平成25年6月定例会一般質問 / 質問内容

1.本県の国際交流について

おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

質問1:マレーシアのハラル市場への進出可能性や期待とイスラム国との観光振興面での期待について

本年3月21日から3月23日までの3日間、改新クラブ5人で、イスラム圏との商取引の可能性調査のためマレーシアを訪問しました。今回の視察についての報告と、それに伴う質問をさせていただきます。

最初にジェトロ・クアラルンプールを訪ね、所長、手島さんを始めとする職員の皆さんと意見交換を行いました。この場を借りて、視察の受け入れをしていただいたことに改めて感謝の意を表します。

では、意見交換から見えてきたマレーシアにおける日本企業の経済活動の優位性を述べます。

  1. 自然災害がないこと。地震、台風、津波の発生がなく、極めて安全な国土であること。また治安も良好でありストレスが少ない社会となって、多くの日本人が暮らしています。
    特に東日本大震災以降は、東北からマレーシアに移住していることが特徴です。これは災害から逃れ、安全な場所で暮らしをしたいという思いがあることが理由になっていると伺いました。
  2. 政治が安定していること。多民族国家でありながら政治的安定が図られている国は珍しいことです。政治の安定は外国企業にとって安心材料ですから、日本からも多くの企業が進出しています。ただし政治的安定は短期間で築かれたものではなくて、長い年月を要して国民で作りあげてきた成果です。特にマハティール首相就任以降の政治は、安定と経済成長があり極めて優良な国家として発展しています。
    1982年、当時のマハティール首相はルックイースト政策を取り、留学生や職業訓練性を日本に派遣し、日本人の勤勉さを見習い同国の成長過程において日本を目指すことを目標に掲げていました。そのことから現在も、日本人は勤勉で熱心な民族として尊敬されています。
  3. 経済が成長していること。今も年間5パーセント以上の経済成長を誇っています。1998年のアジア通貨危機と2009年のリーマンショックの時の経済はマイナス成長となりましたが、他の年度は安定的な経済成長を続けています。
    ただ経済が輸出型でありここからの転換が課題となっています。アジア通貨危機やリーマンショックでマイナス成長になったのは輸出に依存していたからであり、外国の動きに左右されないで経済成長を図るために内需型に転換しようとする政策を講じているようです。
    国が公共投資によって数箇所で大規模開発を行っているように、大型の公共投資によって内需の喚起を実行しています。ただ政府のインフラ整備によって経済成長を促していますが、 これには限界があることは認識していて、政府の力技による内需拡大だけでは、やがて止まる危険性は常に潜んでいることを認識しているので、民間主導の内需拡大にまでもって行くことを目指しているようです。
  4. 対日感情が極めて良いこと。日本人の勤勉さを認めていて、他の国の人と日本人との接し方は明らかに違います。小さい頃から教育で日本人の勤勉さを見習うように教えられていることも要因だと思います。滞在中に感じたことですが、日本人というだけで信頼と尊敬されていることを感じました。

以上のような優位性からマレーシアに進出している企業が多く、これから市場拡大を図れる潜在性を秘めていると考えられています。

日本企業の進出が増大したのは1970年以降で、現在、約1,400社進出しています。

次にマレーシアが経済成長を保つために必要なものは、次のようなことがあります。

  1. 成長エンジンを作ること。その最大のものがハラル政策です。現在世界のイスラム教徒は18億人。1990年には11億人でしたが、2020年には20億人に拡大すると予測されています。しかもアジアのイスラム教徒は約9億人ですから、この市場は魅力的です。
    さらにハラル市場は世界に拡大しています。アメリカではこれまでハラル商品は売られていませんでしたが、現在はマクドナルドやウォールマートでも取り扱っているようです。これらの商圏にまでハラル商品の取り扱いが拡大していることから、この認証を受けた商品が成長エンジンになり得る潜在力が秘められていると感じます。
  2. 市場を拡大すること。マレーシアが経済成長しているといっても人口規模からすると小さな市場です。しかし2015年にASEAN共同体が発足すると、マレーシア人口の2,840万人から6億人の市場へと移行することになります。これは中国13億人、インド12億人に次ぐ市場で、日本にとっては魅力的な市場になります。ここにハラル商品の取扱高も増加していくことが予測できます。

