平成22年12月定例会一般質問 / 質問内容

質問内容

  1. 和歌山県教育委員会と宇宙航空研究開発機構との宇宙教育に関する協定について
    (1)協定に至った経緯と宇宙教育の意義(資料配付)
    (2)「はやぶさ」展示会とPRについて
    (3)体験型修学旅行における「筑波宇宙センター」研修について
  2. 都市計画と農地について
    (1)和歌山インターチェンジ付近の活用について
    (2)農地区分の情報公開について
    (3)第三種農地基準のうち転用可能なものの基準見直しについて
  3. 和歌山EV計画について
    (1)電気自動車普及計画と充電スタンド設置計画について
    (2)関西広域連合の取り組みに関して和歌山県の参画意欲について
    (3)おおさか充電インフラネットワークとの連携について
  4. 防災対策について
    (1)高齢者福祉施設への防災対策について
    (2)災害拠点病院への防災対策について
  5. 経済対策について
    (1)企業誘致の経済効果と正規雇用について

和歌山県教育委員会と宇宙航空研究開発機構との宇宙教育に関する協定について

和歌山県では、全国のどの都市よりも宇宙に関する教育や講演会を実施してきた経緯があります。

例えば、平成22年7月、米国アラバマ州ハンツビルで実施された、「ボーイング2010年度・教師のためのスペース・キャンプ・プログラム」に日本代表として和歌山県から指導主事が参加しています。世界12ヵ国及び米国内から102名の教師が参加したもので、日本でただ一人、和歌山県から候補者が選出されたのは「宇宙を切り口とした教育による地域再生」を推進している和歌山大学観光学部、戸塚敦子特任教授の推薦による快挙で、西日本からは初めての代表選手でした。

このトレーニング内容は、NASAのエンジニアリング設計、月での仮想滞在、無重力状態での物体の動き方実験、その他無重力飛行など、本物さながらの宇宙飛行士養成訓練であったようです。

本来であればこのプログラムは、公立小学校4年生から中学2年までの理数系を担当する教師が対象ですが、JAXA宇宙教育センターとの連携による「宇宙を切り口とした総合的教育システムの構築による地域再生」、即ち「宇宙の可能性は無限で、宇宙教育は理数の分野に限らない」と云う概念に基づいて、英語教育を専門とする指導主事の推薦が認められ、見事に日本代表に選ばれたものです。

帰国後の平成22年7月には、和歌山市内で開催された「第48回JAXAタウンミーティング&ユース・スペース・プログラム」において、NASA 宇宙教育訓練プログラムへの参加報告とJAXA・宇宙教育センターと共同しての宇宙授業を実施し、子ども達に宇宙の夢と感動の授業を与えてくれています。

また10月8日から10日までの三日間、JAXA筑波宇宙センターの宇宙飛行士訓練施設を使用し、和歌山県の教員を対象として「JAXA・教師のためのスペース・プログラム、これはJAXA宇宙教育センターと和歌山大学観光学部が共同で企画、開発したものが開催されました。研修に参加したのは和歌山県内の教師8人で、これは、将来、全国の教師、並びに、海外の教師、これは教育を切り口とする外交ツールとしても活用できるものですが、これらを対象とするプログラムを、和歌山県をモデルとして開発する取り組みであり、これは全国初の試みでした。写真を配布させてもらっているように、日の丸を背負った8人の和歌山県内の教師の未来を見つめる自信を持った視点が印象的です。

全国で初めてのことなので、私も筑波宇宙センターを訪問して訓練の一部を体験させてもらってきました。例えば、訓練用の宇宙服を着せてもらいましたが、重くて動くことは容易ではありませんでした。ややストレスの掛かる程度の感覚があり、宇宙で生活をすることや仕事をすることは、強い精神力がありストレスに強い性質が求められることが分かりました。

また、参加した教師の皆さんとも話をしたところ、参加した皆さんが素晴らしい体験をしていることが分かりました。

生徒に教えるためには、自分が体験をしなければ本質的な部分を教えることができません。理科の教材として「宇宙」を使う場合はもとより、理科を超え無限の可能性を持つ教材として「宇宙」を活用する場合は尚更に、宇宙開発を理解し宇宙訓練を体験していない教師が教えるのでは天と地ほど授業が違う筈です。

