午前中は、NPO法人青少年国際福祉教育協会の事務局を訪問し、日頃の活動を支援する会を実施しました。同法人は青少年の支援を初め、東日本大震災で被災されて和歌山市に非難してきている方々を支援しています。地道ですが和歌山県として必要な活動の一翼を担ってくれています。そんな活動に敬意を表し、事務所を訪ねて石巻市から贈られたひまわりの種の贈呈と、皆さんを励ます会として演奏活動を行いました。
会の最初は硬かった表情が、演奏会が進むに連れて笑顔に変わっていきました。そんな贈呈式になり、実施して良かったと思える会となりました。
さてこの会で贈呈したひまわりの種は、宮城県石巻市の大川小学校の校長と遺族の皆さんから寄贈されたものです。先週同校から私が受け取り、本日の贈呈式まで大切に保管していました。ひまわりの種を贈呈させてもらって感動しています。この会でこのひまわりの種にまつわる物語を伝えました。
石巻市は宮城県の中でも特に被害が大きかった地域です。石巻市だけで4,000人近くの方が亡くなられています。市立大川小学校もこの時大津波に飲み込まれ、生徒108名のうち70名が死亡し4名が行方不明となって現在に至っています。
その時、生徒たちが逃げようとしたとされる小高い川堤。逃げ切れなかったその川堤に震災後に植えたひまわりが成長しています。子どもを失った保護者の方々が自分の子どもを育てるのと同じ気持ちで植えたひまわりです。そんな子ども達の生命と同じ大切なひまわりの種を預からせてもらいました。そして今回、和歌山市内で被災者を支援している同法人に対して、石巻市と和歌山市をつなげる架け橋になって欲しいという思いを込めて贈呈いたしました。
贈呈を受けた同法人の副理事長からは「大切なひまわりの種です。一所懸命に育てて大きな命の花を咲かせたいと思います」という力強い決意の言葉を頂戴しました。
ひまわりの種を通じて、太陽のような子どもとひまわりの命がここに届けられたような気がしました。この大川小学校から届けられたひまわりの種は、和歌山市秋月と紀美野町のグラウンドの二箇所に植えられることになります。今日の日の気持ちを込めて大切に育てられるひまわりは、やがて大きな太陽の花を咲かせてくれると思います。次の太陽が輝く季節に、この小さな種が大輪の花を咲かせている場面を見たいと思います。
参加者からは「ひまわりの物語は本当に感動しました。私たちが大切に育てます」、「NHKで見た大川小学校のひまわりの種が、私達のところに届くとは思ってもいませんでした。大切な種を預かったわけですから多く育てます。そして咲いたところを大川小学校の皆さんにも見てもらいたいと思います」などの言葉を預かりました。皆さんの思いが石巻市まで届いていると思いました。
津波の事実と記憶は消せることはできませんが、生きる意味、生命の大切さの物語として時間や場所を越えて私たちに伝わっています。そして消してはいけない大切な生命の物語を、和歌山県でも伝えたいと考えています。ひまわりの生長を通じて生命の大切さを学ぶ機会にしたいと考えています。
そして贈呈式に引き続いてハーモニカの演奏会を行い、参加者全員でハーモニカに合わせて歌いました。和歌山ハーモニカクラブの皆さんからは希望を感じる歌の演奏を行ってもらい、生きている中に希望を持つことを感じさせられました。
協力していただきました和歌山ハーモニカクラブの皆さん、被災者の支援を行ってくれているNPO法人青少年国際福祉教育協会の皆さん、参加してくれた皆さんに深く感謝を申し上げ、私たちの気持ちを形として贈呈できたことを嬉しく思っています。
生命と希望について考える、とても良い機会となりました。そして石巻市と大川小学校とのご縁に深く感謝しています。素晴らしい贈呈式になったことを報告させていだきます。