活動報告・レポート
2012年10月16日(火)
モーニングセミナー
モーニングセミナー

今週もモーニングセミナーに参加しました。このセミナーは午前6時30分から7時30分まで実施している経営者のためのセミナーですが、前回と今回の講演を聞かせてもらいました。

今日の講演者は有限会社スマイルの仲岡社長です。和歌山県で初めてのバリアフリー旅行を立ち上げ、現在経営している福祉施設と共に事業化を図っています。今日もバリアフリーツアーを催行しているように和歌山県内でも認知度は高まっています。尤も京都や伊勢などではバリアフリー旅行は当たり前のことになっていて、高齢者や障がい者の方が観光に訪れても気持ちの良いサービスの提供をしてくれるようです。和歌山県は施設面でもソフト面でもこの分野では遅れていると言わざるを得ません。

さて仲岡さんがバリアフリー旅行を企画、実践しているには理由があります。以下、長く成りますが説明します。

仲岡さんは元々高齢者福祉施設を経営しているのですが、ここは少し変わった施設になっています。入居者の方ができることは自分でやってもらっていることです。洗濯をする時、全ての工程を自分で出来ないとしたら、どの部分が出来ないのかをスタッフに伝えます。例えば洗い終えた衣服を畳むことができないだとか、箪笥にしまうことができないなど、出来ない作業を伝えます。それ以外の作業はできる訳ですから、その作業は自分で行ってもらうことになります。水を入れる、洗剤を入れる、洗う、絞る、折り畳む、箪笥にしまう、などの工程の中で自分で出来ることは全て実施する施設になっています。

そうしないでヘルパーさんが全ての仕事をしてしまうと、自分では何も出来なくなってしまうのです。そうするとどんどん老化が加速していくことも考えられます。それを防止する意味からもこの施設ではヘルパーさんの介助は最低限のことにしているのです。経営者としたら介護保険料の請求する項目が減りますから経営的には厳しいのですが、高齢者の自立支援のための福祉施設を築いています。

以上のことから、高齢者の皆さんが元気で実利した生活をしていくために必要なことが分かります。自分のことは自分ですること、そして介護保険外のサービスを提供できる福祉施設であることが大切なことなのです。介護保険適用外のサービスとは、旅行や温泉での入浴、そして思い出の場所を訪ねることなどです。

介護保険適用のサービスだけを提供していると旅行にも行けない、温泉へも行けないなど行動は制約されます。施設管理者はそれで良いかも知れません。しかし入居者も時には観光や温泉を楽しみたいのです。旅行や温泉は介護保険適用外ですが、福祉施設としてその願いを実現させることが入居者の皆さんのためだと考えたのです。

車椅子対応のバスや高齢者や障がい者に優しい施設を探し、バリアフリー旅行を企画、実行しているのはそのためです。ただ福祉施設に入居して介護サービスを受けているだけなら、残された人生の目的は分からなくなると社長は話してくれました。そして介護保険のサービスの範疇で生活支援をするのではなくて、範囲外で入居者が望むことを実現したいと思い、バリアフリー旅行に取り組むことになったのです。

バリアフリー旅行は、このように和歌山県内では今まで無かった考え方を取り入れています。高齢時代を楽しめる、自由に旅行が可能になる。そんなサービスを実現させたのです。仲岡さんの企画力と行動力に感服しました。早朝からのセミナーは早起きは辛いものがありますが得るものがあります。今日も早起きで得をした一日が始まっています。

その他
  • ユニバーサルデザインについて協議を行いました。和歌山県では平成27年度に紀の国わかやま国体と紀の国わかやま大会が開催される予定です。メディアユニバーサルデザインの考え方に基づいたポスターやチラシ、看板などの製作が求められる時期になっています。
    全国からお客さんをお迎えするために最低限、媒体制作に当たってはメディアユニバーサルデザインの思考を取り入れたいと考えて協議を行っています。
  • 全国大会に参加するため和歌山市に来てくれる皆さんの資料などの整理を行いました。来月約300人の方々が和歌山市に宿泊で来てくれる大会があります。折角の機会なので観光資料や観光案内などを用意して、皆さんに和歌山県に好印象を持ち帰ってもらいたいと思っています。