今回実施された「JAXA・教師のためのスペース・プログラム」では、宇宙飛行士訓練体験を終えた教師たちに、その体験に基づき自分の教室で使うカリキュラムを作るという課題が出されましたが、参加教師たちにより考案されたカリキュラムの質の高さが、この体験型プログラムの意義を顕著に示していました。8名の教師が考案した4つのカリキュラムは、どれもが「体験があってこそ」の内容で、即座に、JAXA・宇宙教育センターから、センターの活動の中でそれらを使用することへの許可が求められたほどでした。

今日体験した教師が教えた生徒の中から、将来、宇宙飛行士が誕生するかも知れませんし、JAXAに就職する生徒が現れるかも知れません。事実、和歌山県出身で、JAXAで働く人は8名いると聞きました。

教え方が上手だったり、知識の豊富な素晴らしい教師はたくさんいますが、若い教師には自らの体験をして欲しいと思います。体験したことによって、その分野で一番の教師になれると思うからです。一番の分野を持っている教師に教えてもらえる生徒は幸せです。

三日間の宇宙体験を引っ下げた8人の教師が和歌山県に存在しています。そんな教師の宇宙体験をどのように活かして行くかも、来年度の大きな課題だと思っています。 個人的に、和歌山県を宇宙教育先進県にすることを目標にしていますが、現時点において和歌山県は宇宙に最も近い取り組みを実施していると思います。

そして平成23年1月には今年の夏、日本中を感動させた「はやぶさ」が和歌山市にやってきます。全国から140を超す都市の応募の中から和歌山県が選ばれ、数少ない展示機会をいただいたことになりますが、これも和歌山県の強力なアプローチと熱意が通じたものだと考えています。

そして今回、和歌山県教育委員会と独立行政法人・宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙教育センターが、宇宙教育活動に関する協定書を交わしました。JAXA宇宙教育センターが県を対象に教育における協定を締結するのは全国で初めての画期的なことです。 この協定では、「宇宙」を素材にした教育活動を実施することによって、広い見識を身につけた心豊かな青少年の育成を目指すとともに、それを協働して推進する指導者の啓発を目的にしています。

その具体的な項目は、教職員研修支援活動として、「JAXA・教師のためのスペース・プログラム」をはじめとする宇宙教育プログラムによる教職員を対象とした研修支援活動、および被研修者同士の連携支援活動、社会教育支援活動宇宙教育プログラムによる小学生、中学生、高校生及び保護者等を対象とした学習支援活動。そして学校教育支援活動として、和歌山県内の県立学校との連携による授業支援活動が謳われています。

来年度の和歌山県の教育における期待を感じさせる夢のある協定です。

そこで教育長に質問です。

  1. 平成22年11月15日に、和歌山県が全国で初めてこの協定締結に至った経過と意味はどのようなものですか。また宇宙教育の意義について説明して下さい。 また、実現する予定の活動はどのようなものがありますか。また協定に伴い市町村での教育の取り組みへの影響はありますか。
  2. 2011年1月15日(土)〜18日(火)の4日間。JAXA「はやぶさ」プロジェクト・マネージャー川口淳一朗氏による講演 (2)「はやぶさ」のCGでお馴染みのスペースアート第一人者・池下彰裕氏(和歌山県出身)による講演 (2)JAXA宇宙教育センターと10月の「JAXA・教師のためのスペース・プログラムに参加した地元・和歌山の教師たちによる合同教育プログラム、他、が実現することになりますが、この機会を和歌山県が宇宙教育に最も熱心な県のPRの機会にすべきではないでしょうか。
  3. 体験型修学旅行における、本物がある「筑波宇宙センター」を研修する機会の可能性については如何でしょうか。
答弁内容
答弁者:教育長

宇宙航空研究開発機構(JAXA)との協定につきましては、議員や和歌山大学関係者の方々に大変なご尽力いただきまして、先ほどご紹介ありましたNASAで開催された教員研修プログラムへの県教育委員会職員の派遣が実現いたしました。それをきっかけに、JAXAとの連携が始まり、宇宙に関する研修や講演会等を積極的に進めてまいりました。こうした中、JAXAのもつ教育力を生かし、本県の教育を一層充実させることを目的として、協定を結ぶに至った次第でございます。

