2.障害者優先調達推進法に基づく物品調達について
続いて障害者優先調達推進法に基づくわが県の物品調達について質問いたします。
この法律は、障害者就労施設、在宅就業障害者及び在宅就業支援団体の受注の機会を確保するために必要な事項等を定めることにより、障害者就労施設等が供給する物品等に対する需要の増進等を図り、もって障害者就労施設で就労する障害者、在宅就業障害者等の自立の促進に資することを目的にしています。
和歌山県のホームページにもこの取り組みに関することが掲載されています。平成25年度の調達実績は約17,600万円で、平成26年度はこの実績を上回ることを目標としています。
ところで障害者優先調達推進法に基づく市町村の調達方針策定状況について、平成25年度末時点で和歌山県内の30市町村のうち策定しているのはわずか2市町村、率にして6.7パーセント、この数字は平成25年度末において、またしても全国で最下位ということになっています。
先日、視察してきた富山県では、県内市町村の内、残りの一つの町が9月に策定する予定で、そうすると100パーセント策定を達成することになります。
また富山県では、過去三年間の調達実績額の平均値を10パーセント以上、上回る調達目標を設定し取り組みを行っています。ただ障害福祉課以外の部門での意識は高くないので、全庁的に調達を促す取り組みを行っています。例えば、県庁内のインターネット掲示板で周知していること。厚生部長室前で対象となる商品を展示していることなどです。
また長野県では障害者支援課が毎月1回「障害者優先調達ニュース」を発刊しています。
同県のホームページでは「障害者就労施設等が提供する物品・サービスのご案内」が掲載され、各自治体、関係団体、企業、県民の方に対して、リストを活用し障害者就労施設等への発注を促すなどの取り組みが成されています。
そこで和歌山県の取り組みについて質問いたします。
和歌山県内の市町村の調達方針策定状況はどのようになっていますか。平成26年度の策定目標は100パーセントにすべきだと思いますが、市町村に対する指導や策定の依頼はどのようにしていますか。福祉保健部長の答弁をお願いいたします。
障害者優先調達推進法が昨年4月から施行され、県や市町村では、毎年度、障害者就労施設等からの物品等の調達の推進を図るための方針を作成して公表することとなりました。しかしながら、平成26年3月時点で調達方針を作成した市町村は、2市でした。
こうした状況を踏まえ、県では、本年5月の全県市町村長会議において、各市町村長に調達方針作成の早期取組を依頼したほか、担当者会議など機会あるたびに働きかけた結果、8月末時点で26市町村で調達方針が作成されております。
県といたしましては、未策定の4町に引き続き働きかけを行ってまいります。
和歌山県では障害者雇用に配慮した入札制度をとっています。この目的は、障害のある人の就業と自立を支援するため、総合評価落札方式等の評価項目に障害者雇用への取組等を新たに追加し、企業における障害者雇用と障害者就労施設等からの物品や役務の調達を促進することを目的にしたものです。
このような取り組みをしているように福祉保健部では高い意識を持って物品と役務の調達を行っていると思いますが、これを全庁、県立施設の指定管理者や県の出資法人などに対しても調達促進するように依頼すべきだと考えますが、その取り組みはどうなっていますか。福祉保健部長の答弁をお願いいたします。
県では、全庁に対し、調達方針に基づき、積極的に障害者就労施設等の物品等の調達に取り組むよう依頼したほか、部長会議等の機会にも改めて全庁に周知するなど取り組んでおります。
また、今年度から総合評価落札方式等において、障害者就労施設等からの物品等の購入が年間一定額以上である企業を評価する項目を新たに追加しており、指定管理者に応募する企業等における調達の促進も図っているところです。
今後更に、県立施設の指定管理者や県の出資法人などに対しても、障害者就労施設等から調達するよう協力を依頼してまいります。
そもそもこの法律は平均賃金を上げるための支援をするものだと認識しています。就労継続支援B型作事業所の平均賃金が、15,000円以内のところに集中していることが問題だと関係者ならずとも認識しています。平均賃金を上げるためにも優先調達を促進して欲しいと思いますが、賃金向上支援について考えていることがあればお答え下さい。この点についても、福祉保健部長の答弁をお願いいたします。
障害者就労支援施設の工賃向上についてですが、県では、これまでも工賃水準の向上に取り組んでおり、平成18年度の平均月額工賃12,045円から年々向上し、平成25年度は15,741円となっております。
具体的には、先に申し上げた優先調達の推進を図るとともに、障害者就労支援施設等の人材育成のため、経営面や商品開発などの専門家の派遣や、食品表示や衛生面など商品を製造・販売するに当たって必要な知識を学ぶ研修などを実施しております。
また、販路拡大・受注促進のため、各福祉圏域単位で共同受注窓口の設置に加え、障害者就労施設等が製作する優れた商品を掲載した特選カタログを作成し、カタログ掲載商品を県の優良職員表彰の副賞としました。さらに、わかやま産品商談会でも紹介したほか、障害者就労に理解のある企業が集まる場で配付するなどの取組を行っております。
これに加え、障害者就労施設等が提供できる物品や役務のリストをホームページで提供しており、今後こうした情報をより活用しやすくするとともに、障害者就労施設等の商品に関心を持っていただけそうな機会として、国体関連のイベントをはじめとした各種イベントへの出店など一層の取組を進めてまいります。