平成23年6月定例会一般質問 / 質問内容

3.げんき開発研究所の活用について

最後は、げんき開発研究所の活用についての質問です。

国体に向けてアスリートを科学医療の観点から支援する拠点のひとつが「げんき開発研究所」です。ここではスポーツ医科学の研究、県民の皆さんに向けたスポーツ教室、そしてトップアスリートへのメディカルサポートなどを実施しています。先日、施設見学に行ったところ、その機能とソフト面での充実した支援体制に驚きました。

研究施設には、三次元動作解析や人工気候室を初めとする設備が整えられています。この三次元動作解析装置は、ランニングやピッチフォームの解析を行えるので、より速く、より強く、怪我をしないフォームづくのアドバイスが可能となるなど、身体バランスの測定など目で見た部分では分からなかったスポーツ動作の解析が行えます。

また人工気候室は、地球上に存在する全ての地域の気温と温度を人工的に作り出すことが可能な全国的にも稀な設備です。スポーツ医学の評価が可能となっています。

これだけの施設を持っているのは、東京の国立スポーツ科学センターと「げんき開発研究所」だけだと言うものでした。

そして設備があっても欠かせないものが、評価できる人の配置とソフト面での支援体制ですが、何の心配もありませんでした。スポーツ医科学の専門家を配置して解析データの活用には万全を期していますから、国体に向けてこの施設の活用を図ることが課題だと思います。

活用を図るためにはしくみが必要で、立地しているのは和歌山市内ですから、県内の全てのアスリートの活用は困難ですし、専門家の人数が限られているため、全ての競技までアドバイスをすることも難しいところです。

この施設と専門家の活用を図るためには、指導者の指導を重点に行い、よき指導者を作ることが大切です。よき指導者を輩出することで、県内各地で、そして競技種目に関係なくアスリートの支援と競技レベルの向上につながります。

今では体制を整えることは難しい問題ではありません。ネット回線を使用すれば、この研究所と遠隔地の高校などを結ぶことができますから、データの送信と解析に基づいた指導者への助言が可能となります。体育系の大学のある県では、大学と高校などを結び機能させていますが、和歌山県ではそのしくみはありませんでした。しかしこの研究所が存在していることから、専門家によるスポーツ医科学の指導が可能となれました。

ネット回線を活用するだけで、遠くてデータに基づく指導ができないという理由はなくなります。

また民間の優秀なトレーナーと連携すれば、人材不足や設備不足も解消されます。つまり「げんき開発研究所」を中心に、データの連携とトレーナーとの協力体制を整えたら良いのです。

国体に向けて、そして先の県民の健康づくりのために「げんき開発研究所」の更なる活用を図って欲しいと思います。

質問1

「げんき開発研究所」をスポーツ医科学の拠点としての活用について、どのように考えていますか。県内のトレーナーとの連携を図るしくみは必要だと思いますが、そのしくみは作ることは可能ですか。

またメディカルチェックや専門体力測定や、科学的トレーニング指導を県内に広げるべきですが、医科学に関して県内格差をなくすための方法についてお考えはありますか。教育長にお答え願います。

以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

(1)げんき開発研究所をスポーツ医科学の拠点としての活用について
答弁内容
答弁者:教育長

次に、「げんき開発研究所」の活用についてお答えします。

「和歌山県立医科大学みらい医療推進センターげんき開発研究所」の活用については、県教育委員会としましては、現在、紀の国わかやま国体での「男女総合優勝」に向け、県競技力向上対策本部が中心となり、県体育協会と連携を図りながら、様々な強化対策を講じております。その一つとして、本年度より、「きのくに医・科学サポート事業」を立ち上げ、スポーツ医科学面からのサポートの充実を図ってまいることとしております。

議員ご指摘のとおり、「げんき開発研究所」は、日本でも数少ない最新機器が設置されておりますので、トップアスリートに対する医科学サポートの拠点として、施設の有効的な活用に努めてまいりたいと考えております。

また、県内の多くのアスリートに医科学サポートの理解をすすめ、実施していくことは大変重要なことであります。指導者を対象とした医科学セミナーの開催、スポーツトレーナーや指導者間のネットワークの構築等により、スポーツ医科学サポートを県内に広げて行きたいと考えております。