続いてハラルについてです。ハラルを学ぶためにハラル認証機関であるハラル・インダストリー・デベロップメントを訪ねました。

ハラル商品とは、イスラム教徒が安心して取り扱える商品のことです。イスラム教徒は豚肉や豚肉エキスも含む食品やアルコール、死んだ動物、血液成分などを摂取しませんから、それらを原材料とすることはできません。

そのため食品などにそれらの成分を含んでないことや、生産工程においてこれらの原材料が含まれていないこと、また混入しないように分けられていることなどが求められます。原材料と生産工程、輸送工程において、これらのものと接触していないと確認されているのがハラル認証です。

そしてハラル認証を国として行っているのがマレーシアだけなので、マレーシアのハラル認証は世界から信用を得ています。国家がハラル商品であることを認めているところがマレーシアハラルの特徴だと言えます。

日本企業ではヤクルト、味の素、大正製薬、キューピーがハラル認証を受けてマレーシア市場で商品の取り扱いが行われています。

ただし、ハラル認証を受けるのは決して簡単なものではありません。原材料や製造工程、流通に至るまでイスラム教が禁じているものの混入を防ぐために、分離や安全対策などが求められるからです。

例えば豚肉をカットする工場の中で牛肉をカットしてはいけません。輸送トラックに豚肉と牛肉を一緒に積むのは駄目、豚肉を運んだトラックが牛肉を積んでもいけません。

完全に分離しておかなければならないので、ある程度市場を確立していることや、別工場を建設できる資本力のある企業でなければハラル市場に参入することは困難です。

ハラル認証は消費者にも利益があります。

商品が厳密な検査を受けたことを意味しているので安心して購入できること。イスラム教徒にとってはハラル認証商品だけが選択肢であること。ハラル商品には健全、健康、安全なイメージがあることなどです。

また企業にとっては、イスラム教徒だけではなくて全ての消費者が購入できるインセンティブにもなり、その市場規模は大きいものがあります。ハラル商品はイスラム教徒だけが購買する商品ではないのです。イスラム国への輸出が容易となり、多宗教国でハラル商品の信頼性を示すマークとして信頼されていることから流通が図られることも考えられます。

中小企業がこの市場を目指すことは厳しさが予想されますが、和歌山県のミカンや梅などの加工品はこれらの禁じられているものとの関係はありませんから、希望すれば進出の可能性はあると思います。

特に日本のミカンはテレビミカンと呼ばれているように、皮が柔らかくてテレビを見ながら手で皮がむけるので高級品となっています。日本以外のミカンは皮が厚くてナイフが必要となり、テレビを見ながら気軽に食べることはできないのです。この美味しいミカンや梅などは進出できる期待はありますし、マレーシアで受け入れられるのではないかと意見交換を行いました。

結局イスラム国を市場と捉えるか捉えないかで、ハラル認証の重要性の考え方は変わります。近い将来世界で20億人に拡大するイスラム教徒向けに商品を取り扱うのか、それとも従来通りの市場で勝負するのかは、企業や県の姿勢によって取り組み方は違ってきます。

和歌山県産品の市場規模をどこまで狙うか。それによってハラル市場とハラル認証への考え方は違うものになりますから、県内事業者の方々に情報提供を行うなどして欲しいと思います。

そして2015年に登場するASEAN共同体がわが国の参加する市場となりますから、ASEAN共同体の経済状況と、その中で核となるマレーシアの経済事情、そしてイスラム国の市場を知ることがわが国にとって必要なことであり、和歌山県にとっても大きな市場だと考えます。進出を検討したいと考える事業者が情報不足などの要因で躊躇するような事態にならないように、ASEAN共同体の動きを注視して欲しいと思います。

クアラルンプールという経済成長している国の首都に行き、関係者、関係機関と意見交換が図れたことや、市場調査ができたことは大きな意義がありました。現地でしか感じることのできない活力、治安の良さ、そして親日性などを直接感じることで、安定して成長を続けると思われる市場とイスラム独自の文化に基づく市場制度について学べたからです。

1980年代の高度成長期以降も経済成長を遂げているマレーシアが、お手本としている国が日本です。それが現在も変わらないでいることに自信と誇りを感じました。アジアは依然として日本を見ています。これからも成長を続ける姿勢が大事であることを再認識しました。日本が目標とされる存在でいられることは嬉しいことです。

