平成25年2月定例会一般質問 / 質問内容

2.和歌の浦の観光振興について

質問1:天満宮や東照宮地域の国の名勝指定について

平成22年8月5日に国名勝に指定されたのが和歌の浦です。現在、国の名勝指定を受けているのは、和歌の浦干潟、片男波、妹背山、鏡山、奠供山を中心とする90万m2の範囲です。

同年12月に発刊された「和歌の浦学術調査報告書」によると、名勝と史跡としての価値が認められる範囲として現在は指定されていない地域も含まれています。天満宮や東照宮などがそうですが、その価値は、江戸時代に造られた重要文化財であり、近世の和歌の浦景観を形成している地域だというものです。これらの残された地域の国の名勝指定に向けた動きはどうなっていますか。

教育長の答弁をお願いします。

答弁者:教育長

和歌山県教育委員会では、名勝和歌の浦の価値を後世に伝えていくため、平成24年3月に「名勝和歌の浦保存管理計画」を策定し、その計画に沿って文化的景観や歴史的建造物の保全を行っているところです。

議員ご指摘の天満神社や東照宮等の追加指定につきましては、保存管理計画の中で、これらの地域も国指定範囲に含まれるように、所有者及び関係機関が追加指定に向けた協議を行っていく必要があるとしており、県教育委員会としても追加指定すべき範囲と位置づけております。

今後は、この方針に従い、関係者と協議を行い追加指定の手続きを進めていく予定です。

質問2:和歌の浦の観光振興に向けての取り組みについて

国の名勝指定を受けようとする時期、つまり平成22年6月定例会において和歌の浦の名勝指定についての一般質問を行いました。この時、「和歌の浦を積極的に売り出してまいりたい」、「名勝指定は、まさに和歌の浦を売り出す絶好のチャンスととらえている」という答えがありました。それから二年が経過していますが、国の名勝指定の観光地として十分に売り出せているのでしょうか。あまり観光客で賑わっているだとか、人通りが増えたという話は聞きません。

和歌の浦の売り出し方としては、歴史文化エリア、マリンレジャーが楽しめるエリア、グルメなエリアの三本柱で、マスコミや旅行会社に対して積極的にPRによる和歌の浦の観光振興につなげる方法を取るとしていますが、その成果は出ていますか。

商工観光労働部長の答弁をお願いします。

答弁者:商工観光労働部長

和歌の浦の観光振興につきましては、国名勝指定を契機に、和歌の浦を全国にアピールするため、マスコミや旅行会社に積極的に働きかけてきたところです。

先ず、「歴史文化」につきましては、和歌の浦観光協会と協働し、来訪時の付加価値を向上する語り部のレベルアップに取り組み、平成23年度に実地研修会の開催や各スポットをガイドするための「語り部用進行台本」を作成しました。

また、妹背山、紀州東照宮などを散策する1泊2日のモニターツアーを3回、玉津島神社、和歌浦天満宮などを巡りながらウォークする日帰りのモニターツアーを2回実施し、合わせて138名の参加を得ております。このモニターツアー結果を踏まえ、検証と研鑽を行った後、モデルコースや「和歌の浦語り部の会」を旅行会社に対して情報発信してまいりました。その結果として、日帰り客や1泊2日の旅行で、和歌の浦に立寄るツアーが増えたことを実感していると同協会から伺っております。

次に、「マリンレジャー」では、市、観光協会、民間事業者で実施する夏の「海百涼」キャンペーンで片男波海水浴場や浜の宮ビーチをPRしておりますが、県も協働して京阪神のマスコミや旅行会社を訪問し、キャンペーンの情報発信や送客を依頼するとともに、JR西日本の主要駅で一般の方に対するPRを行いました。なお、平成26年に実施する「和歌 山デスティネーションキャンペーン」においては、和歌浦湾 をマリンレジャーのメッカとして位置づけ、ウインドサーフィン、シーカヤック、シュノーケリングなどの体験メニューの充実を図るとともに、今議会に上程しております平成25年度当初予算案における体験観光魅力アップ事業の補助金制度も活用しながら、地元観光協会や体験事業者と利用者の利便性向上に向けた協議を進めてまいります。

最後に、「グルメ」ですが、和歌の浦を代表する食材「わかシラス」について地元の宿泊施設や商店における食事のメニューやお土産としてモデルコースに組み込み、旅行会社にPRしてまいりました。また、シラス以外にも和歌の浦のグルメを紹介する試みとして、和歌の浦観光協会と協働で平成23年度に制作した「和歌の浦ウォーキングガイドマップ」において、ウォーキングコースとともに、途中立寄り可能なグルメやお土産購入の個店情報を掲載し、旅行会社も含め、利用者から高い評価をいただいております。さらに、和歌浦漁港に昨年11月開設した「おっとっと広場」につきましては、土曜日、日曜日、祝日に、鮮魚やかまぼこ等の水産加工品の 販売で好評を得ており、和歌の浦の新たな誘客拠点の一つとなるようPRに努めてまいります。

議員ご指摘の成果についてでございますが、和歌の浦への観光客入込数につきましては、国名勝指定前の平成21年と比較しますと、災害の影響で県内全ての観光地で観光客が減った平成23年は別にして、平成22年では約7万2千人、集計中の平成24年推計値では約3万2千人増加しており、着実に成果に結びついていると考えております。今後とも、市や地元と協働しながらこの成果が継続するよう効果的な施策を展開してまいります。