2.郷土の偉人教育について
ガイドラインは是非とも平成24年の早い段階で制定し、自治体が発行する媒体などには自然にメディア・ユニバーサルデザインの思想が組み込まれているようにして欲しいと思います。このことは市町村に対しても啓発して下さい。
(1)日本文教出版の小学社会3・4年下教科書の評価と次回へのアプローチについて郷土の偉人教育についてです。和歌山県で日高地域を除く全てで採択されている日本文教出版の小学社会3・4年下において、和歌山県の郷土の偉人が取り上げられています。地域の発展に尽くして人々というテーマで、実に20ページに及んで取り上げられていることは異例であり、この教科書を十分に活用し郷土の偉人の素晴らしさを理解するような教育に活かして欲しいところです。
しかし、和歌山県としてこの郷土の偉人教育で成果をあげないと、また和歌山県以外の府県においても有効性であることを訴えなければ、次回の改定時期にはこのページがなくなる恐れがあると聞いています。継続して取り上げてもらうためにこの項目の教育の成果の検証と和歌山県の偉人の功績は全国レベルのものであることを訴えるべきだと思います。
教育委員会としてはどう評価していますか。また次回に向けてのアプローチに関してどう対応しようとしていますか。教育長にお尋ねします。
議員ご指摘の日本文教出版の小学校社会科の3・4年生下の教科書の評価と次回のアプローチについてでございますが、本県は、全国に誇る数多くの偉人を輩出してございまして、小学校社会科の教科書にそうした偉人の功績が掲載され、それを全国の子どもたちが学習するということは、ふるさと教育の推進を重点施策としている本県にとっては、大変喜ばしいことであり、誇りに感じてございます。
議員ご指摘の教科書に掲載されている浜口梧陵や南方熊楠、華岡青洲などの功績は、小学校学習指導要領で学ぶべきこととされている、先人の働きや苦心を考えさせる上でも大変有効な教材であると考えてございます。
今後、こうした和歌山の先人を学ぶことの意義や本県での教育実践の成果を、様々な機会を通して、県内外に広く積極的に発信していく必要があると考えてございます。
和歌山市内の雄湊小学校が創立120周年を迎えました。この学校は南方熊楠や松下幸之助が学んだ学校して地域の皆さんは誇りに思っています。歴史があり郷土の偉人を輩出した学校が地域にあることは郷土の誇りであり、地域の価値を高めています。歴史と伝統のある学校が地域にあることで学校を育ててくれていますし、学校が地域にあることで地域は郷土に愛着と誇りを感じるのです。
そこで教育長に質問です。目指すべき偉人の足跡が身近なところにあることは、かけがえのない財産です。これらの偉人を輩出した学校と地域との関係を将来につなげ、発展させるための取り組みをどう考えていますか。
歴史と伝統のある学校と地域とのかかわりについてのお尋ねでございますが、学校が輩出してきた偉人や長く培ってきた伝統、学校と地域との関わりについて学習することは、自分の学校に対する誇りと愛着を育てる上で、たいへん大きな役割を果たすものと考えてございます。
学校が積み重ねてきた歴史や文化を、未来につなげていけるよう、本県が現在推進しております「共育コミュニティ」の輪を広げながら、学校・家庭・地域が一体となった取組を一層大切にしながら進めてまいりたいと思ってございます。
参考までに本町小学校は野村吉三郎が卒業していることも付け加えておきます。
さて平成24年度に陸奥宗光シンポジウムが予定されています。平成24年は陸奥宗光が外務大臣就任120周年を迎える記念すべき年であり、その年にわが故郷が、その偉大さを再認識することや外交の重要性を発信するシンポジウムを開催することに高い価値を見出した知事の慧眼に敬意を表します。
そしてその内容に関して、陸奥宗光の大きな功績でありながらも、正しく認識されていないように思える不平等条約改正を取り上げ、特に子ども達に郷土の偉人の素晴らしさを伝えて欲しいと思います。
それは、明治27年、イギリスとの間で日英通商航海条約が結ばれ、領事裁判権の撤廃、関税自主権の部分的回復に成功し、不平等条約を取り除く大きな糸口となったことが功績だということです。当時、この不平等条約改正は、わが国の国家主権を取り戻すという国家的課題であったのです。これができたのは陸奥宗光が、「これからの外交で大事なのは、まず自国に誇りを持つこと、相手を恐れず勇気を持つこと、そして強い国の仲間入りをすることだ」という考えに基づいて行動したからであり、このことは明治27年から117年後の平成の時代においても同じことが言えます。
前回の一般質問で陸奥宗光を取り上げた時に知事が約束してくれた陸奥宗光の本は出版されました。今回のシンポジウムも期待しています。
そこで質問です。この陸奥宗光のシンポジウムを開催しようと考えた知事の思いをお聞かせ下さい。
陸奥宗光シンポジウムにつきましては、毎年一人は郷土の偉人について、出来れば全国発信をしながら、その偉業を讃えようと言うようなシリーズの一つとして考えておりますが、来年が陸奥宗光さんが外務大臣就任120周年でございますし、今お話しのありました関税自主権を取り戻したのが1911年ですから、ちょうど今年がその100年でございます。そういう節目の年に当たると言うところから、19世紀の欧米列強がひしめく国際社会において不平等条約の撤廃に辣腕をふるい、日本外交の礎を築いた業績と、それから和歌山を明治の初期において最も開明的な地に導き、明治維新そのものにも大きな影響を与えたこと、さらには議会制民主主義を目指してそのための後進の育成も大いに行う、そういうようなことを再認識する機会として計画をいたしました。
とりわけ、陸奥の事績と意義、そして、陸奥を輩出したこの和歌山、明治維新における和歌山の重要性に光を当てて発信することで、県民の郷土への愛着と誇りを育み、本県の声価を高めていきたいと思っております。
さて平成20年9月定例会において、和歌山県内の学校の修学旅行で外務省の見学について提案しました。それは、外務省を修学コースに設定して、陸奥宗光元外務大臣の銅像を見学することの提案でした。郷土の偉人が外務省敷地内で、唯一飾られている外務大臣の銅像ですから郷土の先輩に続いて、将来、この国を担う人物になろうと志を持つ学生を輩出させて欲しいとの願いから提案したものです。
それに対して当時の教育長は、「外務省の庭にある陸奥宗光元外務大臣の銅像など、県内外には、郷土の偉人たちにゆかりのある施設や場所が多くございます。これらを直接訪れて、その業績や生き様、思いなどに触れることは、子どもたちの心に深く響く学習になると考えます。各学校がこうした学習を積極的に展開するよう働きかけてまいります」と答弁してくれています。県内の学校がこの目的を持って外務省へ修学旅行を実施した実績はありますか。その結果の検証はできていますか。教育長にお尋ねします。
外務省の見学など修学旅行の成果についてのお尋ねでございますが、陸奥宗光につきましては、先程知事からもございましたけれども、小学校や中学校の社会科において、必ず学習する偉人の一人でございます。
今年度の公立中学校の修学旅行等では、陸奥宗光の学習のため、直接外務省を訪れるまでには至りませんでしたけれども、校外学習等で、郷土の偉人の足跡を訪ねたりその業績を調べたりする学習は、多くの学校で取り組んでいるところでございます。
今後とも、修学旅行等において、外務省の訪問を含め、郷土の偉人の功績にふれる機会を積極的に取り入れるよう、市町村をはじめ県内の各学校に強く働きかけてまいりたいと思います。