活動報告・レポート
2012年8月24日(金)
大分県議会から視察
大分県議会から視察
大分県議会から視察

今年、大雨の被害を受けた大分県。その大分県議会議員2名が視察で和歌山県庁を訪れてくれました。本日来てくれたのは大分県議会の小嶋秀行議員と藤田正道議員のお二人です。大分県が大雨からの復旧計画を策定して取り組みを行っているところですが、和歌山県の復旧と復興計画が参考になると考え、今回和歌山県庁を訪ねてくれたものです。

最初に和歌山県総合防災課を訪ねて、平成23年9月の台風12号被害の状況と、現在取り組みを行っている「和歌山県復旧・復興アクションプログラム」について説明を行いました。

おさらいになりますが、平成23年8月30日から9月4日までの5日間の降水量は約2,000ミリで、この雨量は和歌山県の年間降水量とほぼ同じです。凄まじい大雨だったことが改めて分かります。人的被害は死者56人、行方不明者が5人。物的被害としては家屋の全壊が434軒、半壊が2,105軒、床上浸水が2,698軒、床下浸水が3,146軒となっています。

道路などの復旧状況ですが、道路の通行止めの箇所は185箇所ありましたが、平成24年5月28日現在で166箇所が復旧済みです。また40あった孤立集落は全て解消しています。

鉄道は白浜町と串本町間が平成23年9月17日に開通、串本町と紀伊勝浦駅間が同年9月26日開通、紀伊勝浦駅と新宮駅間は同年12月3日に開通させています。災害発生から三ヶ月で鉄道は復旧させています。

大分県議会から視察

予算措置などの経緯です。平成23年9月議会において673億円の補正予算を組んで初期対応しました。これは和歌山県としては過去最大規模の補正予算で、この予算をもって早期復旧に対応してきました。

また住宅の提供と再建支援として、被災者の生活再建支援法の支援金に上乗せを実施しています。住宅の建設や購入に対しては、国の制度として最大300万円の適用が受けられますが、和歌山県では150万円の上乗せを可能とする施策を講じていることから、最大450万円の再建費用の補助が受けられます。この上乗せは全国で初めてのことです。

このように早期復旧を目指した取り組みを行い短期対策は現在も継続しています。また中期対策として、道路や河川などの公共土木施設の95パーセントを本格復旧させる生活基盤の向上を図る取り組みを行っています。

世界遺産や文化財、教育関連施設は完全復旧を図り、地域社会の活性化を目指しています。

長期対策としては、災害に強い幹線道路ネットワークの整備。予防的な治水対策として中小河川の排水対策による水害に負けない地域づくり。そして土砂災害対策として地すべり対策事業による予防対策の徹底を図ることを目指しています。

これらの対策を継続実施することで紀伊半島大水害からの復旧と復興を目指していることを説明しました。

大分県議会から視察

続いて県議会に場所を移し、議会としての取り組みについて説明を行いました。

県議会でも平成23年9月4日に災害対策本部を設置して情報把握と行政機関との情報連携と復旧への対応などを行いました。11月30日をもって同本部は廃止していますが、引き続いての対応は東南海・南海地震等対策特別委員会に引き継いでいます。

また平成23年9月定例会では一般質問の日程を4日から2日に短縮することで、補正予算措置や政府要望への対応を行いました。9月28日の閉会までに全ての議案審議を行うと共に、当局の作業と平行して災害復旧に必要な補正予算をあげるための準備を行いました。

結果として672億7,300万円という和歌山県としては過去最大規模の補正予算を可決して早期支援に移りました。

加えて特別委員会の存在があります。東南海・南海地震等対策特別委員会が設置されていることから、台風12号への対応も同特別委員会が所管することにしました。委員構成を11名から被災地の議員6名を増やし17名へと増員を図り、被災地の意見をダイレクトに委員会へ持ち込み議論できる態勢を整えました。これによって被災地の本音や思いが伝わる意見、和歌山市など被害の少なかった地域からの客観的で冷静な意見を同じところで議論でき当局とも意見交換が図れているので、議会として情報の連携と当局との意思疎通を図れるなど議会として機能していると考えています。

以上議会としての取り組みについて説明を行いました。

また折角の機会なので和歌山県の観光と紀の国わかやま国体についての説明も行い、大分県と和歌山県の心理的距離を近づけるようにしました。視察に来ていただいたことで、改めて議会としての台風12号への対応を総括できることができました。説明機会があることで自らの認識を確認し、防災意識を向上させることにつながりました。

長い道中、長い時間を要して、日帰りで視察に来てもらったことに感謝しています。

その他

夕方からはアバローム紀の国において懇親会を開催しました。夏も終盤に入り、これまでの活動の打ち上げと後半戦の活動を飛躍させるための会でした。