活動報告・レポート
2012年10月6日(土)
政策研修会
政策研修会
政策研修会

電機組織の政策研修会にお招きいただきました。今年も講師としてお招きいただき報告する機会をいただいたことに感謝しています。今回のテーマは南海トラフによる被害と対策について、再生可能エネルギーの取り組みについての二つでした。事前に参加する皆さんの関心事項として二つのテーマを頂戴していました。県政の大きな課題でもあり、テーマに沿った形で報告させてもらいました。

まず南海トラフ大地震に関する報告です。南海トラフの位置を示した上で、紀伊半島はまともな場所にあることから他の府県にも増して対策の必要があることを説明しました。短期的には私たちが行政に頼るのではなくて逃げる意識を持つことが大切なことを説明しました。行政が従来から指定している避難所に逃げることではなくて、災害レベルに応じて逃げ込む場所が変わることを意識して欲しいのです。つまり地震であればレベル1、従来から指定している避難所に逃げ込めば大丈夫ですが、津波が発生した場合は避難所のレベル2、更に余裕があれば、レベル3の避難所に逃げることで生命の安全が確保できることを示しました。想定外の大災害が発生する可能性があると内閣府から示されたことから、ここに逃げれば安全という場所はありません。そのためより安全に近づくような避難所に逃げることを意識して欲しいのです。

但し、南海トラフによる大地震の被害想定は予想を上回る規模のものなので、逃げることを諦めたという意見もありますがそれは誤りです。どんな局面においても諦めることなく逃げることを最優先して欲しいのです。諦めたら生き延びることはできません。南海トラフによる大震災の発生可能性は極めて低く、巨大地震が発生したという情報があったとしてもそれが南海トラフ大地震であるかどうかは分からないのです。むしろ南海トラフによる大地震発生の可能性は低いので、地震発生の情報が入った場合は避難所に逃げることで助かる可能性が高いのです。まず逃げることを意識して欲しいことを訴えました。

そして中期的な対策を説明しました。ひとつは高速道路を逃げ場所として活用することです。紀伊半島南部地域は巨大地震が発生した場合、時間的余裕が無いため逃げることが難しいのです。ただ逃げられないからといって諦めてはいけないのです。紀伊半島一周の高速道路の整備計画があります。東日本大震災においても高速道路は崩壊していませんでした。つまり避難場所として高速道路は優れているのです。紀伊半島南部の高速道路のルートは決定しています。道路としてだけではなくて避難場所としての観点から、山間部を通すのではなくて、地元の意見を聞きながら津波発生の場合でも逃げられるような場所に建設することを決定しました。

津波が発生した場合でも諦めることのないような高速道路対策を講じています。いざという場合に備えて、人が高速道路に避難できるルートを設置することで決定しています。

政策研修会

そして長期的対策も準備しています。紀伊半島南部の市役所や役場、消防署や警察署などを高台に移転させる計画があります。これは行政機関に従事する人だけが助かれば良いという発想ではありません。災害発生時に必要なものは警察であり消防であり、ヘッドクォーターとしての機能を果たす市役所や役場なのです。これらの機関が機能しなければ二次災害や三次災害に発展する危険性があります。そうならないためにも行政機関が率先して高台に移動することで民間施設や住宅を高台に移すことを考えているのです。行政主導で町全体を高台に移転させることは困難です。しかし行政機関が高台に移転することによって民間施設や住宅地も高台に移転することが考えられます。30年先、50年先の安全確保を考えると行政主導の移転計画やまちづくりが必要となります。

そんな長期的視点での大災害対策についても説明させてもらいました。

続いて再生可能エネルギーの取り組みについて金融支援面から説明しました。新エネルギーへの取り組みは多くの人が認識しているところです。しかし実際に事業化を検討している皆さんに対する支援策を知っている人は少ないのです。和歌山県が金融支援を制度化していることは知られていません。県と議会が議論して平成24年7月2日から再生可能エネルギーに対する資金面での支援策を制度化しているのです。事業計画があっても資金面の課題によって再生可能エネルギーに進出できないことのないようにしています。この件に関して中小企業向けの金融施策を制度化しているので、皆さんのところに相談があれば融資制度を確立させていることを訴えて欲しいことを説明しました。

他にも中心市街地活性化について、中小企業支援対策に向けての取り組み、条例化につい説明を行いました。皆さんの熱心な議論によって有意な政策研修会になったと考えています。

尚、主な質問は大災害発生時の医療機関の安全対策について、近畿地方の直下型地震の可能性について、そして風力発電を推進すべきだという見地からの質問をいだきました。質問は最もな意見であり、同じ方向で防災対策を講じていることを説明しました。

とても有意義で楽しい研修会になったことを感謝しています。

その他
  • ライオンズクラブにおける諸課題について協議を行いました。10周年記念式典や会員同士の交流機会の創出など、現在感じている課題を克服するための方策について議論を交わしました。
  • 県道拡幅に伴う地権者との協議方法について打ち合わせを行いました。平成27年度の紀の国わかやま国体開催に向けて県道の拡幅と整備工事が進展しています。しかし地権者の同意や協力が必要な事業であり、そこに多くの問題が発生しています。問題解決のためには、話し合いや信頼関係に基づいた活動の必要性を感じています。今日示された問題の解決に関しては来週に対応する予定です。