2.田辺市内の公立中学校の問題について
平成25年2月定例会で取り上げ、一般質問初日で立谷議員が取り上げた田辺市内の公立中学校での自殺未遂事件について質問します。
これは平成24年12月15日の午後、中学校一年生の男子生徒が自宅で自殺を図った事件で、命は取り留めましたが現在も依然として付き添いが必要な入院状態が続いています。
この事件の真相究明に関して、調査といじめと事故の因果関係などの究明のために設置するといっていた第三者委員会がようやく設置されました。
事件は平成24年12月、今は平成25年6月。事件から6ヶ月、第三者委員会を設置すると発表してから3か月が経過しています。しかも当時の中学一年生が進級しクラス替えをして二年生として学校生活を送っていますし、学校長や当時の担任の先生もこの中学校にはいなくなっています。今週になってようやく第三者委員会が立ち上がりましたが、時間が経過し過ぎているようにも思います。
そして第三者委員会は今月中に第一回目の会合を開催すると聞いていますが、その後の開催頻度や結論を出す時期などについて、極力迅速に調査が進むように県教育委員会として見て欲しいと思います。
ところで昨夜、同中学校で緊急の保護者会が開催されたようです。第三者委員会設置についての説明を行ったと聞いていますが、保護者からいくつかの意見が出されたようです。その中の一つに、第三者委員会委員の中に元学校長がいるということで、果たして中立で公平な調査結果が出されるのか。ジャッジメントができるのか。そんな疑問や不安があるという意見です。公正で中立な委員会構成になっていないという意見があったことは第三者委員会のスタートから躓いたように思います。真相解明に向かう第三者委員会であるべきなのに、そうではないという疑念があると、調査や結果が保護者の皆さんからから信頼されないのではないかと思います。
これらのことも踏まえて、第三者委員会の立ち上げが遅れた原因、調査委員会の調査について、教育長からお答え下さい。
第三者委員会の設置につきましては、当該市において、3月に委員会発足の条例が可決されて以降、県外の弁護士会、臨床心理士会等に委員の推薦を依頼しておりました。この間、本事件の重要性を鑑み、早急に第三者委員会を設置するよう繰り返し働きかけてまいりました。しかしながら、設置に時間がかかったのは、依頼した団体等での委員の調整が難航したためとの報告を受けています。
今後は、速やかに委員会が開催され、真相解明に向けて、丁寧に事実確認や検証が行われていくものと考えます。県教育委員会としましては、第三者委員会の存在を重く受け止め、先程のお話がございましたけれども、そういうことも含めて、これからの動きをしっかりと注視してまいります。
第三者委員会が遅れた感があります。調査結果は迅速に、せめて事件発生から一年が経過する12月までに、真相解明を図って欲しいことを要望します。
さて県教育委員会は田辺市教育委員会との連携を密にするため県教育委員会から職員を派遣していますが、派遣した12月以降、現在までの取り組みについてどうなっていますか。
生徒の保護者と話をしている限りにおいて信頼関係構築について、あれから事態はあまり進展していないように思います。
教育長からは2月定例会において「今後も真相究明に向け、全面的に協力してまいります」と答弁をいただきましたが、精神的負担の軽減やプライバシー面、そして在校生としての対応についてなどの観点から、これまでの取り組みと今後の県教育委員会としての取り組みについてお聞かせ下さい。
本事案が発生した直後から、学校指導課及び学びの丘の担当者が、当該市教育委員会や学校に直接出向くなど、継続的に関わるとともに、当該生徒や御家族にできるだけの配慮をしてもらいたいと、当該市教育委員会に話をさせていただきました。特に在校生へのカウンセリング等、心のケアにも努めてまいりました。
県教育委員会としましては、今後とも、今、議員御指摘のような事も踏まえながら、当該生徒や御家族への配慮、学校への支援等、当該市教育委員会と一層連携を密にしながら、積極的に取り組んでまいります。
学校の対応について質問します。ご家族には付き添いや言われのない精神的打撃があり、もう疲れが限界に達しているように感じています。これ以上問題を長引かせると、ご家族の方が精神的にもっと厳しくなっていくように思います。ご家族の願いはたったひとつで、一日も早い真相解明を求めることだけです。
そこで質問です。市立学校で発生する事件に対する県教育委員会の役割や責任はどうなっていますか、責任の分基点などはあるのでしょぅか。そして市立学校内で事件に対して県と市教育委員会との関係はどうなっているのでしょうか。県教育委員会は市教育委員に対して強い姿勢で意見を言えないものなのでしょうか。教育長にお答えをお願いします。
市とか町村での学校で発生した事案につきましては、基本的には、その学校を所管する市町村教育委員会が主体的に解決に向けて取り組むべきものでございます。しかしながら、教育委員会としても指導助言できるという権限がございます。その指導助言できる権限の在り方について、私自身もいささか考えるところがございますので、この指導助言できるという権限を、どのように行使していくのか、特に議員御指摘のように、いじめ等の深刻な事案につきましては、当該市町村教育委員会の主体性は当然尊重しながらも、その解決に向かっては、本当に積極的に関わっていかなければならないという風に考えてございます。
先の3月に第三者委員会を設置すると聞いてからもう三ヶ月経過しているように、第三者委員会の設置は遅かったと思います。そして生徒の母親の話を聞いて問題だと感じることがあり、これまでの対応はどうなのかな、と思うこともあります。
特に新学期が始まって以降は、保護者と学校との接触機会が少なくなってきているにも感じます。
これまでこの問題の議論の経緯と、今後の取り組みなどについて知事の思うことがあればお聞かせ下さい。
私は、いじめは絶対許されることではないと考えております。今回の事件が起こってから、教育委員会には、当該生徒と御家族の辛く苦しい思いと真摯に向き合い、田辺市としっかり連携しながら、いじめがなぜ起こったのか、なぜ撲滅できていなかったのかということを、きっちりと突き止めていくように話をしてまいりました。
今回のような事件が起きると、全国的によくあることでございますけれども、いじめと自殺ないしは自殺未遂の因果関係ばかり目がいきまして、それで、これは他県の例ですが、教育長と思いますけども、その地位にある方が、いじめと因果関係の立証は必ずしもできませんとか、そんなことを言っているというのは、私は好ましくないことだと思います。因果関係があろうとなかろうと、いじめがあってはいけない訳でありまして、そういうことを念頭に置いて、今回、第三者委員会が立ち上がることになった訳ですが、第三者の専門的視点から、公平・中立に事実確認と検証を行い、何も因果関係だけではなくて、いじめそのものについて、大いにメスを入れてもらいたい、という風に思います。
こういう検証結果を受けまして、県も教育委員会もそれから田辺市も、力を合わせていじめのない学校づくりにしっかり取り組んでいきたいと思います。