ですから日本は沈むことは許されません。これからもアジアで輝く国であり続け、目標にならなければならないと思いました。

私達は、アジアの国から目標とされている日本が、この先もリーダーであり得るかどうか、常に見られていることを意識しておきたいものです。

そして大阪商工会議所では、イスラム国に進出する企業を支援するための取り組みを開始しているように、動きが見られ始めました。

また観光面では、イスラム国から和歌山県内に観光客として訪れたことがニュースで取り上げられました。和歌山県が体験型観光を提供し、地元の皆さんが楽しめたし、今後の受け入れ体制にも自信を持ったと聞いています。食事やお祈りの時間についても受け入れ体制がとれたようです。

全国的に見ると、マレーシアやインドネシアなどムスリム市場からの観光客を迎え入れているのが三重県や北海道などです。マレーシアからの観光客は、平成24年は約13万人で、対前年度比60パーセントの増加となっています。

知事はイスラム国に赴任した経験がありマレーシア事情にも精通していますから、和歌山県とマレーシア、ハラル市場への進出の可能性や期待についてお聞かせ下さい。合わせて、観光振興面から期待できることについて意見をお聞かせ下さい。

答弁者:知事

東南アジア諸国は、近年経済発展が著しく、また親日的でもあり県産の農水産物・加工食品の有望な市場と認識しております。

お話のあったマレーシアにおいては、和歌山フェアなどを実施してまいりましたけれども、今年度は量販店の県産果実の販促活動を計画しているところでございます。

ご指摘のイスラム教徒特有の禁忌ハラル問題につきましては私自身がどっぷりとつかって経験してまいりました。一例を申し上げますと私の公邸では3年間プライベートの時も含め一切豚肉を使わないという風にしておりました。でないと同じまな板で料理したものを食べたくないと言う人が出てくるとお客様に問題でございますので、裏表をつくるとまずいので一切食べないと言うことにしてまいりました。

そういうハラルの点についてはよく存じ上げておるんですが我々が今重点にしておりますのは、果実と同加工品の販路開拓が中心でありますので、ご提案のあったハラルについては、これまでのところ、特段の対応はしておりません。

畜産物などについては、その生産段階でこれは100%うまくやると言うのはなかなかその説明すると長いのですがかなり困難があります。だけどよく勉強してマレーシアなどイスラム教国の市場に対応できるようにしていきたいと思っております。

次に、観光振興の面でございますが、マレーシアについては、昨年の訪日数が過去最高を記録しておりまして、また、この夏に予定されているビザ免除がありますと、訪日数が一層増加することが予想されますので、大変有望かつ重要な市場となっています。

和歌山県としては、かねてから、観光客誘致のためのマレーシア市場の成長の可能性を認識しておりまして、一昨年から旅行博への出展やJNTO主催の商談会への参加を始めており、昨年や今年はメディアをお招きして現地で映してもらおうと考えています。また、県内の一部の宿泊施設ではハラルや祈祷への対応を行っています。ハラルの問題については、受入側で対応することが十分可能だと思いますので、民間事業者とよく相談や研究をして対応してまいります。

このような県や民間事業者の取組によりまして、マレーシアの旅行会社が和歌山商品を造成するというようなことが実施され、少しずつ成果が現れていますが、まだまだですので、マレーシアへのプロモーションを継続・強化することによりまして、さらなる誘客に努めてまいります。

片桐

ASEAN WAY。ゆっくりであるが着実にというASEAN独特の方式です。これらの国との経済交流を、できるところからゆっくりと着実に進めて欲しいと思います。

質問2:タイ王国訪問による観光面での成果、タマサート大学の人材の県内企業での採用の意義や考えとタイ王国との今後の取り組みについて

続いてタイ王国との交流についての質問です。知事は5月6日から11日まで、和歌山県の観光振興などの目的でオーストラリアおよびタイ王国を訪問しています。

県の報告書によると、仁坂知事は、タイ政府観光庁、タイ旅行業協会、タマサート大学長などと精力的に懇談しています。

タイ政府観光庁では今後、観光分野において相互協力を実施していくことで合意し、タマサート大学生の雇用に興味のある県内企業とともに同大学を訪問し、グローバル人材の確保について意見交換を行い、和歌山県の取り組みに対し支援、協力する旨の回答を得ているようです。