この協定により、今後様々な事業を通して、理数系教科のみならず、環境教育や外国語教育等、学習活動の充実を図り、児童・生徒の学習への興味・関心・意欲を高めるとともに、宇宙への夢をきっかけとして、子どもたちに広く科学への関心をもたせたいと考えてございます。

具体的には、中学生を対象としたスペース体験プログラムへの派遣、これは来年始まりますが、今年はその先駆けとして、8月の缶サットで優勝した高校生が、今年試験的に参加をさせていただくことになりました。また、「教師のためのスペース・プログラム」への教員派遣、JAXA筑波宇宙センター職員と連携した授業実践等が実施できる見通しでありまして、今後JAXAとの協定が、市町村にも広がり、宇宙教育プログラムの活用が進むことを期待しております。

なお、中学校の修学旅行に、東京からおよそ1時間で行ける筑波宇宙センターでの班別学習等が盛り込めれば、修学旅行の教育的意義が一層深まるものと考えてございます。

また、関係者の努力によって実現した「はやぶさ」カプセル展示の際には、NASA及びJAXAの教員研修へ派遣されたメンバーの経験も生かしていただき、主催者と協力しながら、本県が宇宙教育を積極的に推進していることを、広くPRしてまいりたいと考えます。

都市計画と農地について

和歌山市における都市計画と農地制度に関してお伺いいたします。他府県から自動車で来られる方は、和歌山インターチェンジ付近の光景に驚きの表情を見せてくれます。 県庁所在地のインターチェンジは、どこの都市でもロードサイド店が立ち並び、都市としてしての価値を誇っています。ところが和歌山市の場合は、田園風景が広がっています。

この辺り一帯は市街化調整区域ですからこの風景は当然と言えば当然ですが、それでも不思議な感覚があります。

和歌山市には比較的大規模な農地が少なく、この付近は大きな農地が存在していることが市街化調整区域になっている要因かも知れませんが、果たしてそれが中核市の姿として良いのかどうか考えたくなります。

平成13年8月1日から、市街化調整区域の立地基準が緩和されている地域が、この和歌山インターチェンジ付近なのです。1万m2未満の事務所や飲食店は建築が可能となっていることから、コンビニなどが立地して、ややまちを形成していますが、依然として寂しい限りです。農地を守るのであれば市街化調整区域を守る必要がありますが、開発許可基準を緩和しているということは、この地域が市街化区域に順ずる用地だと認識していることだと思います。

つまり用途は市街化調整区域となっているのですが、必ずしも農地を守るべきとはしていない緩和措置によって中途半端な状態になっているのです。本来であればと都市としての利用価値があるインターチェンジ付近の用地が、そうなっていないのです。

一方、和歌山市の都市計画は人口42万人規模を想定したものになったままです。人口36万人の都市に見合った都市計画の変更も必要な時期だと思いますから、例えば市街化区域の見直しを図り、収益性の見込まれる地域を市街化区域に変更するなどの見直しも考えられます。都市計画の見直しによって、進出企業の受け皿を作ることも必要ではないでしょうか。滋賀県の竜王や草津のインターチェンジ付近の立地状況と比較すると、和歌山市は寂しい限りです。インターチェンジ付近が市街地調整区域になっている県庁所在地の市は全国で和歌山市だけだとも聞きますから、都市計画の見直しの必要性を感じます。

また開発に関して、農地転用の制限に関しても問題があるように思います。農地の相続による納税猶予制度、租税特別措置法によって、20年間の営農納税制度を受けているため市街化促進の障害になっていることもあり、市街化区域内や緩和区域内における納税猶予期間の廃止なども検討すべき課題だと思います。

また開発できる農地転用が、平成22年6月1日から農地制度の改正に伴い厳しくなっていることも、和歌山県にとっては不利な状況になっています。 農地転用を促進すべき用地としての第三種農地として認められる場合が限られているため、市街化の促進ができなくなっているのです。

そこで県土整備部長に質問です。

  1. 和歌山インターチェンジ付近の活用に関しては、都市計画の見直し、市街化調整区域を見直しする必要があると思います。そもそも都市計画はまちづくりにおいて最も重要な計画のひとつですが、時代に即した見直しなど検討されていないように思います。和歌山県として今後の和歌山市内の都市計画に関して考えはありますか。
答弁内容
答弁者:県土整備部長

