トルコの軍艦エルトゥールル号と串本町との関わりについての話は言うまでもありません。平成20年から、エルトゥールル号遭難海域の水中で発掘調査が行われていました。和歌山県立博物館では120年もの時を経て引き揚げられた同船の遺物を展示する特別展である「よみがえる軍艦 エルトゥールルの記憶 」が開催されることになりました。明日からの特別展に先立つ今日、内覧会が開催されたので会場に行ってきました。
エルトゥールル号事件については何度か紹介しているので、今回は簡単に和歌山県のホームページから引用いたします。
『1890年(明治23年)9月16日夜、 オスマン帝国最初の親善訪日使節団を乗せた軍艦 「エルトゥールル号」が串本町樫野埼沖で 台風による強風と高波により座礁し、沈没しました。この事故により587の命が奪われる大惨事となりましたが、 事故の知らせを聞いた大島島民の懸命の救助活動により69名を救出することができました。 この遭難に際し、大島島民が行った献身的な救助活動が、 それからトルコの人々の間で語り継がれています。
この「エルトゥールル号」の日本訪問と遭難は、 その後の日本とトルコの友好関係の原点とされています』という内容です。
トルコと日本が友好的な関係にある背景には、このエルトゥールル号事件があったのです。歴史はその時々の人が関わった事件の積み重ねであることが分かります。
さてこの特別展の主催は和歌山県とトルコのボドルム・カリヤ文化芸術振興財団ですが、同財団からトゥファン・トゥランル代表が、来賓としてセルダル・クルチ駐日トルコ特命全権大使が参加してくれました。友好関係を築いている現場に立ち会うことができ、人と人との信頼関係が国同士の信頼関係につながっていることが実感できました。
トゥファン・トゥランル代表の挨拶の中に、エルトゥールル号の遭難は悲劇ではありましたが、トルコと日本両国の友好関係の礎になっていることを思うと、決して悲劇ではないという意味付けができるという主旨の言葉がありました。つまりエルトゥールル号の物語は現在に至るまで120年も続いているものであり、この物語はこれからも続くものであることも理解できるものです。両国が存在している限りエルトゥールル号の物語は普遍なのです。人同士の信頼関係がどれだけ大切なことか分かる雰囲気がありました。
トルコでは小学生の頃からエルトゥールル号事件のことを習うので、このことを歴史の出来事として知っています。ところが日本では習っていない人が多いので、トルコとの友好関係の礎を知らないのです。とても残念なことなので、教科書に掲載してもらえるような取り組み、そしてこの歴史を子ども達に知ってもらうための活動を和歌山県では行っています。
今日の式典には撮影予定の映画「エルトゥールル号」の田中光敏監督も出席してくれていました。田嶋串本町長と同級生だそうで、映画製作に協力してくれることになったと伺っています。ここでも人と人とのご縁が活きています。
素晴らしい式典に出席できたことを誇りに思っています。
午後7時から9時までの間、議会報告会を開催しました。今日の議会報告会では、平成24年9月県議会定例会の議案と補正予算の内容についてと、南海トラフ地震の国の被害想定に基づいての現状説明を行いました。補正予算は平成23年に発生した台風12号被害からの復旧に対する予算案が主なものであり、被災地域の復旧のために必要な予算だと認識しています。
また南海トラフの大地震発生の可能性の想定については衝撃ですが、この想定値に基づいて対策を検討する必要性に迫られています。ハード対策は限界があるため、逃げるために必要な対策を実行していくので、自分で逃げることを日頃から思っていて欲しいことを伝えました。
報告後の意見交換では、学校におけるいじめ対策について、および和歌山県に誇りを持つ教育の必要性について提言がありました。いじめの問題は隠さないことと、対応できる人の存在が不可欠であることが解決の方法であることを話し合いました。
和歌山県に誇りを持つことに関しては、エルトゥールル号事件での和歌山県民、串本町民の対応は誇れるものであり、全国に、そして後世に伝えていく教育が必要なこと。そして稲むらの火の物語などをもっと知り、世界に伝えることで誇りに感じるということでまとまりました。
議会報告会を楽しみに待ってくれている方もいます。政治の話を楽しいと感じてくれる人が現れてくれていることは嬉しいことです。政治が悪いのではありません。誰が政治に携わるかによって政治の姿が変わるのです。正しいことをする人が政治をすれば、不条理を見逃さない正しい政治になります。不誠実な人が政治に関われば、不誠実になります。誰が政治に携わるかで政治の姿は変わっていくのです。
議会報告を通じて皆さんの意見を聞くことができています。それぞれの分野において、今日より少しでも課題が解決できている実感があります。自分たちが和歌山県を創っているという実感を持てるような政治を心掛けたいものです。
- 和歌山市内の某企業の新工場建設現場を訪問しました。現場が動いている企業は元気があります。働く意義を感じられると仕事に生き甲斐を感じられます。厳しくてもやりがいを感じられる企業は現状でも元気ですし、そこで働いている人の言動を通じて発展していることが感じられます。
- 再生可能エネルギーについての意見交換を行いました。太陽光発電と小水力発電、そしてバイオマス発電について取り上げました。太陽光発電は適地が少ないこと、小水力についても即戦力とする地点がないこと、バイオマスに関しても必要な燃料、チップの調達が難しいことから、適地と思われる和歌山県での再生可能エネルギーの導入は遅れています。導入に最も適した時期があるので、この取り組みについては加速度をつけることを話し合いました。今決まらなければ来年も決りません。