活動報告・レポート
2012年9月1日(土)
いじめの問題
いじめの問題

学校のいじめの問題について教育関係者と話し合いました。滋賀県で発生したいじめに端を発する事件を受けて全国でいじめの問題に取り組んでいますが、和歌山市内の各学校でも真剣に向き合っています。本日は和歌山市内の公立小学校を訪問して校長先生たちとこの問題について深い議論を行いました。

この夏休も、この小学校では連日のようにいじめの問題を教員で議論を行っています。今年の夏休みはいじめ問題に向かい合う期間であり、現状認識と二学期に向けて絶対に起こさない、万が一いじめが起きた場合の対応を議論し一定の結論を出せた8月でもあったようです。

もしもいじめの問題が発生したと仮定して、初期対応が最も重要です。事件性があることに躊躇したら最初の一歩が出遅れます。まずいじめの内容を把握して教師と保護者で向かい合うことから始まります。起きたことを否定したり逃げていては解決に向かいませんから、思っていることを素直に話し合うことが大事です。

ここでいじめ問題とは違いますがひとつの教訓があります。平成24年6月、和歌山市内で昼間に殺人事件が発生しました。この時、各学校では事件の全容が解明し安全確保ができるまで生徒を下校させないように学校内で待機させました。やがて事件の一部が明らかになり、事件の場所と犯人が判明したことや、この学校への危険性がなくなったと判断したことから、生徒を下校させました。勿論、判断したのは教育委員会、少年補導センターからの情報と下校判断の相談した結果、安全が確保できたと判断できたことから校長先生が下校の意思決定を行ったものです。

学校への通学に際しては生徒の安全確保が大前提です。その安全性が確認できたことから下校させたのですが、夕刻、生徒の保護者から多くの電話が寄せられました。それは「殺人事件が発生しているのに何故子どもを下校させたのか。学校で待機させるべきではなかったのか」という苦情でした。

保護者の立場からすれば、事件の全容が分からないのに、そんな危険な中を下校させたことに対しての不安があったのです。学校側は各種機関から情報を取り、絶対の安全性確保を確認できた時点で下校判断を行ったのですが、その過程が保護者には見えなかったのです。安全は確認できたけれども安心は確認できなかったと校長先生が話してくれたように、安全と安心は違うものなのです。

安全であっても安心できないのは、情報と意思決定に至る過程の議論が相手に伝わっていないからです。安全と安心はセットものとして提供する必要性を感じます。但し、慣用句のように安全と安心と使いますが、二つの言葉は違う独立した意味を持ち、ふたつの意味を同時達成してこそ使える言葉です。今回の事例のように安全と安心は違う行為によって同時に達成できるものなのです。気を付けたいものです。

さて夏休みのこの小学校ではいじめ問題について教師、そして校務員さん、事務員さんも交えた会議で議論を行っています。全ての関係者がいじめ問題に向かい合い、笑顔で二学期を迎えるための議論と具体的対策を考えています。極端な話ですが、教師から笑顔が消えるまで話し合いが続けられました。そして教育現場として考えられる対策を行うことにしています。夏休みもあと一日になりましたが、教師が笑顔で生徒を迎える準備が整っています。

校長先生の願いは、全ての生徒が笑顔で登校できること。いじめは絶対に発生させないこと。万が一にでもいじめが起きたら即座に対応することの三点です。その精神は「いじめはどこの学校でも、どこにも起こりうるものですが、決して許されない」という校長先生の言葉に表れています。

三人での話し合いの中から、いじめ問題への対応はこれだけ真剣に議論して対策を講じていることが分かり、小学校の取り組みに信頼を寄せましたし安心できました。

最後に校長先生の座右の銘を聞かせてもらいました。「Noという理由を考えるよりも、Yesと言える理由を考えて1ミリでも良くなる方に向かいたい」といものでした。できない理由を考えてもそれは進歩ではなく後退です。前進するためにはできる理由を考えて実行に移すべきです。いじめに立ち向かう対策を確認できたので、安心してこの小学校を後にすることができました。

議会報告会
議会報告会

夕方からは恒例の議会報告会を行いました。場所は岸和田市のだんじり劇場です。今日のだんじり劇場はいつもと違う雰囲気でした。それは再来週が、岸和田市が1年中で最も盛り上がる岸和田だんじり祭で、明日の日曜日がだんじりの試験曳きの日だからです。街中は祭りムード一色で電柱にも紅白幕が巻かれ、否が応でも祭りの雰囲気を感じることになります。これで盛り上がらない方が不思議です。まちを挙げてだんじり祭を盛り上げているようです。

こんな祭り一色の中、まちに背中を向けて参加してくれた皆さんに感謝しています。今回も多くの気付きと学びかありました。また新しい参加者とも出会い和歌山市と岸和田市の交流機会が増えました。

議会報告会

高齢者に優しいまちづくり、そして健康のためのエクササイズの提案、外国人観光客をお迎えする心構えの話など、秋からの新しい取り組みについても報告できました。