議会一般質問
平成22年3月予算特別委員会について / 質問・答弁内容

質問内容

  1. 公立高校授業料の無償化の課題について
    (1)不登校や出席日数が不足する生徒に対しての授業料について
    (2)無償化による権利と規制の問題について
  2. 青陵高校と陵雲高校統合の課題について
    (1)在校生や先生、両校OBやパブリックコメントの意見はどの程度までを取り上げて平成22年度予算で解決する方向なのか
    (2)正門と教室の改修計画について
    (3)定時制と通信制の授業の棲み分けについて
    (4)関係者の意見を十分取り入れられるだけの期間の確保について
  3. 県入札制度について
    (1)低入札の評価について
    (2)適正単価であることの確認について
    (3)低入札の場合の保証金の問題について
    (4)西日本建設業保証株式会社大阪支店の過去の保証実績について
    (5)西日本建設業保証株式会社和歌山支店の保証を受けないで大阪支店の保証を受けることについて
    (6)西日本建設業保証株式会社和歌山支店が30%保証をしないことの意義の解釈について
    (7)低入札における財務内容の信用調査について
    (8)低入札の事業者が、工事途中で中断するような事態が発生した場合の県の責任について
  4. 高度化融資制度の課題について
    (1)利率の変更について
    (2)倒産した企業に対しての請求や取立ての状況について
    (3)返済期限延長の要件緩和について
    (4)高度化資金返済の緩和措置と国への提言について
  5. 阪和自動車道和歌山南インターチェンジについて
質問・答弁内容

公立高校授業料の無償化の課題について

片桐章浩
平成22年度からの公立高校授業料の無償化に関して、不登校や学校に出て来ない生徒、あるいは出席日数が不足する生徒に対しての授業料も無償化対象となるのですか。
答弁者:教育長
質問のあったすべての生徒について授業料を無償化するものである。
片桐章浩
権利と規制の問題に関して。公立高校の授業料が無償化されることによって、生徒が授業を受ける権利が確保されることになります。それに対する規制は発生するのですか。例えば校則や規則を従来よりも遵守することや、停学や退学などの取り扱いについて見解をお示し下さい。
答弁者:教育長
授業料の無償化に関連して、校則の厳格化や、停学等の基準を厳しくするということはあってはならないと考える。
片桐章浩
分かりました。ただ高校の問題を議論するに当たってある高校を訪れた時、その近隣の人たちから意見がありました。休憩時間中に生徒が学校から外に出て、タバコを吸っていることや空き缶を捨てている場面が毎日のように繰り広げられているそうです。高校授業料無償化は地域で子どもを応援しようとするし主旨のものですから、このような態度が続くようであれば地域の皆さんの納得をいただけないと思います。
未成年へのしつけも含めて社会の中で生きていることを教えて欲しいと問題提起しておきます。

青陵高校と陵雲高校統合の課題について

片桐章浩
3月1日、青陵高校の卒業式に行ってきました。困難を乗り越えて卒業を果たした卒業生の涙に接すると、こちらも嬉しくなってきました。もしかしたら青陵高校の最後の卒業式になるかも知れませんから、来年以降、この両校で学ぶ予定の生徒のためにも、この両校統合による問題点について解決を図っておいて欲しいところです。
現在、出されている在校生や先生方、両校OBやパブリックコメントの意見はどの程度までを取り上げて、平成22年度予算で解決する方向で進めようとしていますか。
答弁者:教育長
パブリックコメントについては、全部で77通あり、定時制・通信制に関するものは37件あった。多くは統合に必ずしも賛成ではないが、統合するのであれば条件を充実させてもらいたいという意見であった。統合に期待する、反対するとの意見も若干あった。このご意見をすべてきちっと受け止め、教育委員会でも議論いただくと同時に、環境条件の整備等のところで22年度からかかれるものについては、両校の議論を聞きながら進めてまいりたいと考えている。
片桐章浩
統合によるハード整備の問題が両校から出されています。特に、統合した後の新たな正門設置の問題。そして不登校の生徒への対応や保護者との面談のための個別指導に必要な小さいスペースの教室がたくさん必要になると聞いています。体育館の南側への正門設置と教室の改修計画はどう考えていますか。
答弁者:教育長
設備条件の改善、特に正門の設置については、これまでも多くの生徒さんたちがつらい思いをしてきた実態がパブリックコメントの中でも出されていた。こうしたことについては現場と十分相談しながら改善していきたいと考えている。統合によってかなりスペースが生まれてくるので、その中で面談に要する場所であるとか、生徒たちがくつろげる場所等、施設の充実・改善を図れると考えている。であるので、授業を一緒にするということはない。
片桐章浩
対人関係の問題から定時制や通信制で学んでいる生徒がいる状況において、教育環境の急激な変化は在校生に不安を与えることになっています。統合した後の定時制と通信制の授業の棲み分けはどうなっていますか。
答弁者:教育長
統合されると定時制課程と通信制課程の子どもたちが一緒になるのではないかという不安がかなり多いように見受けられる。統合しても課程は全く別なので、これまでと同じように定時制の子どもさんたちは定時制で、通信制の子どもさんたちは通信制の教室で学習することになる。必要と思われる交流は考えられるが、基本的には別々でこれまでと変わることはない。十分配慮して教育課程を作っていきたいと考えている。
片桐章浩
統合後の学校名、校歌、校旗の問題はどうなっていますか。和歌山県から関係者への統合の説明会は平成21年9月のことでした。学校環境が違う両校の統合を図るためには設備面、運営面、そして生徒の学習環境面から、統合までの期間を一年と限らずに、関係者の皆さんが話し合いをして、それらの意見を十分取り入れられるだけの期間も必要だと思います。これらの点については如何でしょうか。
答弁者:教育長
校名、校歌、校旗については、両校の話し合いですが、特に校名については両校協議会の提案を受けて教育委員会として決定していく。校歌、校旗、同窓会組織をどうしていくかについては両校が相当な期間をかけて話し合って合意を形成して進めていかなければならないと考えている。時期についてはいつまでもということにはならないが、あと1年ということに限らずに意見を聞く機会を設けていきたい。

