平成24年12月定例会一般質問 / 質問内容

1.紀の国わかやま国体について

片桐あきひろ

おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従って一般質問をさせていただきます。

最初は三年後に迫ってきた紀の国わかやま国体についての質問です。

国体競技のうち、14競技16種目が和歌山市で開催される予定です。国体開催によってスポーツだけではなくて、観光や人の交流機会の増加など和歌山市活性化のために資するために多くの競技を受け入れて開催することは歓迎すべきことですし、これから開催が近づくに連れて盛り上がりが出てくることを期待しています。

多くの選手や応援者が和歌山県入りする開催期間中は、予想していないような問題が発生することがあると思いますから、事前準備の段階において不安のないように万全を期して欲しいと思い、競技日程と配宿に絞って今回は質問を行います。

その中で少し不安感を持っているのが和歌山市内の宿泊の問題です。和歌山市内の宿泊可能施設は50施設、宿泊可能人数は約5,000人と想定されています。しかしこれまでの国体開催県の状況や関係者の話などから、提供可能数は収容可能人数の安全サイドの見方から70パーセント程度に想定することも必要だと思います。

勿論、施設関係者にとって安全で快適な部屋を提供したいと思っていることから、トラブルが発生しないように安全率の高いロス率を見込んでいると思うのですが、仮にこのロス率を勘案した場合の和歌山市の宿泊人数は約3,500人と大きく減少することになります。

一部宿泊施設の皆さんの話を伺ったところ、競技日程や宿泊の配分により実際の宿泊可能数は、この提供可能数よりも配宿ロスを見込む必要があるかも知れないという意見でした。

宿泊施設が不足している理由として、和歌山県実行委員会が決めている「競技場から遠隔地を宿舎とする場合でも、競技会場までの所要時間は概ね60分以内であること」を確保した配宿を検討していることがひとつの要因です。

競技日程の組み方にも拠りますが、和歌山市で開催される競技の中で、宿舎から会場までの移動時間内のホテルで宿泊できない選手が出てくる可能性もあります。

和歌山市の場合は、宿泊施設との兼ね合いから14競技のうち3競技は国体開会式前に競技を行うことも視野に入れていると聞いていますから、開会中の競技種目をとなる11競技を前提として考えても不足する恐れがあるようです。

競技日程が正式決定していない段階での推測は難しいのですが、11日間の中で競技を行うためには、特に選手、大会役員、招待者など参加人数の多い開会式前後や前半日程と後半日程が重複する7日目あたりの日程で宿泊施設が不足しないのか宿泊可能数からすれば不安感があります。

片桐あきひろ

和歌山市内に数箇所想定される民間施設を転用施設として利用可能したとしても、宿泊施設不足は解消されず、関西空港エリアまでを宿泊可能施設に拡大しても、どうしても宿泊施設が不足すると思われます。

しかもこれらの宿泊施設不足の前提は、選手、監督、役員のみの数字で、応援者の宿泊を見込んでいない数字です。

一方、宿泊施設不足の対応策のひとつとして民泊もありますが、岐阜国体の例を見てもわかるとおり、比較的小さな自治体においては少ない競技数を受け入れることは可能と思います。個人的見解ですが、社会奉仕団体や高校の留学生の受け入れなどの手配の経験からすると、国体においても同様に積極的に受け入れてくれる家庭は少ないように感じます。

黒潮国体のあった昭和46年当時は民泊もあったのでしょうが、民泊で選手を受け入れることは難しいように思いますし、先に知事が示した宿舎から会場までの移動方法を考えると、民泊でそれなりの人数を受け入れることは難しいとも思います。

質問1:競技日程の決定時期等について

それでは最初に、競技日程についての考え方について質問します。

競技は基本的に会期内に行うことが原則ですが、事情によっては水泳を含めた3競技までは会期より前に開催することも可能だと聞いています。逆に言えば水泳を含めた3種目を除いた競技を会期内で実施しなければならない訳です。

仮に和歌山市で宿泊施設が不足するとした場合、原則に則った3競技以外の競技を開会前の日程に組み込むことを検討する必要もありそうです。

宿泊施設の問題がネックとなり競技日程が確定していない状況がある訳ですが、本来であれば競技日程を決めてからそれぞれの日にちの宿泊者数予測を出し、宿泊施設が不足するところはホテルなど配宿ロスを減少させるなど話し合いをすべきだと思います。

