活動報告・レポート
2012年9月18日(火)
エネルギー問題の指摘
エネルギー問題の指摘

知人の経営者が訪ねてくれ、エネルギー問題に関しては議論を行いました。政府のエネルギー政策は全く産業界の意向を無視しているもので、このままでは日本の将来は悲観的にならざるを得ないという意見がありました。電力不足と化石燃料の輸入コスト増大によって将来の電気料金の上昇が予測できる中、国益を追求するためのエネルギー政策を行うべきだということです。

その中で参考になると資料をいただきました。それがJR東海の葛西会長が書いた読売新聞、平成24年9月9日の記事です。産業界から国を考える立場としての意見があるので抜きだして掲載します。物事には賛否両面の意見があること、立場によって考え方の違いがある場合は批判ではなくて、相手を理解することがとても大事なことが分かる記事になっています。

  • 安価な電力の安定供給なしに、いかにして日本の製造業は世界の市場で競争力を維持できるのか。強い製造業なしに日本人はどこに雇用を求め、生活の質を維持しようとするのか。
  • 民意に従うと政治家は言う。一方、民意を啓発し、先導すべき時に政治家が大衆迎合し、専門家が沈黙したために滅びた愚考の先例に人類の歴史は満ちている。大衆は自分が求めるものの代償が何かを必ずしも自覚せず、現実を見て初めてそうだったのかと気付く。商品の生産計画をアンケート結果に依存する経営者は、会社を倒産させる。昨今のエネルギーミックスの議論のやり方は、こうした経営者と酷似する。原子力エネルギーを捨てた場合、どんな代償を払わねばならないかを知らされていないか、あるいは十分に自覚していない。今までと同じ生活水準を維持しつつ、原子力だけを捨てることが出来ると思い込んでいるとすれば誤りだ。
  • 停止した原子力発電に代わる化石燃料のために日本は2011年度、3兆円以上の国富を流出させ、電力コストは約25%上昇した。12年度は更に深刻化し、コスト増は5割近くに達するともいわれる。円高、人件費高なども加わり日本経済は失速しつつあり、8月に経団連が公表した調査結果では、2030年原発ゼロシナリオだと96%の業界団体が雇用を削減すると答えた。このままでは産業は衰退し、人は生活の手段を失い、貧困化する。
  • 人々の生活は多様なリスクと共存している。例えば自動車や航空機、高速鉄道の様な輸送システムも同様である。要はどこまでリスクを制御、克服し、覚悟を決めて活用するかだ。

以上、部分的に抜き出しましたが、議論をする題材として参考になる意見です。異なる意見を批判するのではなくて相手の考えを理解しようとしながら持論を述べることが建設的な議論です。批判で相手を一方的に封じ込めるやり方は、相手と異なる意見を尊重しながら方向性を見出す先進国の一員としての姿勢とは違います。

名前を出して述べている意見には、その人の思想や考え方があります。一人ひとりの考え方は違いますし、大きな課題では賛成意見と反対意見が拮抗する場合があります。そんな時、批判や匿名での中傷がある中では議論はできませんし、そこからは何も生まれません。

昨今の五大紙掲載記事において、今回の葛西会長の記事にあるような指摘は珍しいと思います。日本は製造業によって外貨を獲得し豊かな生活を維持しています。これは資源のないわが国が生きるために、この国の先輩方が築いてきた歴史でもあるのです。

歴史を知り、今に学び、そして将来を創り出すことが、現代を生きている私たちのやるべきことです。私たちの現代の活動は、将来のある時点においては歴史になっています。後世の人たちが今の私たちのやっていることを評価するのです。時代の評価に耐えられる活動ができているのか、自問自答したいものです。少なくとも批判や中傷は歴史に耐えられるものではなく直ぐに消え去るものですし、匿名では歴史に名前を刻むことはできません。名前を出しての建設的な意見が歴史を創っていくのです。

その他
  • 障がい者が作業所で働く場合の通勤手段としての介護タクシー利用に関して協議を行いました。現行は市の補助制度を活用して介護タクシーを利用することができません。そのため家族が送迎するなどの方法で通勤しています。家族への負担などから、せめて週に一回でも補助制度を活用した介護タクシー利用が図れるよう制度改定について説明を行いました。
  • 居宅介護支援について打ち合わせを行いました。
  • 生活保護に関する協議を行いました。
  • 夕方からは懇親会に参加し、経済情勢と企業活動についての話し合いを行いました。製造業を初めとする企業の体力が落ちつつあり、国際競争力の低下と雇用の確保が問題になっていることが確認できました。