県入札制度について

片桐章浩
県公共工事に関して入札についてはどう評価していますか。
建設事業者に確認したところ、低入札を決断することは大変なことのようです。事前に仕事を請け負ってくれる協力会社に対して、今回は単価を圧縮してくれと依頼をするようですが、次回で返すからといった信頼関係があるからできるものです。それに材質を落とすなどの安全性確保の問題や、低入札が続くと財務体質が悪化するなどの問題も考えるべきとの指摘がありました。
このように、度々に低入札をしているようでは適正利益を得られませんから、低入札が発生していることは、好ましい競争になっているとは思えません。
また低入札の場合は見積内訳書の提出を受けていますが、下請けにしわ寄せがいっていないかどうかなどの、適正単価であることの確認はどのようにしていますか。
答弁者:仁坂知事
知事就任以来、公共調達制度の改革に取り組んできた。新しい公共調達制度を導入するにあたり、効率性の向上・品質の確保・県内の重要な産業である建設業者の育成という三つの目標を実現するために、平成20年6月から現在の制度を導入した。その際、談合は独禁法上許されないので、適合する条件付き一般競争入札を導入した。
一方でこれによって過当競争が起こり、それによって工事の品質の低下が起こり、あるいは事業者の経営状況が悪化し、というようになると困るため、例えば最低制限価格・低入札調査基準価格を設けた。この際、そのレベルに張り付いて抽選になるというようなことを防ぐため、わざと後で公表することとした。最近では予定価格もそうしていることもある。
それからダンピングの防止から、総合評価方式を導入して必ずしも価格だけが全てではない、価格のたたき合いをするということを奨励するわけではないことを制度にビルトインした。
なお、予定価格というのは一定の方式で標準的な価格を調べているので、高い価格というわけではない。適正な競争によって、それが予定価格に近づいたところで、別に問題はない。県民の利益はなんら阻害されていない。
片桐章浩
県公共工事の場合、落札事業者には保証金が発生し、一般的には西日本建設業保証株式会社や金融機関の保証を受けることになると思います。和歌山県の場合、通常は入札金額の10パーセント、低入札の場合は30パーセントの保証が必要となっています。
ところが西日本建設保証株式会社和歌山支店の場合、10パーセント保証はしてくれますが、30パーセント保証はしてくれません。この公共工事で低入札の取り扱いに関して県としてどう考えますか。
答弁者:仁坂知事
最低制限価格とか低入札調査基準価格というのは、これ未満だとダンピング、不当廉売であると推察される価格である。ただし、低入札調査基準価格の方は効率的な経営によっては必ずしもそうではないかもしれないから調べることとしている。だが、調査数が多くなると、県のマンパワー上の限度を超えてしまうから、一定の金額以下は最低制限価格未満で失格としている。
また、低入札調査基準価格では、大丈夫であると納得できたら認めるけれども、そうでなければ失格としている。考え方としては以上であるが、制度をうまく使い、ダンピングを防止しながら適正な競争により、県民の財産である公共工事を施工していきたい。
片桐章浩
西日本建設業保証株式会社和歌山支店が30%保証をしない理由は、リスクが高いからです。スーパーゼネコンからの依頼があれば30%保証を考える東京や大阪などの支店もあるようですが、和歌山支店管内の事業者で、そのリスクを負ってまで保証をする事業者はないようです。つまり県の公共工事を請けられるとしてもリスクを感じているのです。 公益性を理解している民間事業者でもリスクを感じているのが低入札で請け負う工事なのです。 それでは視点を変えて質問します。事業者が保証を受ける場合、西日本建設業保証株式会社和歌山支店ではなくて大阪支店に保証依頼する場合があるようですが、過去の実績をお示し下さい。
また、和歌山支店の保証を受けないで大阪支店の保証を受けるのは、どのような事情が考えられますか。また同社和歌山支店が、信用リスクから保証しないような低入札をした事業者と契約することは問題ないと考えていますか。問題ないとするならば、その根拠をお示し下さい。
答弁者:仁坂知事
本県については、片桐委員の発言のとおり、通常は契約金額の10%いただく契約保証というのに対して、低入札でよく調べて、やっぱり大丈夫だということになったときの契約、これについては30%とするということになっている。これは、委員ご指摘のとおりである。
それは、ダンピングをあまり奨励しない、必ずしも低入札がいいことではない、それから大丈夫だろうだと思うが、少しリスクも感じるということで、30%の保証を受けて、どちらかというと、あまり奨励をしないという方向へ政策的にやっている。 しかし、いくら独占的ではないと言っても、西日本建設業保証株式会社は、国によって、前払い保証などでは100%の権限を持っている会社である。 こういう立派な会社が、和歌山において、10%の場合は保証するが、30%の場合は保証しない、あるいはもう審査もしない、というようなことをいうのは、非常に不愉快というか、不合理というか、そういうふうに私は考えている。
10%か30%かを決めるのは、制度の問題であって、我々が決めることで、会社がそれについて、審査するかどうかを勝手に決めるのはおかしくて、会社というのは、申請者である建設業者がその保証に耐えるかどうか、あるいは体力は大丈夫かなどを審査して、それで保証をつけるといいのであって、いきなり10%の人だけ認めて、30%の人は認めないというふうに決めているのは、非常に不愉快なことだと考えている。