和歌山インターチェンジ付近につきましては、市街化調整区域でありますが、その交通利便性から、和歌山市都市計画マスタープランにおきまして、運輸流通拠点の計画的整備による新規都市機能整備地域として位置づけられてございます。このため、平成13年に「和歌山市開発行為等に関する条例」により、事務所や倉庫、あるいは一定の規模の物販店などの立地が可能となるなど規制が緩和されているところであります。

市街化区域編入につきましては、可住人口などの要件を満たす必要があり、引き続き周辺の土地利用の動向を注視してまいる必要があると考えてございます。

和歌山市における都市計画につきましては、現在進めております中心市街地活性化等のまちづくり施策との整合を図りながら、まちづくりの主体である和歌山市と連携し、時代に即した都市計画となるよう努めてまいりたいと考えております。

続いて農林水産部長に質問いたします。

  1. 農地区分に関して、第一種、第二種、第三種農地の線引き後の結果を農家支援のためにも情報公開して欲しいと思いますが、見解をお示し下さい。
  2. 第三種農地基準のうち、転用可能なものは、水道管と下水管またはガス管の埋設された幅員4メートル以上の道路とあります。下水管や都市ガスが未整備な地域が多い和歌山県において、都市型の基準をそのまま導入されることは都市計画上、和歌山県は不利に働いていますが、和歌山県として裁量を持つことは出来ないものでしょうか。下水道がない場所は合併浄化槽設置であっても良いと思いますが、見解をお聞かせ下さい。
答弁内容
答弁者:農林水産部長

都市計画と農地についてのご質問について、まず、農地区分の情報公開についてでございますが、農地転用許可の可否を扱う際の基準となります第一種・第二種・第三種等の農地区分につきましては、農地転用許可申請地の周辺の土地利用状況によって判断をすることとしています。

周辺の土地利用状況の変化に伴いまして、農地区分も変化する可能性があることから、予め農地区分の線引きを行うのではなく、農地転用許可を行う時点で個別に判断をしていかざるを得ないと考えております。

次に、第三種農地基準のうち転用可能なものの基準見直しについてでございますが、先般の農地法改正によりまして、優良農地確保の観点から、原則許可となる第三種農地基準の厳格化がなされたところでございます。

第三種農地とは、「市街地の区域内又は市街地化の傾向が著しい区域内にある農地」を指し、農地転用許可申請地に沿った道路に水管、下水道管又はガス管のうち一つが埋設されているだけでは、今日において市街化の指標となりえない状況にあることから、二つ以上埋設されていることが第三種農地の要件となるよう改正されたところであります。

このように農地区分の判断基準につきましては、農地法施行規則に定められておりまして、本県独自の裁量の余地はなく、議員のお話にありました下水道管がない場所での合併浄化槽の設置をもって第三種農地の要件とするような運用は制度上できなくなっております。 以上でございます。

和歌山EV計画について

電気自動車(EV)などのインフラや社会整備を推進するための計画が、和歌山県もそうですが、各地で策定されています。お隣の大阪府では「大阪EVアクションプログラム」を策定し、実行に入っています。この大阪EVアクションプログラムは、大阪府内でEVインフラや社会の整備、先進的モデル事業を行うことで、大阪府内外のEVや太陽電池の普及を促進させ、低炭素社会を構築するとともに、将来的にEVをはじめとした新エネルギー関連産業の大阪府への集積を促すことを目的に行われるものです。

具体的には、2009年〜2011年にかけてEVや急速充電施設の普及を目指すフェーズ1、2014年までに充電施設のさらなる整備やイベント開催などを計画するフェーズ2、2019年までに関西圏全体でのEVの普及を目指すフェーズ3の3段階に分けて計画を実施することになっています。

そして平成23年1月から、大阪EVアクション協議会に参画しているオリックス自動車株式会社と日本ユニシス株式会社、株式会社ジェーシービーが参画し、世界初の充電予約可能なシステム「おおさか充電インフラネットワーク」を活用することになっています。これはEV社会の到来に向けた取り組みで、「おおさか充電インフラネットワーク」につながっている充電器で充電すると、エコ・アクション・ポイントが付与されるシステムで、EVユーザーを対象としたエコ・アクション・ポイント付与は、わが国で初めてのことです。

