活動報告・レポート
2012年11月19日(月)
エネルギー懇談会
懇談会

ある方と懇談の時間をいただきました。物事を決めるに当たってはそれぞれの組織の代表者や責任者と十分な議論を交わすことが必要であることを伝えてもらいました。意見を聞かないで方針を押し付けては不満が残りますから、方針を決定しても内心は従ってくれません。議論をした結果、多数派の意見でまとまれば結果は期待できます。

しかし議論を尽くした結果、多くの意見と違う決定をしなければならない場合があります。そんな場合トップは、トップが決断したことに対して尊重して欲しいと伝えるべきです。そして意見が異なっていたとしても、組織として必要なことなので従って欲しいことを伝えなければなりません。議論を尽くして結果を導くプロセスが組織には必要なのです。

短時間でしたが多くのことを学べました。

エネルギー懇談会

電力に関する懇談会に出席しました。わが国のエネルギーに関する話し合いの機会を得たことは有意義でした。現在、関西地域で火力発電所はフル稼働しています。通常、機械モノはある程度の時間、稼動させると休止させて点検することが必要です。しかし火力発電所が関西の電力供給の大部分を担っていることから休むことなく運転させています。本来であれば夏を追えた秋のシーズンに点検を行い冬に備えるのですが、一部点検しているものの稼動状態が続いています。

電気はあって当たり前ではなくて、不足しないように安定供給に努めてくれている人がいることで足りているのです。

電力に関する経済界からの意見を聞かせてもらいました。主なものを以下に記します。

  • 全てのデー原子力発電所が稼動しない場合は、電力供給量の30パーセントを失うことになり需給が逼迫することになります。
  • 原子力発電の代替に伴う化石燃料費用が増大することで電気料金の大幅な上昇を招くことになります。平成24年度の推計では、電力会社の化石燃料費の購入費用は3.1兆円増加しています。燃料調達を通じて国富が流失している状態になっています。
  • 日本はエネルギー需給率が4パーセントであり、エネルギーの多様化を確保することが不可欠です。化石燃料に偏ることはエネルギーの安全保障を脅かすことになります。
  • 電力供給を火力発電所にシフトした場合、温室効果ガス排出量が大幅に増加することになります。
  • 技術者の人材確保、技術継承が困難になり、廃炉も含めて原子力安全管理に支障を来たすことになります。
  • 世界で最高水準にあるわが国の原子力が否定されることになると、原子力の輸出は難しくなります。

以上のような意見があることを参考までに記しました。エネルギーのあり方に関しては多くの意見があります。わが国の発展、豊かな生活を維持することを第一に考えて結論を導きたいものです。

経済界からの主な意見も参考までに記します。

  • 国内産業は空洞が加速し、雇用の維持が困難になります。国家戦略会議がとりまとめた成長戦略とも整合性が取れなくなります。
  • 政府には責任あるエネルギー戦略を作ることを求めたい。
  • 米国との間で核不拡散、原子力の平和利用の重要なパートナーとしての位置づけがあります。米国との関係にも影響を与えるなど国益を損なうことも考えられます。

また関西経済連合会の要望は以下の通りです。

  • 国民の生活を守るべき政府には、現下の危機的な状況を解消し、電力にかかわる経済性や安定性を確保する責任がある。政府には下記の要望を真摯に受け止め早急に対応を講じるよう強く求めています。
  • 安全が確認された原子力発電所の早期稼動。
  • 革新的エネルギー・環境戦略の抜本的見直し。
  • 原子力政策に係る国家としての方針の策定。

以上のような推進の立場からの意見を聞かせてもらいました。エネルギー問題に関らず、物事は賛成と反対の双方の意見を聞きながら大局的に判断する必要があります。エネルギー問題で考えるべきことは国民生活を豊かにすることであり、判断を下す立場の人には大局観や専門知識、そして現場を知ることが必要となります。わが国の健全な発展を目指した方向性を期待しています。