今回のタイ王国訪問による観光面での成果について。タマサート大学の人材を和歌山県内企業が採用することについての意義や考えをお聞かせ下さい。

そして今後タイ王国との関係を構築しながら、和歌山県がどのような成果を得られるように取り組もうとしているのか、知事からお聞かせ下さい。

答弁者:知事

タイ王国訪問による観光面での成果でございますが、昨年のタイ人の訪日外国人数は、前年比79.9%増を記録するなど、過去最高を大幅に更新しておりまして、タイ市場の伸張は目覚ましいものがあります。

このような時期に私も参りましてトップセールスを行い、セミナーを開いたり、あるいは観光事業者にいろいろお願いしたりしまして、和歌山の魅力を発信できたということは、効果的ではなかったかと思っております。

具体的な成果としましては、今回のトップセールスを契機として、那智の滝や高野山へのテレビ・雑誌の取材や県内へのツアーが実施される運びとなりました。こういうのを見てタイの方は割合、団体旅行ではなく、個人旅行で、小さい旅行商品を造ってもらって行くということで、期待したいと考えています。

次に、海外人材の県内企業での活用の意義や考え方でございますが、経済のグローバル化が進展している現在、国籍にかかわらず優秀な人材を採用しようとする企業が増加しております。県内企業においても、海外での事業展開、あるいは販路開拓、こういうものを図るうえで、研究者、技術者、あるいはセールスマン、そういうスタッフとして海外からの優秀な人材の採用は重要な手段のひとつだと思います。

海外人材の県内での就職については、日本語の習得や生活環境の整備など課題も多数ありますが、今後、県内企業に対し、海外人材活用の成功事例を紹介するとともに、採用意欲のある企業に対しては、今回のタマサート大学訪問で築いた関係を活かして、「こういう企業が採用したいと言っているが」というような情報を大学側へ提供いたしまして、大学から学生にその情報を周知することで県内企業への関心を高めるなど、県と大学が協力して支援を行って参りたいと考えております。

また、今後の取組につきましては、経済成長著しいタイ王国の活力を取り込むことで、新たなビジネスチャンスの創出など県経済の発展につなげていくよう、積極的に取り組んで行きたいと思います。

質問3:インド訪問の目的と今後の展開について

では今年10月にインドを訪問する予定があると聞いています。インド市場は12億人でこれからの経済発展や更なる人口増加などの観点から有望な市場ですが、和歌山県からの企業進出を計画しているなどの声を聞いたことがありません。今回の訪印はどんな目的を持ち、どのような展開を求めているのかをお聞かせ下さい。これも知事の答弁をお願いいたします。

答弁者:知事

インドは、人口が世界第2位であるということと、それから経済発展が著しいということから、何と言っても大きな可能性を秘めた市場であると考えております。まさに議員ご指摘のように、これは和歌山県だけではないのですが、インドへの経済進出というのは、日本企業はそんなに多くある訳ではありません。しかし、これからの世界を考えるとこれを無視してはいけないということでございます。そういう中で、今回訪問予定のマハラーシュトラ州は、実はインドの中で1番の商業都市のムンバイを州都としておりまして、約1億1200万人の人口が集積するとともに、経済面ではGDPが国全体の15%で、国内第1位の州なのですが、この州から和歌山県と仲良くしたいという秋波が若干参りまして、これは良いものが来たと思いまして、それで対応することにした訳です。

まず、県内企業を対象に、インドビジネスセミナーを2回開催致しまして、「こんな良いところとか、問題とかありますね」というようなことを申し上げました。本年4月24日には「和歌山とインドの新たな歩み」と題しまして、インドとの経済交流についての意識向上を図っております。

今回、同州を訪問して、州政府と経済交流に係る協議を行い、和歌山企業も関心のあるところは行っていただいて、ここで直ぐ工場を作るというのはかなりレベルの高い話になりますので、どちらかと言うとエージェントを見つけてたくさん物を売るということを中心にしてやっていったら良いと私は思っているのですが、それとともに、観光のお相手が、インドも貧富の差が激しくて、大変旅行好きの国民でありますから、その観光客誘致の対象として有望だと思っておりますので、和歌山県の魅力を発信して、それでインドの活力を和歌山に取り込んでくるということをやっていきたいと思っております。

質問4:フロリダ州との交流について

今週、西フロリダ大学の大学生が県庁を訪問しています。和歌山大学で日本語と日本文化講座を受講するために来てくれたもので、これはオレンジパートナー協定の成果であると思います。