先の名古屋で開催されたCOP10において、大阪府のEV事業説明がありましたが、この大阪府システムに連携させる方式も検討課題だと思います。和歌山県は観光立県を志向しており、さらに環境先進県も目指しています。EV時代に突入する中において、高速道路が延長されるすさみまでの間での電気自動車対策として、県内各地に充電スタンドは必要だと思います。

この大阪府が電気自動車充電で計画しているエコ・アクション・ポイントとは、地球温暖化対策型の商品・サービスの購入や省エネ行動に伴いポイントを獲得でき、貯めたポイントを様々な商品・サービスに交換することができるプログラムのことです。JCBが環境省から委託を受け、エコ・アクション・ポイントのプラットフォーム運営を行っています。参加団体は、累計53企業・団体にのぼり、現在も拡大しています。但し企業からの原資持ち出しが必要なため、和歌山県単独での実施は現実的には機厳しいと思っています。

そのため関西広域連合としても環境面、観光面から電気自動車に積極的に取り組む必要があることを提言して欲しいと思います。

そこで環境生活部長にお伺いいたします。

  1. 大阪府が計画しているような電気自動車普及計画とスタンドの設置計画はありますか。環境都市和歌山県としては先端を走って欲しいところですが、如何でしょうか。
  2. 関西広域連合体として電気自動車の導入があると思いますが、和歌山県の参画意欲を示して下さい。
  3. 「おおさか充電インフラネットワーク」との連携については、考えられないものでしょうか。
答弁内容
答弁者:環境生活部長

和歌山EV計画の3点についてお答え申し上げます。

まず、電気自動車普及計画と充電スタンド設置計画についてですが、電気自動車は、現時点ではガソリン車に比べて走行距離が短いため、充電インフラの整備促進が普及のカギとなっております。

このため、県では、新政策として、地域グリーンニューディール基金を活用した急速充電器の設置や民間・公共の充電器をネットワーク化するためのルール作りに取り組んでおります。これにより、まずは県内各都市間や世界遺産の主要拠点間を充電しながら移動できるよう、南北に長い本県の実状に即した充電ネットワークづくりを推進して参りたいと考えております。

これと併せまして、ガソリンスタンドが少ない過疎地での活用など日常の利活用においても、本県の特性を活かした支援策を検討し、電気自動車の計画的、全県的な普及促進を図って参りたいと考えております。

一方、関西広域連合の業務として位置付けられている電気自動車普及促進事業の中では、広域的な充電設備の設置促進や観光事業と連携した利用促進事業等について検討することとなっており、本県としても、県内と広域の施策を有機的に連携させることで、電気自動車の普及促進に主体的、積極的に取り組んで参ります。

次に、おおさか充電インフラネットワークとの連携についてですが、大阪府の取組は、電気自動車の利便性を高め、かつ、利用者の環境意識を高めるという点で非常に優れたものでありますが、今後の展開を考えると、府県のエリアだけではなく、近畿圏などの広域において、誰もが共通して利用できるシステムに発展させるべきであると考えております。

また、議員お話のように、エコ・アクション・ポイントについても、企業からの原資が必要であるなど課題が多いため、今後、電気自動車に係る連携施策の検討課題の一つといたしまして、関西広域連合などの場で関係府県と協議して参ります。

防災対策について

県民の皆さんの生命と財産を守ることが県行政の大きな役割です。個人としてではなく地域として生命を守る覚悟を持って欲しいと思います。特に災害弱者と位置づけられている高齢者と入院患者の皆さんを、災害から守る施策は重要です。

今までも繰り返して提言していますが、例え耐震補強をした建物が倒壊しなくても、室内対策が講じられていないと生命は守れません。高齢者福祉施設と災害拠点病院に対しての室内対策の重要性を考えると、早急に対応が必要だと考えますが、その観点から質問を行います。

  1. 高齢者福祉施設への防災対策上必要な対応について。
    和歌山県は和歌山県老人福祉施設協議会と「老人ホームを避難所」にする協定を締結しています。避難所にするためには室内対策は不可欠です。避難施設となる高齢者施設の建物の耐震化と室内対策を実施すべきだと考えますが、如何でしょうか。
    また市町村に対しては、耐震と室内対策を講じている避難施設としての機能を有している高齢者施設との個別の協定を進めるように指導して欲しいと思いますが、如何でしょうか。
  2. 災害拠点病院の耐震化に伴う医療施設耐震化臨時特例基金、約7億5千万円の用途について。
    高齢者施設と同様に室内対策を講じる必要性があります。建物の耐震化と同時に室内対策を実施することが、災害拠点病院に求められていることだと思います。この点、如何でしょうか。

