活動報告・レポート
2012年11月5日(月)
特別委員会視察初日
特別委員会視察初日

東南海・南海地震等対策特別委員会による県内調査です。紀伊半島大水害の後の復旧状況の確認のため新宮市、那智勝浦町、田辺市を訪れます。初日の今日は新宮市に入り東牟婁振興局と那智勝浦町の被災現場を訪れました。

新宮建設部全体の土木施設復旧事業の規模は、箇所数で189箇所、予算額で48億3,743万円となっています。平成24年度中に95パーセントの復旧を目指して取り組んでいますから、何としても早期復旧を完成して欲しいところです。

那智勝浦町の那智の滝も訪れたのですが、滝壺に岩石が流れ落ちてたものを粉砕して取り除く工事が行われています。滝壺から多量の土砂を運び出すための仮設道路を設置し、運搬しているのですが、まだ相当の時間を要するようです。観光地である那智勝浦町ですから早く復旧させて元の賑わいを取り戻して欲しいものです。台風12号以降の平成23年9月から12月までの観光客は、那智勝浦町では対前年比50パーセント減少しています。平成24年のゴールデンウィークでも25パーセント減少、平成24年の夏は8パーセントの減少と、徐々にお客さんは戻ってきていますが、本来の姿には戻っていないのです。

特別委員会視察初日

那智勝浦町は水産業、林業と共に観光業が大きな経済活動の柱です。和歌山県では観光キャンペーンを行っていますが、地元の復旧はそれ以上に大事な取り組みです。

そのほか復旧に関わるデータを示します。

製造業に対する事業継続と復旧を支援するため復旧補助金を支出しています。建物や機械設備などの復旧に対する経費が1,000万円以上のものに対して10パーセントを補助対象としています。9件で6,256万円の支出を行っています。

商工業、観光業、水産業事業者の事務所、作業所や建物や設備の建て替えや修繕に要する経費が100万円以上のものに対して10パーセントの補助を行う制度です。合計122件、補助金額6,245万円の支出を行っています。

農地、農業用施設の災害復旧事業としての支援も行っています。合計で145箇所、補助金額は8億6,053万円の規模です。

ただ現状は那智勝浦町と熊野川流域土砂は大量に残されていて、かなりの時間を要すると思えます。河川改修や砂防ダムの設置など大規模な改良工事も必要で、災害からの復旧は簡単なものではありません。現場に行くとそのことがとても分かります。数字や図面で確認することも大事ですが、やはり直接現場に出向くことが最も大事です。リアルタイムの進捗が確認できますし、現場の人の意欲や思いを感じることができるからです。

生きている現場は働く人から活発な動きを感じます。ダラリとした空気ではなくてテキパキした空気が現場で感じると安心できます。今は復旧途中の状況であっても、近い将来は完成していることが見通せるのです。現場で感じたことは、和歌山市に戻ってから人に伝える時に威力を発揮できます。

「紀伊半島は大丈夫。必ず復興します」と自信を持って伝えられるのです。これが現場を見ることの威力であり、現場力を感じることで言葉に力が宿ります。見ていない状況を人に正確に伝えること、見通しを話すことは難しいのです。

現場には神様が宿っていると思います。現場での活き活きした空気、働く人からは、まちを復興させているという気概が感じます。直接現場を見る、みなさんと話をすることはとても重要です。写真やインターネットでは伝わらないものがそこにはあります。

そして復興に込められた思いが予算につながり、それがまちを形成していくのです。

復旧途中の熊野川の状況を確認しながら川を上り、ここも被害を受けた本宮町へと辿り着きました。本宮町でもお客さんの宿泊は減少しています。田辺市本宮も観光が主要産業となっています。特別委員会は被害を受けたこの場所で宿泊しました。被害を受けた観光業の方と懇談も行いました。