーセント、金融機関が20パーセントの割合で責任を共有する中小企業への支援制度のことです。

貸し倒れが発生した時には金融機関は不良債権を抱えることになりますから、信用保証によって金融機関の負担が軽減されるとはいえ、責任共有制度を活用するとしても、どうしても慎重に審査することになります。

金融機関は融資をすれば資金を回収しなければなりません。業績の良くない企業に対しての融資はリスクが高いため、慎重になることはやむを得ない時もあります。

和歌山県の場合、金融機関から持ち込まれる保証申し込みに対しての保証承諾率は増えています。また保証債務残高は減少傾向にありますが、急激に低下しているものではありません。この保証承諾率が伸びていることと保証債務残高の減少率が全国一少ない取り組みが、和歌山県信用保証協会の努力の現れだと思います。これは借り換え需要に対応しているということであり、しっかりと中小企業の資金繰りを支えていると言うことです。

また和歌山県では、信用保証料について県が一部負担をするなど、中小企業への支援を継続して実施しています。

地方において金融機関の役割のひとつに地元企業の育成にあると思います。地元企業を成長させることで域内経済は伸びていきますから地域は元気になり、企業が元気であることが地域の活性化につながります。金融機関の役割は地域経済を支えることですから、そのために資金提供によって企業活動の支援を積極的に行って欲しいと思います。

和歌山県として、中小企業支援のために金融機関に依頼してもっと和歌山県信用保証協会を活用すべきだと思います。中小企業振興条例にも金融支援が謳われていることから、県として金融機関に対して中小企業支援を依頼して欲しいと思います。

そこで質問です。

質問1:県信用保証協会の保証実績の減少要因について

和歌山県信用保証協会の中小企業への保証債務残高が年々減少していることについて、どのように要因分析をしていますか。

また保証承諾率が高いことは評価できると思いますが、金額で見ると保証債務残高は減少しています。和歌山県信用保証協会の中小企業金融に関する役割は大きく、保証審査を甘くしろとは言いませんが、可能な限り中小企業への保証を拡大させて欲しいと思います。

商工観光労働部長の答弁をお願いいたします。

答弁者:商工観光労働部長

県信用保証協会の保証債務残高が減少していますが、全国に比べると微減にとどまっており、その減少率は全国一小さくなっています。これは、県信用保証協会独自の保証商品の開発等、協会の経営努力によるものと考えております。

減少傾向にある要因としては、平成20年のリーマンショックに伴うセーフティネット保証に係る返済額が近年多額になっていることや、経済の先行きへの不透明感から、新規の資金需要が低調となっていることが要因であると分析しています。

県経済が元気になるためには、中小企業者が積極的に事業展開を行うことが大切であり、その際に必要となる資金ニーズに応えるため、県は「低利・固定・長期」の県中小企業融資制度を実施し、信用保証料の一部を負担するなど、中小企業者が利用しやすい制度としています。

また、県信用保証協会では、保証商品の開発の他、専門家派遣による企業の経営改善に向けた取組を実施するなどしております。

中小企業者の円滑な資金調達にあたって、県信用保証協会の役割は大きく、今後とも、県信用保証協会及び金融機関と協力を行い、信用保証制度の利用促進に努めてまいります。

和歌山県信用保証協会は積極的な行動を積み重ね、金融機関に対して中小企業の経営改善などの依頼を行っています。そのためリーマンショック以降の中小企業を支えてきたことや最近の金融事情の変化もあって、金融機関は中小企業への融資を積極的に行っている傾向にあると思います。企業活動を支える役割を担うのが金融機関ですから、融資を希望する中小企業に対しての支援を可能な限り行って欲しいと思います。

和歌山県信用保証協会への保証申し込みが増えている金融機関であれば、当該金融機関のプロパー融資も含めて増加していると推測できますから、保証承諾額以上の資金が中小企業に貸し出されていると思います。 

この項目について二つ目の質問です。

質問2:県信用保証協会の積極的活用について

和歌山県の中小企業融資制度をもっと積極的に活用して欲しいと思いますから、金融機関は中小企業からの融資申し込みがあれば極力、和歌山県信用保証協会と連携するように働きかけて欲しいと考えます。商工観光労働部長の答弁をお願いいたします。

答弁者:商工観光労働部長

信用保証協会と各金融機関の間では、例えば、新規案件の審査にあたって事前協議等を頻繁に行っており、常日頃から円滑かつスピーディに対応し、中小企業者の資金ニーズに応えて頂いております。

このような県信用保証協会と金融機関との協力体制は重要であるため、県としても、県内金融機関と連携協定を結び、金融機関への直接訪問や各支店長等を集めた説明会などの場を通じて、信用保証制度・融資制度についての情報提供や県信用保証協会の活用についての協力要請を行っています。

今後とも、県信用保証協会及び金融機関とともに、中小企業者の経営を強力に支援し、元気な和歌山県経済の創造に取り組んで参ります。