平成24年6月定例会一般質問 / 質問内容

1.コスモパーク加太について

最初にコスモパーク加太の活用についての質問です。和歌山県土地開発公社が所有するコスモパーク加太の2.8ヘクタールの斜面にメガソーラーの建設が始まっています。斜面に設置する工法は珍しく、今まで利用できなかった用地が活用されることは歓迎すべきことです。

ところで、和歌山市が所有するコスモパーク加太用地に、再生エネルギー事業者からの問い合わせ、また現地視察にも訪れています。また隣接する和歌山県と市のそれぞれの土地開発公社が共有する土地については、森林公園周辺に市の単独所有地として集約し、森林公園、スポーツ施設、企業用地として総合的な活用を図るため、県とも協議を行っています。

ただ和歌山市は「順調に進んだとしても平成25年秋以降になる」としています。

再生可能エネルギー事業については、他県や他市と比較して検討の速度の遅さについての話を聞かされます。つまり現在検討されている固定買い取り単価は初年度、つまり平成24年度中に何らかの契約や設備工事を行っておく必要があるからです。次年度の計画になると買い取り単価が減額される見込みなので、事業者の計画も縮小されることになります。

県や市がより有利な条件で売買、または賃貸借をするためには、原則、本年度中の契約が必要となります。土地の活用に関しての結論が来年の秋以降になれば、進出してくれるにしても、現在と同じような良い条件が提示されるとは思いません。

和歌山市土地開発公社所有のコスモパーク加太の活用を図るに当たって、和歌山県と和歌山市の土地開発公社が共有している用地の活用を検討していることから県の協力が必要になると思います。

県としては、「県土地開発公社の設立者として、その運営指導を行う必要があり、また「調停に代わる決定」に基づき、コスモパーク加太内の県土地開発公社所有地を平成36年1月まで賃借し、土地の付加価値を高めるため、企業誘致などの利活用を進める」ことになっています。ですから、コスモパーク加太用地の活用を検討している和歌山市からの協力要請についても考えて欲しいと思います。

質問1

県もこの協議の中に入っていますが、和歌山市からの協力要請に関して知事はどう考えているのでしょうか。

答弁者:知事

議員御指摘のように、コスモパークという膨大な地域には、所有関係が入り組んでいるところがありまして、県の公社と市の公社が共有しているところもあります。今年の始めか、昨年の終わりか、定かではありませんが、市の方から、「共有地を解消する。県の土地と市の土地を交換したい。」というお話がありました。理由は、共有地では売れないとうことでありました。私どもの担当の方からは、市の方は、条件のいいところを市がとって、残りを県に押しつけているというような話がありまして、不愉快だというようなことを私に上げてくることがありましたが、その理由はそもそもとんでもない。共有ではなぜ利用ができないのか、意見が一致すれば共有財産を売ったり、あるいは人に貸したりは、この世界ではいくらでもある。県はクレーマーでも何でもないのだから、利用したいというならば、どんどんすればいい。なぜ共有では利用できないのかというような話をしておきました。たまたま、お正月のある業界における懇親会がありまして、私のいる前で、民間会社の方が市長さんにコスモパークの土地を利用させて下さいとおっしゃいました。市長さんが実は県が共有地を解消してくれないので、売れないとおっしゃたわけです。私はむっとしまして、なぜそうなんですか、今のような共有地だっていくらでも利用できるではありませんか。そもそも資本主義と民法に挑戦ですねというようなことを言っておきましたが、反論はありませんでした。

しかし、何かおかしいと、もう一度聞いてみました。市の担当から県の担当にあった話によれば、市の公社の財務整理、すなわち市の公社を解体して、市に集約するという話が進んでいる。共有があるとやりにくいというような話らしいということがようやくわかりました。それならば、県は協力してさしあげたらいいんじゃないかと言って、下に指令を出して、かつ、市長さんにもちょっと言い争いをしたので、あとでそういうことだったらいいですよという話をしておきました。

今回、再生可能エネルギー事業者からの問い合わせに対し、和歌山市は、今すぐできない、なぜなら、共有地の集約化をして総合的な利活用計画をつくる必要があり、それには「順調に進んでも平成25年秋以降になると思われる」等と回答したと議員は御指摘になりました。私はそれを聴いて「またか。」と思いました。売ろう貸そうと思えば、いつでも売れます。県は共有があったとしてもいつでも協力いたします。もちろん中身いかんにもよりますが、条件が合わなければだめなんですが、別にそんな利活用計画がなくても、公社の再編でも不動産を現金に換えて持っておけば、別に整理ができないわけではありません。

このようにですね、再生可能エネルギーの事業化と、共有地集約化は、まったく別問題でありまして、和歌山市が単独または共有で所有する部分については、当然、今すぐにでも和歌山市がどのように活用するかは主体的に判断すべき問題であると思いまして、先ほどの議員に対する和歌山市の説明あるいは業者に対する説明は大変理解に苦しむところであります。

多分、市にも本当の考えがあるんではないかとこれは私の推測でございます。たとえば条件が合わないとか、あるいはソーラーは雇用につながらないから、どちらかといえば別のものにしたいとか、それはごもっともであります。有力者に言われたからといって正しくない別の理由を述べてごまかそうとしたり、或いは人のせいにしようとするのはいけませんし、自分の責任逃れのためにそういうことを上にあげるのはもっといけませんし、それを妄信するのもよろしくありません。コスモパーク加太を有効に利用することは、地域の発展に繋がる大変重要なことであり、共有地の集約化については、今申し上げました様に市の事情を勘案して既に協議を進めているところでありますが、そのスピードとは関係なく、今後も有効な活用策は考えればよいし、県としても協力してまいりたいと考えております。

質問2

平成22年度は13社からの問い合わせや訪問があったようですが、平成23年度の企業誘致の状況はどうでしたか。現時点で企業誘致の見込みは立っていますか。一般的には、円高、燃料費高、国内の消費低迷などから大手企業が国内で新規工場を立地する可能性は低いと思います。

コスモパーク加太への企業立地の期待の程度については、如何なものですか。企画部長の答弁をお願いいたします。

答弁者:企画部長

コスモパーク加太への企業誘致については、雇用の創出など経済波及効果が期待でき、地域と共生し、地域の活性化に繋がる企業を誘致すべく、商工観光労働部と連携しながら、誘致活動を行っているところでございます。

企業には、大規模用地が確保できること、高台に位置し地盤が強固で自然災害に強い用地であること、そして、自然豊かな用地であること等をPRしています。

昨年度は太陽光発電用地や高台移転先としての需要もあり、問い合わせ件数は前年度の約3倍、38件と増えております。

本年度も引き続き企業用地としての問い合わせがあますので、進出に繋がるよう一層働きかけを強めてまいります。