1.都市空間の再構築戦略について
和歌山県の和歌山市の都市再生の推進、実現に向けて、来年度の新政策とは、どのような方向性で取り組むのでしょうか。また、和歌山市が策定しているこの「まちなか再生計画」との関連はどう考えたら良いのでしょうか。2月末に和歌山市役所で行われた報告会には知事も参加しているので、その時の感想も含めて知事の答弁をお願いします。
最初は海洋再生可能エネルギーの今後の見通しについての質問です。
和歌山県の海洋資源を活用した海洋再生可能エネルギーには大きな可能性があり、その取り組みに期待をしています。平成26年7月15日に内閣官房(正式名称:内閣官房総合海洋政策本部)から海洋再生可能エネルギー実証フィールドの選定結果が発表されました。
残念なことに、和歌山県が応募した海流発電は選ばれませんでした。参考までに今回、実証フィールドとして選定されたのは新潟県、佐賀県、長崎県、沖縄県の四つの県となっています。
ここに至るまで和歌山県では「海洋再生可能エネルギー検討委員会」を設置し、海洋エネルギーのポテンシャルについて検討を行っています。その結論として本年2月、潮岬沖を流れる黒潮を活用した海流発電が有望との意見を得て、また地元の積極的な取り組みもあり、内閣官房に潮岬沖を海流発電の実証海域として申請したのですが選ばれませんでした。
和歌山県が選定されなかった理由について内閣官房は、「利用者の部分でまだはっきりしていない点があるということ」と聞いています。今後、「利用者が活用するという流れが確定すれば、これは選定をしていく方向で考えたい」。
そして「今回は選定されなかった海域も調整メカニズムを作るということについては、相当努力をされたし、海洋調査もきちんと行っていただいています。ただ、要件として、実証フィールドの要件として非常に重要なポイントなんですが、利用が見込まれるのかという点において言うと、まだ不確定な要素が多いと。だから、これをきちんとメカニズムとして確立してもらえば、利用者をしっかり見つけてもらえば、これは是非前向きに選定する方向で考えたいと思っています」と評価はしてくれています。
そのため今後の取り組み次第で十分見込みはあると思いますが、和歌山県の海流発電には大いに期待していたので、今回、選定されなかったことは、やや「がっかり」という感があります。
今回の内閣官房の公募については、実証フィールドの整備によって開発コスト低減を図ること。民間事業者が参入する意欲を上げること。産業の競争力を強化するなど、関連産業の集積による地域経済の活性化等を図ることなどを目的としていますから、エネルギー問題への取り組み、地域活性化の観点から、選定されなくても和歌山県としては推進する方針に変わりはないでしょうが、選定される方が今後の推進力がついたはずだと思います。
これによって海洋再生エネルギーの取り組みが減速されることはないと思いますが、地元関係者の方々やこれまで経過からすると、早急に利用者を見つけて、内閣官房から実証フィールドに選定されるようにして欲しいと思います。
そこで質問です。
知事は平成26年2月議会の一般質問の答弁で「黒潮をはじめとする海洋再生可能エネルギーの活用にも積極的に取り組みたいと考えている」と答えてくれているように海洋再生エネルギーを推進する立場をとっていますが、今回の内閣官房の選定結果についてはどう考えていますか。今後の海流発電の取り組みについての考え方もお聞かせ下さい。
7月に海洋再生可能エネルギー実証フィールドの選定結果が発表されまして、本県が申請していた潮岬沖の海流発電については、同海域で実験する事業者が確認された時点で実証フィールドに選定されることになったということは、議員ご指摘のとおりです。
これは、議員はよくご存じだとおもいますが、例えば海洋再生エネルギーといっても千差万別いろんなものがありまして、そのなかではこの海流発電というのは世紀の大技術革新であります。そういう要素の少ない、逆に言うと小さめのものは実現に近いわけですから、利用者という名前の、要するにプロジェクトをやる人というのはすぐ手を挙げるわけです。そういう点では今回のやつは大規模な投資も要するし、なかなか利用者というすなわちプラントメーカーですけれども、そういう者もそう安易に手を挙げることはできないと、そういう事情があることは事実であります。
そこで地元受け入れ準備は十分整っているけれど、発電機開発が実証実験段階にはないとか利用者がまだ決まっていないとかそういうことで、内閣官房の総合海洋政策本部が判断したものと思っております。
もちろん他地域に負けたわけではございません。同じく海流発電の実証フィールドに申請した他の海域も同様でございます。
それもひとつの判断かもしれないですけれども、全ての大きな技術開発は始めてみないと、あるいは国が応援して始めさせてみないと進まないというところはあると思うのです。
したがって、そんなにきちっと実証段階あるいは実用段階のフォーメーションが決まっていなくても、なんらかの助成をして応援をするということは悪いことはではないのではないかと私は思っていまして、その方向からさらに推進していきたいと思うし、また地元の自治体とも連携して開発事業者が必要とするような流域の調査というものもちゃんとやって支援して早く心を決めてくださいよ、というようなことを働きかけて頑張っていきたいと思います。
知事の答弁にあったように利用者、つまり事業者を確定させることが鍵となります。関心を示しているプラントメーカーもありますので、この地域の産業振興、観光振興などにもこの取り組みを通じて協力してくれると思いますから、是非、進めて欲しいと思います。
この点も含めて商工観光労働部長にお尋ねします。平成26年2月議会で、利用者となり得る海流発電に興味を持つ企業や事業者を積極的に誘致していきたいと考えていると答えてくれました。公募に申請した当時は利用者がはっきりしなかったと思いますが、現在はどのような状況ですか。見込みはありそうでしょうか。
海域の利用につきましては、複数の重工系メーカーが同海域での実証実験を検討していることから、さきほど、知事の答弁にもありましたが、今後、これらメーカーが必要とする流況調査や漁業調査への協力を行い、実証実験に向けてメーカーを支援してまいりたいと考えております。
海洋再生可能エネルギー検討委員会はその後どうなっているのですか。再度、内閣官房の選定に向かう取り組みの中で役割はあると思いますが、会合が開催されていないように思います。商工観光労働部長にお尋ねします。
昨年度、実証フィールド申請のために、大学教授、漁業関係者らによる検討委員会を開催し、今年2月に申請を行った時点で検討委員会は役割を終えております。
今後は、実際に実証実験を受け入れる体制づくりが必要であることから、地元関係者による実証フィールド運営協議会を立ち上げる準備を進めているところです。
また、地域住民への事業周知を主目的に、10月18日に「和歌山県海洋再生可能エネルギーシンポジウム」を開催することとしておりますが、同日、検討委員を務めていただいた方々にもお集まりいただき今後の取組についてご意見をいただくこととしております。