活動報告・レポート
2012年12月22日(土)
南龍会
南龍会

恒例の南龍会が開催されました。出席したのが20名の会員で、お互いの懇親を深めました。紀州徳川家の南龍公から名前を頂戴したこの会は、年々会員を増やしています。任意団体ですが会員資格があるため一気に増えることはないのですが、同じ思いを共有している人で構成されています。

ここで議論された内容の一部ですが紹介します。戦後、わが国に発展をもたらせて生活を快適なものにしてくれたひとつに社会のインフラ整備があります。高速道路やトンネル、道路などが該当しますが、戦後にインフラ整備されたものですから、60年が経過した今日、修繕の必要性が出ています。インフラ整備にもお金が掛かりますが、維持するのにもお金が掛かるのです。社会資本は税金で維持しているものであり、私達の提供する資金によって維持されているのです。

そんなインフラが老朽化していて更新の時期が現在です。再び私達の税金によって更新していく必要があります。その老朽化しているインフラ更新のコスト負担に関しては、余り議論が交わされていません。しかしもうその時期に入っていることは確実です。私達が社会資本の整備に関るコスト負担をすることになりますが、合意形成を図らなくてはなりません。

インフラとは文化的生活そのものであり私達が文化的生活を享受しているのですから、コスト負担は当然必要となります。昨今の風流では、必要なものは要求するけれど、個人としての支出は嫌だという傾向にあります。つまり義務は果たすことは嫌だけれども権利は主張するといった責任のない要求が横行しているように感じます。

社会資本にお金を出すことが嫌であっても生きていくとは可能です。社会資本の提供を受けないで生活をする方法です。実際は現代人は誰も生きた経験はないのですが、江戸時代のような社会だと、私達が社会資本にお金を出す必要は少ないのです。質素倹約は必要ですが、必要以上の質素と倹約が求められる社会になれば、社会資本は必要なくなります。

でも現代文明を享受することはできません。私達の社会はみんなで必要な資金を分担することで成り立っています。みんながお金を出し合って私達の代表である政府にその活用方法を委ねているのです。ですからみんなでお金を出さなければ、現代社会は成り立たないのです。

こんな問題提起がありました。既にインフラの更新は考えておくべき時期に入っています。社会資本の更新時期でもありますが、戦後を支えてきた企業の設備も更新時期に差し掛かっています。更新費用の負担を社会でどう負担していくのかも必要な議論です。社会で必要とされる製品を送り出している企業に存続してもらうためには、適正な利潤が必要です。社会構成員として、それを認めるような考え方も必要です。コスト削減は必要ですが、設備費用の更新費用の積み立ても必要なコストなのです。社会はみんなで構成していますし、この社会を守り維持していくのもみんなの力なのです。

自分だけが良ければ、という考え方は通用しません。

陰り

年末ですが繁華街の賑わいは例年よりも少ないように感じます。和歌山市内の繁華街の新内も少し陰りを感じます。人通りの少なさに加えて、来年回復する兆しが感じられないからです。それは雇用の縮小、人員削減、そして賃金の削減などが始まろうとしているからです。今日お邪魔したお店も、オーナーから平成25年1月末で閉めることになると聞きました。「もうお店を維持していけないから」というのが理由です。お客さんが少なくなっていること、そしてこれからも以前のように定期的に来てくれることが見込めなくなっていることを感じているからです。

飲食店のお客さんが減少しているのは、極論ですが給与か下がっていること、仕事がないことが原因です。給与が削減されると生活がありますから防衛に入ります。どうしても飲食に割く必要から削ることになります。懇親会の機会が減少することで、その影響として飲食店は直撃されることになります。

平成25年も経済回復が確約されているものではありませんか、特に飲食店は厳しい環境になるような気がします。しかし飲食店が元気であることがまちの元気です。温かくて明るいお店の灯があるからまちも元気でいられるのです。人が消え、灯が消えるようなまちに人は立ち寄りません。

人の消費を減少させてそれを喜ぶような社会はおかしいと思いますし、消費拡大のために必要な措置も、所得の平均を下げることで溜飲を求めるような社会はおかしいと思います。人も良くなり自分も良くなることを目指す社会に方向転換させたいものです。