活動報告・レポート
2012年9月2日(日)
久代会
久代会

久代会によるバーベキューがあり参加しました。二ヶ月に一度開催されている久代会ですが、本日は屋外でのバーベキューでした。この会には本当に多くの皆さんが参加されています。楽しい一時を過ごさせてもらいました。

久代会は元々、久代食堂の常連さんが定期的に集まり懇親会を持つことから始まったそうです。参加資格は常連さんとその友人です。その仲間の輪が大きくなり現在に至っています。但し会の原点はそのままなので、誰でもいいのから増やすという考えはありません。参加者を増やすことを目的とはしていないのです。そんな会に呼んでもらえていることに感謝しています。

またここでは懐かしい顔に会うことができるのも楽しみの一つです。市役所OBの皆さんとも話が弾みます。市議会議員でいた頃は、もう10年前から6年前の間ですから、その時の幹部職員だった皆さんは殆どが退職されています。新人議員で市役所の仕事が分からなかった時、教えてくれた先輩の皆さん達です。ここでは仕事の話はしないので、ゆったりとした時間の中で話し合えることができます。

さてこの会に千葉県からガラス造形作家の西中千人さんも参加していました。西中さんは和歌山市和歌浦の出身で高校卒業後に西安に留学した経験を持っています。短時間でしたがとても興味深い話をすることができました。

西中さんは若い時には東京など都会に憧れ世界へと飛び立ちました。しかしこの頃は自分の故郷である和歌山県を思う気持ちが強くなってきたと言います。例えばガラス作品で青い色が出せたとします。同じ青色でもアーティストによって思いが違うのです。西中さんは和歌浦出身ですから、幼い頃から青い海を見て育っています。その幼き日の輝く青さがガラス作品の青さで表現されているのかも知れません。感覚としては意図的なものではなくて潜在意識が生み出した色のような気がします。

アーティストは世界を旅して自然人が残した優れた芸術作品に触れています。そんな出会いによって感性が更に磨かれていくような気がします。土台にあるものに新しい要素を付け加えて、アートという世界を創り出していくのです。

西中さんが故郷に誇りを持ってくれていることを嬉しく思います。故郷に作品を通じて何かを伝えたいと思ってくれているようだからです。ただアーティストですから、やる限りは納得する優れた作品を残したいと思っています。頼まれたからといって簡単に作り上げた作品を展示する訳にはいかないのです。西中さんの作品は後世に残るものですから、現代の人だけが鑑賞する作品ではないのです。30年後、50年後の人もその作品を見ることになります。時代を超えて評価される訳ですから、それぞれの時代の評価に耐え得るものを創り出すことが使命です。

何でも良いので和歌山県のために作って欲しいという依頼はできませんし、すべきではありません。西中さんの作品を正当に評価して仕事の依頼を行うことが礼儀です。和歌山市出身だからといって、その故郷がアーティストに甘える姿勢はいけません。

ところで世界を巡って気付いたことがあると聞きました。和歌山県の持つ文化遺産の価値です。高野山の価値は世界でも一流のものです。道成寺の物語はわが国を代表する文化です。そんな素晴らしい本物の価値を和歌山県は気付いていないのです。日本国内ではなくて世界に誇れる財産を持っていることに気付き、世界に売り出すことを考えるべきだという意見を頂戴しました。

国内を相手にするのか世界を相手にするのかでその広報の方法、踏み出す第一歩は違ってきます。高野山は和歌山県にある。道成寺も和歌山県にある。首都圏では知られていないこともあると聞きました。せめて和歌山県が歴史を超えて世界に誇る価値を発信したいと思います。とても素晴らしい出会いに感謝しています。