片桐章浩
低入札の件数と低入札のうち大阪支店が保証している件数はどれだけありますか。また西日本建設業保証株式会社は民間企業ですが、公益性を持っているため、広く公益性を鑑みて保証をしてくれているのです。一方で利益を生み出さなければなりませんから、低入札の保証に関してはリスクも感じている訳です。ですから同社では、公益性とリスクを考量したうえで低入札の場合は保証しないと定めていると思います。専門性の高い民間企業が、リスクが高いと判断して保証をしていない低入札について、その事業者と県が契約するということについてどう考えますか。
答弁者:仁坂知事
県土整備部の調査によると、平成20年度で低入札契約での保証実績は46件中2件、平成21年度については、年度の途中であるが、15件中7件となっている。
まず、片桐委員が引用された論拠は、見当外れであろうかと思う。公益とリスクというわけであるが、公益は、県が判断することである。そのため、30%か10%かというのを決めていて、できるだけ低入のほうにいかないように、そういうふうに我々は考えているわけである。
リスクについては、県のリスクと保証会社のリスクとがある。県のリスクについては、少しあるなということで、政策どおり30%の保証料いただくということで、ある程度敷居を高くするとともに、保証料も高くする。それで我々のリスクもできるだけ回避しようとしているわけである。
会社のリスクについては、保証料をたくさん払えるかどうか、保証の大きさが大きくなれば、保証料も高くなる。そういうことで、この会社は大丈夫かどうかということを保証会社で審査すればいいわけで、そのリスクをいきなり県がキープしている30%を全部排除するというのは、いったいどういうことか。金融機関として審査能力がないのではないかというふうにも思う。
それで今度は県としてのリスクはどうかということであるが、これについては、まさに低入札であるから、本当にそうなのか、下請けをいじめていないか、そういうようなことをかなり綿密に調査をするわけである。それによって、これはいけそうだと思うので、我々としては、認めているわけである。そういう意味では、県としては、工事が完成してもらわないと困るので、県としてのリスクには、我々としては十分考えて、県民のためにきちっとした審査をしているということで果たしていると考えている。
片桐章浩
西日本建設業保証株式会社大阪支店が30パーセントの保証をしてくれるのであれば、同協会の和歌山支店の信用リスクヘッジの取り決めは事実上、意味がないことになります。
このことは問題だと思います。和歌山支店をスルーして大阪支店に保証を求めることは、問題があると思われる低入札を増加させる働きがあると思います。
県が低入札で問題ないとするのではあれば、和歌山支店にも30パーセント保証をしてくれるよう依頼することで低入札が増えると思いますし、または全ての事業者に、大阪支店に依頼すれば30パーセント保証をしてくれると周知することが、事業者間の公平な競争になると思います。西日本建設業保証株式会社和歌山支店が30%保証をしないことの意義についての解釈は如何ですか。
答弁者:仁坂知事
制度は制度として県として責任を持ってやればよい。30%契約保証や低入札価格調査によって十分低入札の歯止めは掛けているはず。大阪へいく必要があるから低入札はやめたらどうだとか、和歌山でやってくれないので大阪へ行けとかそういうことをいうのは本末転倒で、行政機関として適切な考え方ではない。
県はきちんと評価をし履行可能と判断したうえで30%の保証を求める。事業者はその保証をとるために金融機関に行き、金融機関は和歌山であろうと大阪であろうとどこでも審査をしてくれる。これが一番理想の姿である。和歌山支店だけが勝手にある領域だけ仕事をしないというのはいかがなものかと考える。
片桐章浩
この項目の最後です。財務体質に不安のある事業者が低入札した場合の審査基準はどうなっていますか。特に10億円以上の工事の場合、従来は県外とのJVが必要になっていたようにリスクの高い仕事だと県が判断していた筈です。県単独で受けられるようになってからの入札は初めてのことですから、慎重な審査が必要だと思います。この審査方法が公表されていないことから不透明に思います。この審査に関して、特に財務内容の信用調査についてはどのようにしていますか。
答弁者:仁坂知事
低入札価格調査では、応札者に資料の提出をいただき見積金額が適切かどうか確認することとしている。財務内容についても、事業者の財務状況等を100%正確に把握することは困難であるが、関係機関に対して、資金力に問題がないかや、下請代金の支払遅延状況等をできる限り確認を行って審査している。
なお、大きい工事については県外企業とJVを組ませればよいという意見には賛同しない。県内企業できちんとできるなら県内企業にやっていただくのが一番よい。県外大手と組ませることで県のリスクを回避するという考えはない。
片桐章浩
当然、和歌山県内の事業者に仕事をしてもらいたいと考えています。ただ低入札の事業者が、工事途中で中断するような事態が発生した場合には問題が残ります。その場合の県に責任についてはどう考えますか。
答弁者:仁坂知事
履行されないことがないように低入札価格調査を行っている。工事続行が不可能となってしまった場合、県としては、契約を解除し契約保証金の30%を頂くことになる。新制度になってから低入札で工事が途中で中断した事例はない。いずれにしてもそのようなことがないよう、低入札価格調査を確実に行っていく。

