平成23年12月定例会一般質問 / 質問内容

1.メディア・ユニバーサルデザインについて

メディア・ユニバーサルデザインとは、よりよい社会環境づくりを目的として、高齢者や色覚特性の人、子どもや外国人など全ての人々に正しく情報を伝えるために、読みやすく、見やすく、使いやすいことを目指して作られるメディアのことです。伝えた情報を一人でも多くの人に理解してもらえる方法で発信することがメディア・ユニバーサルデザインの本質であり、一般的に不特定多数の人が情報を得る機会が多いものに対してメディア・ユニバーサルデザインの配慮が必要となります。

そのため官公庁から発信する情報媒体には、このメディア・ユニバーサルデザインの考え方を取り入れたものにして欲しいところです。専門家にみてもらったところ、県庁で発行している県民の友や県議会便りなどはメディア・ユニバーサルデザインの考え方で編集されているので、比較的誰にでも見やすいようになっています。

ただ高齢者や色覚特性の方だけが対象だと思っている部門もあるようで、単に障害福祉を担当する部門だけがこの考え方を持っていれば良いものではなく、媒体制作に関しては全庁をあげて、メディア・ユニバーサルデザインの考え方を取り入れて欲しいと思います。

ただし全ての人を対象に見やすい媒体を制作することは困難ですから、対象となる人を明確にして情報を届けたい人が理解できる内容にデザインすることになります。

そのため、紀の国わかやま国体やハザードマップにおいてもメディア・ユニバーサルデザインの考え方を取り入れるべきだと考えます。国体に関して平成23年開催の山口国体においては、「自然環境との調和やユニバーサルデザイン化を促進し、人と地球にやさしい国体の開催をめざす」と明記されていますし、以降開催予定の国体でも同じです。勿論、紀の国わかやま国体でもその基本構想に、競技会場のユニバーサルデザイン化を促進すると示されていますので、これは競技場だけではなくて印刷物を初めとする全てのものに取り入れてくれるものと期待しています。

またハザードマップに関してはもっと見易さが大切です。発信した情報を受け手が正確に把握してもらえるように編集する必要があります。

ハザードマップについて見やすい事例を紹介します。千葉県市原市の椎津川や養老川、県内においては九度山町の防災マップは見やすくて避難場所、避難方法が分かり易くなっています。ここに色覚特性の見え方が分かるメガネがあります。先日議長には見てらっていますので、知事にもかけてハザードマップを見て欲しいと思います。その間に一般質問を続けます。

さて高齢者や色覚特性の方々が理解し易い内容になっていることは、全ての人に見やすくて理解できる内容になっているということです。逆にとても見え難く避難場所も分かりにくいハザードマップもあります。大規模な台風や大地震に備えて、逃げられるハザードマップ、つまり使えるハザードマップにして欲しいと思います。

知事が被災現場で感じ、言っているように、こういったツールの改良に関しても県民の皆さんは「本当にやってくれるかどうかを見ている」のです。

そこで質問です。

  • メディア・ユニバーサルデザインのガイドライン作成についてです。高齢者や色覚特性など特定の人のためのメディア・ユニバーサルデザインではなく、一人でも多くの人に情報を行き届かせることがメディア・ユニバーサルデザインであることを全ての自治体が認識できるように、ガイドライン作成をして欲しいと思います。この場合印刷物に限らずに県庁内の案内板や道路の案内板、避難表示など、全てのものを対象にしたものにして欲しいと思います。
  • 二点目。ハザードマップに関して、例えば避難時の注意点や持ち出し用のチェックリストなとどの事前準備に関するものはメディア・ユニバーサルデザインの考え方を取り入れ県下統一にして、避難場所などの情報は市町村で作成すれば自治体による差はなくなると思います。
    国体と全国障害者スポーツ大会の準備推進体制を一本化する構想であることから、国体関連の媒体制作、ハザードマップの制作などに関しても、早急に対応して欲しいと思いますが、これらについて知事の考え方をお聞かせ下さい。
答弁内容
答弁者:知事

県では、ユニバーサルデザインということを従来から意識しておりまして、その普及に努力をしておりましたが、メディアについても同じような考え方でやらないといけないということについては、まさにその通りだと思います。

これについては、できるだけ多くの方に正確に情報を伝えるという視点から、特に県のような行政が発する情報については大変重要であると、議員の認識について全くその通りだと思います。

今後は、このようなメディア・ユニバーサルデザインがさらに浸透するように、県においては、広報出版物やホームページについて、書体やフォントの工夫とか、あるいは色覚バリアフリーについての配慮等にさらに努めていかなければならないと思います。

このようなことを大いに勉強いたしまして、考え方を整理して、その資料をもとにして、県はもとより、市町村、県民、あるいは民間団体、事業者に対して、普及・啓発をしていきたいと思います。

なお、ハザードマップについては、避難場所や被害予測区域等が分かりやすいものであるということが特に重要であります。国が策定いたしましたハザードマップマニュアル等に基づきまして、色彩に配慮するなどして作成するよう、私どもからも市町村に対して助言をしていきたいと思います。

また、国体についてもそうでございまして、これから大いに広報紙の発行等をやっていかないといけません。その時にも、「音声コード」の付与や、どのような色覚の方にもなるべく見分けやすい配色の選択など、より多くの方が分かりやすい情報の提供に努めていきたいと思います。

また、国体の基本構想では、国体と全国障害者スポーツ大会の準備推進体制を一体化する方向となっておりまして、今後さらにユニバーサルデザインへの配慮が行き届いた情報提供を行ってまいりたいと思います。