活動報告・レポート
2012年11月6日(火)
特別委員会視察二日日
特別委員会視察二日日

本宮町から二日目の視察が始まりました。世界遺産熊野本宮館を訪問しました。熊野川沿いのこの施設は熊野川から溢れ出た水で浸水し、建物が15CMほど浮かび上がってしまい、傾斜してしまったのです。本宮町を訪れる観光客に情報を提供していたこの施設は現在閉館中ですが、平成24年中に補修を終え開館できるように工事が進められています。

遠くに見える大斉原の大鳥居も水に浸かりました。本当に想像できないような大水だったようです。この施設は年内の開館なので、比較的早い時期に復旧することになります。

特別委員会視察二日日

続いて国道311号線の滝尻王子付近に移動しました。この場所は凄いことになっています。山が崩れて土砂が溢れ出ています。その下を通過する国道311号も土砂で埋もれましたが、平成23年10月には仮復旧を終え自動車を通行させていたのですが、平成24年6月に再び通行止めとしています。通行止めにするまでに道路を挟んでいる富田川の対岸に新しい道路を作り、橋を架け、新しい国道311号線としてつなぐ予定になっています。

特別委員会視察二日日

これまでの国道311号線はアスファルトを捲り、盛土の状態になっています。崩れている山の土砂を取り除き、砂防ダムを二箇所建設することになっています。工事期間はまだ約2年は要しますが、完全に土砂を撤去する工事が予定されています。山崩れの恐れがあるため、従来通り通行させることは危険と判断して新しい道に切り替えることになっています。新しい道路を作ること、現在の道路を撤去することの現場に立つと、言葉はありません。ただ凄い光景だと思うばかりです。命懸けで工事を指揮し請け負ってくれている皆さんに感謝するばかりです。この箇所だけでも総工事費は約41億円となっています。予算規模から、どれだけ凄い工事か理解してもらえると思います。

そして西牟婁振興局に移動して管内の復旧工事の全体の説明を受けました。

まず台風12号が襲来した平成23年9月3日の当日のことから話を伺いました。建設部長からは「本当に職員には感謝している。本当に素晴らしい仕事をしてくれた」と感謝の言葉から始まりました。当日の大雨で道路が危険と判断したので、大雨の夜から翌日の朝まで道路関係の職員さんは交通整理に掛かりっきりだったのです。朝まで寝ないで大雨の中の交通整理の仕事がどれだけ大変だったのかは想像できませんが、翌日朝戻ってから倒れしてしまったことから激務であったことが分かります。少しでも外に出ると危険な状況なのに、一晩中道路に立ち、自動車に迂回することを指導したり、引き返すことを伝えるなど交通整理したのです。

特別委員会視察二日日

そして10月4日には通行させるまで復旧させたのですから、安全で迅速な仕事をしていたことが分かります。9月3日の大雨からわずか一ヶ月で道路を通行させることができたのは、職員さん、工事事業者の皆さんの頑張りという熱い物語があったことを知りました。漫然としていたものではなくて本気の仕事をしてくれていたのです。これも今日現地に来て、直接話を伺えたから知り得たことです。物語があるとその仕事の熱い思いを感じさせてくれます。物語があるから人に伝えることができます。単に数字や工事期間を伝えるだけでは仕事に込められた思いは伝えることはできません。物語があるので関係する皆さんの熱い思いを第三者が伝えることが出来るのです。

特別委員会視察二日日

そして西牟婁振興局では台風12号の規模を予測して、事前に土嚢1,000個を準備していました。常識的にこれで足りると思ったからです。ところがこれだけでは足りなくて、結果的にはこの時だけで5,100個の土嚢が必要となりました。安全確保のため土嚢を積み上げて対応したのですが、「もし不必要になっても責任をもつから」事前準備として作っておくことを西牟婁振興局では事業者に指示をしていたのです。トップの決断は正しかったのです。土嚢を準備していたから災害を防げた現場もあった筈です。トップの危機管理能力の高さが分かる事例です。

今も紀伊半島大水害に立ち向かっている皆さんの話を聞くことができたことは素晴らしい経験となりました。本気の仕事が本気の結果を出すことが分かっているからです。平成24年度中に95パーセント復旧させるという目標は達成できると思っています。