高度化融資制度の課題について

片桐章浩
中小企業者が組合を設立し、連携して経営基盤の強化や環境改善を図るために、工場団地・卸団地・ショッピングセンターなどを建設する事業や第三セクターまたは商工会等が地域の中小企業者を支援する事業に対して、貸付けやアドバイスで支援する制度です。現在の通常金利は、年1.10%となっていると思います。
現在融資を受けているのに滞納している、または分割で支払っている団体は相当数に及んでいることが一般質問で示されていますが、これらの債権回収に関して、回収率を高めるための利率変更の考えはありませんか。
答弁者:商工観光労働部長
現時点の貸付利率は、平成19年から1.10%の設定となっている。過去の案件は貸付利率2.7%の設定であり、委員提案の趣旨は理解できるが、中小企業基盤整備機構の原資(約2/3)のもと融資が実行されており、現行の約定利率等への低減は、高度化融資制度の構造上、また契約上の制約から早期の実現は困難と考える。
しかしながら、回収率の向上も重要な要素であり、機会を捉えて、国並び中小機構等関係機関に提起していきたいと考える。
片桐章浩
和歌山市の雑賀崎の工業団地に、組合を設立してこの資金を借り受けた団体があるとします。とりあえず5社が揃うと融資を受けられることから、県の指導によって集まった組合の代表5人が個人として連帯保証をしあって融資を受けています。
各社にとっては、県が雑賀崎工業団地に移転しようとしている企業だったことから、県を信頼して個人として連帯保証をしているのです。ところが数年のうちに二社が倒産したため、現在稼動している残りの企業が5社分の債務を支払い続けています。
この厳しい経済状況の下ですから限界に近づいていますが、まともに返済している企業に対して県の支援はありません。
これらの倒産した企業に対しての請求や取立ての状況はどうなっていますか。
また県を信頼して移転してきた企業の返済に対しての支援は、私は必要だと考えていますが、県の見解をお示し下さい。
答弁者:商工観光労働部長
高度化融資制度では、債権保全の観点から人的保証の仕組みを採用しており、構成員全員が連帯して債務を保証する中で、組合が償還の主体となっている。この意味から、構成企業が倒産した場合は他の企業が債務を負担する仕組みで組合が返済することになる。
県として組合の構成企業の事情をきめ細かく把握する一方で、この制度の中で最大限の債権回収を図らなければならないという使命もある。
財務状況の悪化した組合に対しては、経営内容などを勘案し、条件変更などきめ細かく対応している。また、当該組合などの要望を確認し、中小機構から企業連携支援アドバイザーなどの派遣を求め、組合並びに組合員の経営診断を実施し、財務面、経営面の改善が図れるよう努めている。
片桐章浩
中小企業金融円滑化法を踏まえて、高度化融資の返済猶予措置は実行することはできませんか。返済期限延長の要件緩和を行っても対象となるところは少ないようですが、これらの和歌山県内の企業に勝ち残ってもらうために対策は考えられませんか。
答弁者:商工観光労働部長
中小企業金融円滑化法の趣旨を踏まえ、高度化融資制度も返済猶予にかかる制度要件が緩和されている。従来は返済期限を延長するために償還額が借入額の2分の1以上必要だったが、2分の1未満でも可能となった。