ようやく実現した今回の人材交流と合わせて、協定に謳われているような経済的成果を求めるためには、食品流通や観光面での取り組みが必要だと思います。

一般的に協定を締結しているからと言って、フロリダ州が和歌山県のために食品流通の便益を図ってくれたり、観光客を送り出してくれることはそれほど期待できないと思います。

 

ですから、こちらから検疫を突破し輸出できる食品や加工品を提案することや、今回来てくれた西フロリダ大学の大学生などへの学習機会の提供と観光を組み合わせた機会を作って欲しいと思います。

今回の訪問は和歌山大学での研修機会を作ったこと、大学に隣接するグリーンプラネットに安価に宿泊できたことから実現できたようです。大学生が研修で滞在してくれることは観光につながるものであり、大学生の研修機会を通じた誘客と、空き時間を利用した高野山や熊野古道への観光案内なども友好な取り組みであると思います。

また高齢社会が現実のものになっている日本の福祉政策は関心事項であり、フロリダ州の高齢者政策のモデルになる可能性があります。

オレンジパートナーシップ協定は単に文化交流を図るだけではなくて、経済交流を図ることを目的にしていると思います。オレンジパートナーシップ協定以降のフロリダ州との関係構築について、そして二年後は姉妹提携20周年を迎えることを踏まえての関係強化について、知事からお答え下さい。

答弁者:知事

フロリダ州との交流につきましては、平成23年11月にフロリダ州を私が訪問致しまして、リック・スコット知事との間で経済交流や教育交流を推進するためのオレンジパートナーシップ協定を締結致しました。この主旨はですね、和歌山県ではないのですが、一般的に地方公共団体同士の姉妹関係というのは、首長が相互訪問して、乾杯して帰ってくるというのが非常に多い訳でございます。それが可能であればまだ良いのですが、遙か昔に締結関係を作った後、放ったままになっているというのもあり、放ったままになっているのはけしからん、ということかというと、マンパワーとかそういう点ではやはり維持するのが無理だというようなところもあります。実はフロリダ州との関係については、もう20年ほど前になりますが、実はそういう関係でありました。

フロリダというのは日本においては、非常にイメージの良いところであり、しかもみかんがいっぱい採れるということでありますから、和歌山県とイメージを重ねて、日本の中でフロリダをうまく活用して和歌山県を売り出すことにもなるかなというふうに思って、一石何丁かをねらってこれを活性化することを考えたわけでございます。それほど大成功しているとは正直に言うとまだまだ思いません。しかし、具体的な芽はずいぶん出てまいりまして、今ご指摘の話に加えて、州務長官という方の来日時には、私は日程的にお会い出来なかったですけれども、協定の具体的な推進方法について知事室長を東京に派遣して色々な打ち合わせをさせてもらいました。

その流れでございますが、フロリダ州陶芸作家が今年4月に来県しまして、海南市の雨の森で県内の陶芸家と共同で作陶活動をいたしまして、展示会などもいたしました。今月は、西フロリダ大学の学生6人がご指摘のように日本文化体験や和歌山大学学生との交流を目的として来県し、同大学で研修プログラムを実施中でございます。また高野山や白浜温泉も訪問する予定であります。そのほか、フロリダ州農務局から幹部が来県しておりまして、県内小売業者、これはどちらかというとフロリダ産の物を入れる方ですね、それからフロリダに輸出する可能性ということで、こちらの食品加工業者と商談を行っております。今後、取引の実現に向け具体的な協議を行う予定でございますが、フロリダ州の政府はこの協定に基づいてむこうの流通業者なんかをどんどん紹介してあげるよと言ってくれておりまして、地道ではございますけれども、頑張っていきたいと思っております。

再来年は、和歌山県とフロリダ州が姉妹提携を実施して20年です。ということで、このような文化交流や青少年交流のみならず、経済交流ももっともっと積極的に展開できるようにまた色々考えて参りたいと思っております。

片桐

4月にフロリダから陶芸家が来県した時、陶芸づくりに参加してきました。西フロリダ大学の先生との交流や生徒と出会ったこと、そして陶芸家から作品作りの指導を受けられたことは、協定の成果の賜だと思っています。文化交流と経済交流までつなげられるような取り組みをお願いいたします。またフロリダ州との姉妹提携10周年の時は、県内で式典を執り行ったようです。2年後の20周年の時には、姉妹提携式典を開催してもらえるよう要望しておきます。