内閣府の南海トラフの巨大地震モデル検討会で出された津波被害想定について話を伺いました。昨日の特別委員会でも説明がありましたが、改めて確認をすると理解が深まります。発生確率に関らず最大規模の被害想定に基づいて対応策を検討することは大切なことですから、平成25年度までに県内各地の被害想定の分析を行っていくことになっています。ハード面の対策も検討しますが、逃げること、逃げ切ることに主眼をおいた対策が検討されることになりそうです。
その中で一つの方法に活路を見出すのではなくて複数の避難方法を検討することもポイントです。例えばインターネットや携帯電話を通じての情報発信と受信は有効な手段ですが、それらのツールを活用できない人にとってはどれだけ迅速な情報発信をしてくれたとしても情報を得ることができません。その場合はラジオやテレビ、防災無線などでも情報を発信することも対策として検討しなければなりません。
それでも全ての人への情報発信は不足しますから、足りない部分を補う取り組みも必要になります。ただし情報を受け取る側はそれを受け取って逃げようとする意思を持つべきです。行政は生命と財産を守ることが使命ですが、個人としても自分で生命と財産を守る覚悟が必要で、何でも行政任せでは生命も財産も守れなくなります。自分が主役ですから主体的に防災対策と避難対策に取り組みたいものです。
その対策のツールの一つとして防災ラジオがあります。防災ラジオの実験を見せてもらいました。ラジオの電源を入れていない場合や防災対応のエフエムを聞いていない場合でも、緊急速報が発信された場合、瞬時に防災情報を受信してくれます。電源が入っていない場合は電源が入り防災エフエムを受信してくれます。他のラジオ番組を聴いていた場合でも防災エフエムに切り替わります。
防災ラジオがあるだけで大災害に関る緊急速報を受信できるのです。防災への備えとして有効な手段であると感じました。既に防災ラジオを配布し終えている地域もありますし、これから検討しようとする地域もあります。南海トラフの巨大地震モデル検討会で出された津波被害想定に備える方法は複数必要です。県内各地域で防災ラジオの導入を検討して欲しいものです。
紀の国わかやま国体の宿泊と交通事情の改善に関する協議を行いました。宿泊できる人数は限られていますし、競技種目によっては宿泊が集中する月日も発生します。競技の分散化や宿泊できる人数の地域割りなどが必要となり、現在、その作業に取り組んでいます。和歌山県に来て良かったと思ってもらえる体制作りが進められています。選手に関しては宿泊場所から競技場所までの移動時間は30分以内と考えています。応援団の皆さんに関しての移動時間は1時間以内と考えて、受け入れ予定のホテルと協議に入るようです。
また交通量の調査についても先に開催した府県の実績を基にして、これからの推定作業に入るようです。その結果に基づいて交通事情を未然に改善する方向で導線を決定していくようです。
競技種目と共に施設面での体制も受け入れる県としては大切な備えです。
県内での再生可能エネルギーと設置に関して相談がありました。設置計画場所は県内の自然公園内です。自然公園内に工作物を設置する場合は自然公園法に基づく規制があり、計画は簡単に進みません。クリアすべき諸条件があり、それもクリアできるかどうかは個別の事例に基づくため、結果を見通すことは難しいのです。
今回の計画は、売電収入を得ることも然ることながら、100軒程度の湾内の集落の非常時への備えの要素が強いのです。事業者は大阪市内の経営者ですが、和歌山県出身のご縁から、和歌山県支援のため再生可能エネルギーの設置を計画してくれています。所有地がたまたま自然公園内だったのです。少し高台にある場所であり道路も敷設されているため、避難場所としても活用できます。災害時への備えと自然公園保護の価値判断が難しいところですが、自然公園法では再生可能エネルギー設置は想定していません。解釈の余地があると思いますから、協議を進める予定です。
アメリカに留学経験のある事業者と話し合う時間がありました。午後7時から10時までの3時間、留学体験をたっぷり聞かせてもらいました。この3時間は素晴らしい時間となりました。
この方の話は優れた特徴があります。相手が望んでいることを引き出してその気にさせることです。
一つ。困難だと思われる質問に対しても、必ず「大丈夫」と頭出しをしてからその理由を述べていきます。
二つ。全ての答えはあなたがそう思っているのであれば「できる」と答えることです。全ての答えは自分の中にあります。それを見事に引きでしてくれます。
三つ。過去は関係ない。これからの決断が大事であることを伝えてくれます。過ぎ去ったことを相談事として取り上げて、「そうすれば良かった」という相談に対しては、「それは過ぎたこと。これからどうするかを考えましょう」と話を転換してくれます。
四つ。その次にある不安の理由を語ることよりも、今すべきことを解決することに意識を向けさせてくれます。
五つ。困難だと思っていることに対しては、お金で解決できる課題なのか、自分の意思で決められることなのか。それとも人脈が必要で誰かの助けがいることなのか、に分類して解決可能かどうかを判断する方法を示してくれます。大きな課題であっても分類してひとつずつ自分に問い合わせると以外と簡単に思えるものです。
六つ。自分の意思でやりたいことを決められないのは自信がないからです。何故自信が持てないのか、追求して悟らせてくれます。自らの体験による事例を基にして、「どうして」を繰り返すと真の理由が浮かび上がってきます。
七つ。相談する相手が自分の意見を否定する場合があります。その場合は「じゃその方法に従うからお金を出だしてくれますか」と確認すれば良いことを伝えてくれました。お金を出してでも方向を変えようするなら本気で思ってくれています。そうでないなら自分の意思に従うべきです。
八つ。行き詰った場合の対処方法。その場所、その立場を代わったら良いのです。その位置を離れる決断ができると問題は解決します。
九つ。結局は「やりたいの」、「やりたくないの」の二つに一つです。決めるのは自分だということです。やりたければやる。そうでなければ諦める。二者択一それだけです。
最後。悩んでいる二つの選択肢を書き出します。一つは日本の学校を卒業する場合。もう一つは休学して留学した場合と書きます。それぞれの項目にそれをやり終えた場合の評価を書き入れていきます。その評価を点数化します。その点数を積み上げて、点数の大きい方が自分の望んでいる方向なのでその方法を選択するのです。
以上、簡単に記しましたが、とても素晴らしい気づきの時間でした。