まず競技日程の決定を先にしなければならないと思いますが、競技日程の決定時期、そしてどこがどのようなプロセスを経て決定するのか。その点に関して国体推進監からお答え下さい。

答弁者:国体推進監

競技日程決定の時期につきましては、平成19年9月に開催された県準備委員会第1回総会において、平成24年度中に決定するものとして承認されています。

また、競技日程決定までのプロセスについては、会場地市町村が県競技団体及び中央競技団体の意向のもと、競技日程案を作成し、県実行委員会の承認を経て、日本体育協会国民体育大会委員会で決定されることとなっており、「紀の国わかやま国体」の競技日程については、平成25年3月に開催予定の同委員会に報告するための準備を進めております。

質問2:応援者等の宿泊について

和歌山市で開催予定競技の一般の応援者が、和歌山市に宿泊することは難しいと思われますが、それでは国体に期待する経済効果や会場周辺での応援による盛り上がりは発生しないように思います。競技日程を関係機関と調整したうえで、極力、和歌山市で開催する競技に関しては和歌山市内に宿泊できるように検討して欲しいと思います。

またどうしても無理だとするなら県内での宿泊を優先させて大会の盛り上げと、競技終了後の観光誘致などを含めて県内宿泊への誘導を図って欲しいと思いますが、一般の応援者の宿泊の考え方について国体推進監からお答え下さい。

答弁者:国体推進監

応援者等の宿泊についてですが、和歌山市は14競技を実施することから、選手・監督だけでなく多くの応援者が訪れ、大きな経済効果が期待されます。

そのため、県内宿泊の空き情報をきめ細やかに提供することや、観光事業者と連携して紀南地域への誘客を図るなど、国体開催の効果を県内に留めるための取組が必要と考えています。

質問3:選手団の宿泊について

では選手団の宿泊についての質問です。和歌山市で競技が行われる選手団の宿泊調整は、開催地である和歌山市が担うことになります。しかし宿泊ロス率の見込みによっても違いますが、宿泊可能は最低ラインで3,500人から最大でも5,000人ですから、開会式からの数日や大会中日前後においては選手ですら宿泊できなくなる危険性があると思います。

競技日程を決めた後は、速やかに宿泊調整に向けた取り組みが必要だと思います。どうもこれらの調整が遅延しているように思うのですが、足りないと言うだけでなくて、和歌山市と共に行動に移して解決に向かって欲しいと思うのですが、この点についても国体推進監からお答え下さい。

答弁者:国体推進監

選手・監督・競技役員などの配宿については、県実行委員会が定めた宿泊基本方針において会場地市町村が行い、県内外の広域配宿を行う場合は会場地市町村と県が協議を行うものとなっています。

和歌山市では宿泊不足が懸念されていることから、宿泊施設に対する客室提供の促進や競技日程の平準化、近隣市町への県内外配宿など、配宿主体である和歌山市から、宿泊不足解消のための具体的な提案があれば、対応して参りたいと考えています。

質問4:配宿決定までの進め方について

以上から、現段階において宿泊に関して解決すべき問題点があることが認識できました。

そのことを踏まえ、各都道府県の代表として大きな期待を背負った選手達が繰り広げる競技会としての紀の国わかやま国体を盛り上げるために、県内を中心にした宿泊のあり方について、場合によっては関西空港エリアまで含めた配宿の調整が必要になると思います。

今後の宿泊調整については幅広く論議を行い、開催市と考え方を一致させて欲しいと思います。

そして平成24年度中に競技日程を決定する必要があり、競技日程が決定した後に配宿予定を確定させる必要があると思いますが、議論してきたとおり現段階においては配宿の調整が進捗していないように感じます。

概ね、いつまでに決定しなければならないものなのか。そのため市町村との調整が必要だと思いますが、決定までの進め方について、国体推進監からお答え下さい。

答弁者:国体推進監

配宿については競技日程確定後、決めていくこととなりますが、平成25年度には県と会場地市町村で構成する合同配宿本部を立ち上げ、客室提供の促進など充足対策にも取り組みながら、旅行業者による配宿シミュレーションを重ね、平成27年の開催時には、来県者がより良い環境で宿泊できるよう配宿を決定してまいります。