以上に関して、福祉保健部長の答弁をお願いいたします。

答弁内容
答弁者:福祉環境部長

まず、高齢者福祉施設についてでございますが、防災対策上の対応では、避難施設となります高齢者施設の建物の耐震化と室内対策は大変重要な課題でありますので、現在、実地指導等を通じ、未整備の施設に対して指導を行い、順次改善を図っているところであります。

さらに、市町村と高齢者施設との個別の協定につきましては、「災害時等における地域の安心の確保等に関する協定書」を踏まえまして、今後、市町村及び関係機関に対して、積極的に働きかけて参りたいと考えております。

次に、災害拠点病院等の耐震化については、昨年度設置しました医療施設耐震化臨時特例基金により支援を行っているところであります。

この基金の用途は、未耐震の災害拠点病院等が行う建物の耐震化工事が対象で、室内対策については対象外となっております。

なお、この基金の活用により、平成24年度末には、災害拠点病院すべてが耐震化される見込みであります。

また、災害拠点病院の室内対策については、各病院で取り組んでいただいておりますが、県では、毎年、全病院への立入検査時に室内対策の状況も確認し、指導等を行っております。

今後も引き続き、室内対策、特に医療機器など備品の転倒防止を進めるため、耐震予定の医療機関に対し、室内対策も併せて実施するよう働きかけるとともに、実大三次元振動破壊実験施設でございますE-ディフェンスが行った病院内振動実験の映像なども活用しまして、あらゆる機会を通じて働きかけて参りたいと考えております。

経済対策について

和歌山県で最大の課題の一つが域内の経済対策です。即効性があり県民の皆さんが期待しているのが企業誘致です。その企業誘致に関しては知事の一期目で大きな成果を残されています。過去20年間に匹敵する80社もの企業誘致に成功していますが、このことによる雇用や経済効果はこれから発生してくるものと期待しています。

そこで知事に質問です。

  • 仁坂知事の一期目には80社もの企業誘致または協定が図られていますが、その成功要因はどのようなものでしょうか。また正規雇用と経済効果はどの程度だと見込んでいますか。そして二期目も当然企業誘致に取り組むものだと認識していますが、これまでと同様に多大の成果を期待していますが、今後の企業誘致に向けての取り組み姿勢について説明して下さい。
答弁内容
答弁者:仁坂知事

まず、企業誘致につきましては、数々の成果は収めましたけれども、決して満足するものではありませんが、私知事自らのトップセールスをはじめとする延べ4,000社に及ぶ企業訪問など、職員一丸となった努力を続けてまいりました。

また、誘致優遇策も利用させていただいておりますけれども、それ以上に評価されているのは、県庁内において、企業の要望にきめ細かく迅速に対応できる体制を整えているというところだと思います。

さらに、当初は不祥事のマイナス効果にずいぶん悩んでいたのですが、だんだんなくなってまいりまして、今、依然として悩み続けているのは、高速道路などインフラの遅れでございます。

それをなんとか説得しながら、私が就任以来、本県に立地していただいた企業によりまして、直接的には1,200人の雇用効果と約3,400億円の投資が生まれつつありまして、人口流出の歯止めに貢献していただくとともに、資材調達や物流など、地域経済への波及効果も様々に生じているところであります。このような波及効果を考えると、この雇用効果は、もうちょっと多いんじゃないかと思います。

今後は、情報収集力の強化やどのへんに有望な産業があるかとかいうことも勉強しながらやっていかないといけませんので、そういう意味での情報収集力の強化や、関係機関との連携など、これまでの体制に更に磨きをかけるとともに、インフラ整備など環境づくりを進め、企業活動が行いやすい魅力のある和歌山県のブランド作りを、県民の皆さんのご理解とご協力をいただきながら、全力で取り組んでまいりたいと思っております。

これによりまして、働く場が増えて、それで労働の需給が、よりタイトになってまいりますと、おのずと正規雇用もどんどん増えてくると期待をしているところでございます。

以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。