対象組合を調査したところ、正常償還組合12組合のうち1組合があったが、当該組合は今回の要件緩和には適用が難しいことが判明したので、現時点では該当組合はない。
それぞれの企業が勝ち残っていくために、工業技術センターや(財)わかやま産業振興財団等関係機関と連携しながら、販路開拓、新製品開発、経営革新など様々な産業施策を講じて、個別企業の発展を支援していきたい。
片桐章浩
高度化資金を借り受けて県内企業で生き残っている企業は、現在、売り上げが低下し厳しい経済環境に飲み込まれそうになっているところがあります。それは他社の連帯保証の返済がオンされていることから、事業計画で見込んでいた返済額以上に負担になっていることも要因です。この負担を軽減することによって、会社の発展性と将来にわたる完済が有望となるものですから、制度の緩和措置を考えてもらいたいと思います。
また、貸付制度は答弁にありましたように国の制度ですから、今直ぐの修正は難しいものがあると思いますが、知事として和歌山県の経済状況を踏まえて、高度化資金を借り受けている組合について、返済の負担を軽減するため、国への提言をされるお考えはありませんか。知事の答弁をお願いいたします。
答弁者:商工観光労働部長
高度化資金に限らずこういう問題は、制度の問題、その当時の方々の想い、経済状況の変化等により事態が変わってくると思う。
視点として、法律問題、契約問題、政策問題があるが、法律問題でいうと、契約書に判を押し連帯保証になると、組合保証なので全員が連帯保証になるということを法律上約束されているので、返してくださいというのが法律上の考え方である。事態を考えるとそれでは済まないことがあると思う。
特に高度化融資については、条件が良かったのでお借りになったと思うが、組合をつくった企業の1社2社が倒産したとき、残る会社がその分を返さなければいけない。これは経済の事態が変化してしまった訳で、それに対する対応をとらなければいけないのは政策的に当然のことではないかと思う。
本件の問題は元々国の制度であり、国全体でそういう風に決めてもらわないと和歌山県だけでは手も足も出ない状況である。国も高度化資金の不良資産の整理問題について積極的に対応しており、国としても当然政策的なことを考えると思うので、我々も実態をよく説明し、制度的な応援を頼みながら頑張っていきたいと考えている。

阪和自動車道和歌山南インターチェンジについて

片桐章浩
和歌山市では阪和自動車道和歌山南インターチェンジについての調査費用の予算が提案されています。和歌山市では、和歌山港からの物流や南東部地域の農産物の物流を考えた場合の接続の必要性を感じてのものだと聞いています。また南東部地域周辺の主要道路の管理者である県との協議や和歌山北インターチェンジ完成後の利用状況、和歌山インターチェンジの交通量の需要実態などを極めながら実現に向けた検討の必要性を答えています。 この和歌山南インターチェンジに関して、県の見解は如何ですか。
答弁者:県土整備部長
阪和自動車道和歌山南インターチェンジについてですが、その設置にあたっては、和歌山市の中心市街地の活性化を含めた市全体のまちづくりや地域振興の観点から、その必要性や可能性について検討することが必要と考えている。
現在のところ、市から具体的な協議を受けてはいないが、今後、要請があれば、市と相談しながら必要な支援を行って参りたいと考えている。