活動報告・レポート
2012年8月29日(水)
委員会視察二日目

本宮を出発して新宮市に向かいました。本宮から新宮市まで熊野川を船で移動するという方法を取りました。水路で新宮市まで移動するのは珍しいと思います。今回は本宮から新宮市までの熊野川の被害状況を確認するため船で移動する手段を採りました。船から見ると河川と法面の状況は良く分かり被害の見方が変わります。水害の恐ろしさと信じられない水位であったこと、そして復旧の難しさが実感できます。

見えないところですが川底がかなり上がっています。最も水位が深い箇所は25メートル位であったのが、現在は20メートル程度と浅くなっています。つまり山崩れの土砂が流入していることや、熊野川の上流からかなりの量が運ばれているのです。

時々、船の底が川底に摺れる音がしました。ガリガリという音が聞こえるほど、河川が浅くなっているのです。

そして川幅が狭くなっていることが分かります。土砂や石などが堆積し川幅が狭くなっていることが分かります。川が曲がる箇所ではその内側に土砂が堆積していることが確認できます。大きな石は川の両側に落石しています。これらを取り除くことが、将来の水害被害を防ぐために必要な措置ですが、簡単に取り除くことは不可能です。半端な量でないのです。見えている部分でも短期間で除去することは不可能と感じますから、川底の土砂を浚渫するにはもっと長い時間と費用が必要です。

それ以前にこの除去作業を行政機関が行うとは思えません。道路や川の法面の復旧を優先させていますから、川や川底の土砂の除去は実施するとしても後回しになります。それだけ困難な工事を実施するのかどうか分かりませんが、現時点では工事の見込みはありません。これも復旧から復興の段階、つまり災害に強い地域づくりのための課題です。

また土石流が発生した後が所々あります。山崩れの後は傷跡とも言える状態で、このままでは次に大雨が降る時にも崩れる危険性があります。現地を見ると砂防ダムも必要だと感じます。ネットだけでは防ぐことは困難ですから、長期的な課題として捉えています。

そして台風で亡くなった方の慰霊碑も設置されています。これを見るととても辛いものがあります。

一見、復旧しているように見えますが、角度を変えると復旧はこれからだということが分かります。紀伊半島の南部地域の復旧に関しては引き続き支援していきます。経済警察委員会と特別委員会の両方で問題を出し合い議論を重ね、必要な措置を取りたいと考えています。

続いて熊野速玉神社を訪問して復旧状況を聞き取りしました。境内にある日本最大のなぎの木も見ることが出来ました。古い時代の人たちは天然記念物のこの木が安全や世界平和の象徴としてしたとこを知り、新しい宮である新宮から私達の安全と幸せを見守ってくれているのです。

警察関係は二箇所訪問しました。ひとつは太地町の臨時交番です。反捕鯨団体の活動から地元県民の皆さんを守るために、平成23年12月27日から太地町臨時交番を開設しています。太地町の皆さんの安全と安心を守ってくれている交番です。捕鯨の港に向けて監視カメラを設置しているので不審者が侵入すれば即座に対応できるようになっています。

二箇所目は串本警察署代替指揮所の建設予定地を訪れました。現在の串本警察署の場所は海抜2.9メートルです。東南海・南海地震による津波が発生した場合、串本警察署はその機能を果たすことができません。そこで代替施設として海抜53メートルの串本町サンゴ台に、串本警察署代替指揮所を建設することが決定しています。

平成24年度は設備設計を行い、平成25年度に建設工事と用地購入を行うことになっています。串本町の消防署もサンゴ台に移転するため建物の建設中ですし、市民病院もこの場所にあります。警察署の移転などを行うことによって、津波が発生した場合でも警察機能を果たせるように務めています。

短期間で和歌山県を一周してきました。現地を視察して現状確認と課題を把握するなど成果がありました。議会活動に活かしていくようにします。